西山市道付け替え住民訴訟

コラム「風見鶏」

西山を守る会のホームページ

オオタカの営巣 4年連続確認 西山を守る会

 西山を守る会(花上義晴代表)では、平成16年から荻野の里山に生息するオオタカの観察を行っているが、今年も、荻野川近くの里山でオオタカの営巣地を発見、2羽のヒナが成長している姿を確認した=写真・内木良氏撮影
 確認したのは守る会オオタカ部の小原俊彦さんで、今年の4月12日、荻野の里山でコナラの木に巣をかけたオオタカが抱卵している姿を発見した。小原さんによると営巣地は1昨年5月に確認された場所とまったく同じところで、2年前はカラスの巣だったものをオオタカが改造して自分の巣にしたもの。今年もまったく同じコナラの木に巣をかけていた。小原さんは5月21日、コナラの木の下にヒナの糞が落ちていたことから、ヒナが返っていることを確認、その成長を見守ってきた。6月6日、同会の内木良さんと共に里山に入り、写真撮影に成功した。
 小原さんは「ヒナの大きいのは1週間ほどで巣立ち(枝移り)を迎える。小さいのはそれより2週間ほど遅れるだろう」と話している。(2007年6月7日)

   市道の廃止付け替え処分は適法  西山尾根道裁判 住民側が敗訴

 厚木市が西山の尾根沿いにあった7市道を廃止して、砂利採石業者の土地と等価交換処分をしたのは違法であるとして、「西山を守る会」(花上義晴代表・原告団21人)が、厚木市長を相手取って起こした住民訴訟の判決が5月30日、横浜地裁であった。
 河村吉晃裁判長(北沢章功裁判長代読)は、「地方自治法242条の2に定める住民訴訟は、財務会計上の事務処理のみに限られるものであって、本件市道廃止処分は円滑な道路交通の確保という非財政的見地から行われた道路行政上の行為であって、道路施設の財産的価値の維持、保全または実現を目的とした財務会計上の行為ではないため、住民訴訟としての無効確認を求める原告らの訴えは不適法である」として、市道廃止処分の無効と土地交換契約の無効確認を求めた原告側の請求を棄却した。
 原告側は、市道廃止処分が無効である理由として、(1)同処分はひたすら相模興業の採石事業の便宜を図るだけに行われたもので、道路行政上の目的が欠けている、(2)同処分には道路法1条の「道路網の整備を図るため」という目的及び「交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進する」という効果が存在しない、(3)同処分については道路法10条1項の「一般の交通の用に供する必要がなくなったと認める場合」という用件が欠けていると主張したが、判決では、市道はハイキング道路や生活道路として利用されておらず、市道を廃止しても付け替え道路によって道路としての機能が回復されることから土地交換契約に応じた、市議会でも市道の廃止を議決していることから、原告の主張には理由がないとして請求を退けた。
 原告団は「判決には事実誤認があり納得できない、控訴する」としている。(2007年6月1日)

昨年に続いてオオタカの営巣地確認  西山を守る会

巣の中のヒナ(6月4日)石井進太郎さん撮影

巣立ちを迎えたヒナ(6月14日)石井進太郎さん撮影

 西山を守る会(花上義晴代表)では、昨年から荻野の里山に生息するオオタカの観察を行っているが、今年も、荻野川近くの里山でオオタカの営巣地を発見、巣立ちを確認した。
 発見したのは守る会オオタカ部の小原俊彦さんで、今年の4月15日、荻野の里山でコナラの木に巣をかけたオオタカが抱卵している姿を発見、その成長を見守ってきた。小原さんによると営巣地は昨年5月に確認された場所に近く、昨年はカラスの巣だったが、オオタカがそれを改造して自分の巣にしたものと思われる。小原さんはその後、卵から返った2羽のヒナを確認したが、6月に入ってからの観察では1羽だけになっていたという。同会ではヒナが巣立つまで公開を控えていたが、ここにきて巣立を終えたと判断、撮影した写真やビデオを公開することにした。
 写真は守る会会員の石井進太郎さんが、6月6日と14日に撮影したもので、巣の中のヒナが大きく成長して巣立ちを迎えたオオタカの姿が確認できる。7月1日から会のホームページでも公開するという。
 また、同会では6月12日の西山登山の際、華厳山から大沢に下山する途中、事務局長の荻田豊さんがクマタカと思われる羽を取得、14日に七沢の県自然環境保全センター野生生物課に持ち込んで鑑定してもらった結果、クマタカの羽(左翼次列風切り羽)であることが判明した。荻田さんは「西山近辺にはオオタカばかりでなく、クマタカも営巣している可能性がある。今後も引き続いて観察していきたい」と話している。(2005.7.1)

市道廃止付け替えは違法
西山を守る会が住民訴訟 「採石は尾根道残してなされるべき」と声明文発表

 厚木市が行政財産である市道(I−705上荻野字用野華厳線ほか6市道)を廃止して普通財産にしたうえで、その道路敷き部分の土地を採石業者の土地と交換契約して引き渡した行為は違法である―として西山を守る会(花上義晴代表)は3月4日、厚木市長を相手取り横浜地裁に住民訴訟(通称・東丹沢西山尾根道裁判)を起こした。
                    ◇
 訴状によると、市が廃止した尾根道及びそれに至る山道は、多数の市民、近隣の人々によって現在に至るまで親しまれてきた道であるから、市道廃止処分には全く理由がなく、「都道府県知事又は市町村長は、都道府県道又は市町村道について、一般交通の用に供する必要がなくなったと認める場合において、当該路線の全部又は一部を廃止することができる」とする道路法10条1項に定められている規定に反するもので違法であるとしている。
 また、土地交換契約によって厚木市が取得した土地は「公用又は公共用に供する」目的を有しないから、市条例の交換要件には該当しないとして、「厚木市としては如何なる意味でも本件土地交換契約の必要性はなかったもので、この契約は市条例に反して違法である」としている。
 そしてさらに、土地交換契約を行うに当たっては、自治体に損害が生じないよう慎重に審査し、取引額の鑑定評価がなされるのが通常であるが、このような鑑定評価をなさずに土地交換契約を締結したことは、市条例違反にとどまらず、適正な対価であることの確認をしないで財産の処分をしたもので、地方自治法237条2項に反し、かつ地方財政法4条1項の趣旨にも反するとしている。
                    ◇
 守る会は昨年12月6日、冒頭の理由により住民監査請求を行ったが、2月4日、監査委員から「請求には理由がない」として棄却された。この日の住民訴訟はこれを受けて行ったもので、記者会見した原告団の花上団長は、「監査委員の回答は市民の利益を守り、市民福祉の増進を図るという本来の役割を少しも果たしていない」として、「21名の原告団を結成、梶山正三弁護士を訴訟代理人として住民訴訟の提訴を行った」と提訴の理由を述べた。
 そして、「採石事業は尾根道が残っていても可能であり、業者の採石計画に便宜を図ることになる尾根道を廃止しなければならない理由はないというのが私たちの素朴な疑問だ。現在の採石は尾根道を残して行われており、荻野側の採石も尾根道を残して行われるべきである。にもかかわらず行政はこのことに一顧もせず、企業の利益を擁護することに終始している。このようなやり方を座視するならば、自然環境破壊が止むことはない。西山の自然環境を次代の人々に引き継ぐのは私たちの責務であり、訴訟を起こし今後も西山を守る活動を続けていく」とする声明を発表した。
 市は「訴状を見ていないのでコメントは差し控えたい」とする山口市長のコメントを出した。(2005年3月5日)

 「請求には理由がない」 監査請求を棄却 守る会納得せず提訴へ

 厚木市が行政財産である同市中荻野高取山の市道I-705号線(通称尾根道)を廃止して付け替えた行為は、公益性がなく道路法第8条と地方自治法第2条などに違反するとして、市民団体「西山を守る会」(花上義晴代表)と市民約100人)が昨年12月、住民監査請求を行い、市と採石業者が締結した等価交換による財産の処分は、違法な財産の処分管理に当たるので、契約を解除するなどして契約締結前の現状に戻し、市が蒙った損害を回復するよう求めていた問題で、同市監査委員(3人)はこのほど「本請求には理由がない」として棄却する決定を下し、2月4日付けで請求人に通知した。
 棄却した理由について監査委員は、「道路の廃止及び認定の手続きは、道路法第8条及び第10条の規定に基づき旧路線の廃止及び新路線の認定について議会の議決を経て告示されている。また、当該土地交換契約は、同一地域にある同一財産の交換であり、山林は評価上差がないこと、財産の市場価値と目される骨材については固定資産評価額には含まないこと、交換渡財産と交換受財産を比較しても、面積的に交換受財産の方が広く、かつ当該交換地内の双方の1平方メートル当たりの固定資産評価額が同一であることなどから、本件交換による財務会計上の損害は生じないものであり、付け替え上等価と判断し行われたものである」として違法には当たらないとしている。
 また、地方自治法第2条については、「新たな道路認定により機能回復が図られているとともに、既存道路を残した場合の将来にわたる維持管理や市民の安全性などを考慮して総合的に判断したもので、違反しないものと判断する」としている。
 西山を守る会では「予想していた内容だが、とうてい納得できない」として提訴する考えで、2月15日までに、原告団の編成作業を終え、3月4日横浜地裁に住民訴訟を起こし、法廷の場で争う考えでいる。

市道の廃止・付け替えは違法  西山を守る会が住民監査請求 
「公益性ない」と市長に契約解除と現状回復求める

 厚木市中荻野の高取山の採石増設計画に反対している市民団体「西山を守る会」の花上義晴代表ら101人が12月6日、市が行政財産である高取山の市道(1,281メートルの尾根道)I―705号線を廃止して付け替えた行為は、一企業に対して便宜をはかっただけで何ら公益性がなく、道路法と地方自治法に違反するとして、市監査委員に対し住民監査請求を行った。
 請求では、市と採石業者が締結した土地交換契約書にもとづく財産の処分は、違法な財産の処分管理に当たるので、契約を解除するなどして契約締結前の現状に戻し、市が蒙った損害を回復するよう求めている。 同市は昨年9月議会に、採石業者の増設計画にもとづいて出された「市道路線の付け替え申請」を受けて、高取山の市道を廃止して付け替える議案を提出したが、議会は地元説明が十分でないなどの理由でいったんは継続審議にした。守る会も昨年12月議会に、廃止付け替え議案の否決を求める陳情を提出したが、議案は賛成多数で可決された。
 市は今年7月13日、採石業者と土地の交換契約を締結、普通財産となった市道は廃止され、高取山ふもとにある業者所有の山林(5905.39平方メートル)に付け替えられた。
 道路法第10条1項によると、「市長は市道について、一般の交通の用に供する必要がなくなったと認める場合、廃止することができる」とある。請求では、「西山の市道は尾根道として八菅修験の歴史的コースであり、発句石など郷土学習資料の宝庫として昔も今も好学の士の足跡が絶えず、ハイキングコースとしても市域はもちろん広く首都圏から登山者が訪れている。市が交通の用に供する必要がなくなったとして廃道にしたのは大きな事実誤認であり、道路法に違反した違法な処分である」と主張している。
 また、一企業の利益のために普通財産を処分した行為は、「厚木市財産の交換等に関する条例」第2条1項「本市において公用又は公共用に供するため、他人の所有する財産を必要とするとき」とする規定に違反するほか、普通財産の処分はその財産の市場価値によってなされるべきで、採石業務を30年にもわたって行うという商品価値があるにもかかわらず、等価交換とするのは経済価値を無視したやり方で、地方自治法第2条14項と地方財政法第8条にも違反するとしている。
 守る会では、廃止・付け替えされた市道は、市の日常管理の怠慢を示すものでもあり、「地方公共団体の財産は常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に運用しなければならない」とする地方財政法第8条にも違反するとしている。
 採石業者は、現在採掘している飯山側の事業区域が完了するため、新たに荻野側29・3ヘクタールのエリアを30年間にわたって採石する増設事業を計画している。採石量は1日当たり10トンダンプ500台分に相当するもので、海抜600メートルある高取山の稜線が、約200メートル削られる大規模開発だ。
 監査請求の審査結果は、60日以内に請求人に通知されることになっており、花上代表は、「行政訴訟も視野に入れており、結果を見守りたい」と話している。写真は監査請求の中身について写真を示しながら説明する「西山を守る会」の花上義晴代表(左(2004年12月15日) 参考:風見鶏「西山と住民福祉」(2005.01.15)参照

西山を守る会がシンポジウム 梶山弁護士が基調講演

 西山を守る会(花上義晴代表)は9月20日午後、荻野公民館で、高取山の採石場増設事業から周辺環境を守るためのシンポジウムを開き、今後の運動の進め方と対応などを協議した。
 シンポジウムには、地元住民や環境保護団体などから62人が参加、経過報告の後、ごみ問題をはじめ、環境を守る多くの活動に実績のある梶山正三弁護士が、「自然破壊を許さない〜市民活動の進め方」と題して基調講演を行った=写真
 梶山弁護士は、西山の採石場増設計画について問題点を整理しながら、計画の概要と30年後の姿、計画の手続き上の問題と厚木市の対応、根こそぎの自然破壊、周辺環境への著しい影響などについて述べた後、西山の採石場増設事業を止める法的手段について詳しく説明した。
 同弁護士は、厚木市が行った行政財産の処分(市道の廃止付け替え)が適正であったか? 処分に関する議会の議決には強制力はないとして、市が行政財産の適正な管理を怠った場合は、住民監査請求でその違法性を問うという方法があり、棄却された場合は、行政訴訟に持ち込むのが一般的だと述べた。  
 また、行政上適法であっても、周辺住民が著しい被害を被る場合、民事上は違法になるという「人格権訴訟」があり、近年こうした民事裁判が大きくクローズアップされていると説明した 。
 講演終了後、参加者から法律的な解釈や訴訟手続きなどについて多くの質問が出された。同会の花上代表は「議会で議決されたからとか、アセス手続き上問題はないからという理由で、西山問題を終わったことと片づけるのは間違い。今後、法的な手段をよく検討して、西山を守る運動を進めていきたい」と話している。同会では10月17日に13回目の西山登山を行う。(2004年9月25日)

西山を守るシンポジウム

 西山を守る会(花上義晴代表)では、荻野高取山周辺の環境破壊をくいとめるため、9月20日16時から荻野公民館でシンポジウムを開く。当日は環境問題に取り組み数多くの実績をあげている梶山正三弁護士が「自然破壊を許さない―市民活動の進め方」と題して基調講演を行う。
 日  時 2004年9月20日(月) 16時〜18時
 会  場 荻野公民館会議室
 基調講演 「自然破壊を許さない―市民活動の進め方」
 講  師 梶山正三弁護士(未来市民法律事務所)
      ゴミ問題をはじめ環境を守る多くの活動実績があり東奔西走中。厚木市在住。
 主  催 西山を守る会 連絡先TEL:046-241-8990(荻田)

 西山を守る会 オオタカの営巣地を発見・確認

 今年の3月から絶滅の恐れのある野生動物オオタカの生息状況を観察している「西山を守る会」(花上義晴代表)では、7月6日荻野川近くの里山林に巣をかけているオオタカの営巣地を確認した。
 同会では西山を守る活動の一環として毎週水曜日に観察会を開いて、オオタカの生息状況や資料収集を行ってきた。5月29日荻野公民館で開かれた臨時総会には、日本野鳥の会神奈川支部幹事の森要さんを招いて、剥製の展示やオオタカの生態について説明を受け、会員からも荻野川上空でオオタカが継続的に観察できることなどが報告された。
 同会ではその後も森さんに協力を要請していたが、森さんは6月4日、荻野川近くの里山林の中で、営巣木と巣の上に止まっているオオタカのヒナを発見した。ヒナがふ化して3週間前後であったため、守る会では確認作業を延ばすことにして、ヒナが巣立った後の7月6日、同会のメンバー4人が森さんと共に巣の確認を行い、ビデオカメラや写真に納めた。
 営巣木は相模興業の採石増設計画の実施区域から離れたところにあり、市が民間団体にオオタカの観察業務を委託している調査区域内で見つかった。森さんによると巣は今年新しく作られたものと見られるという。
 厚木市では、平成5年、荻野運動公園拡張予定地で、オオタカの営巣地が確認され、国体施設計画が変更になった経緯がある。その後、市では「荻野のオオタカと自然を護る会」に毎年同地区のオオタカ観察業務を委託してきたが、今年3月にまとめた同会の観察報告によると「オオタカが荻野丘陵を生活の場として利用しているのは明らかである」としながらも、営巣木は確認されていないという報告書が市に提出されており、平成6年以降、オオタカ営巣地の公式確認は西山を守る会が初めてとなる。
 守る会では、インターネットのホームページに情報を載せるほか、7月11日に行った西山登山の後、オオタカ営巣地発見の報告会を開いた。(2004年7月11日・写真は10月29日、提供者の申し入れにより削除しました)

西山を守る会がオオタカ調査  荻野川上空で幼鳥と成鳥を確認

荻野川上空を飛ぶオオタカ 櫻井武さん撮影(2月10日)
 厚木市中荻野の高取山の採石計画に反対している「西山を守る会」(花上義晴代表)では、1月から毎月1回西山登山を実施して現地調査を行うほか、採石業者の事業説明会、登山道の標識付け、バザーなどの活動を通して環境保護を訴えているが、2月10日、メンバーの櫻井武さんが、荻野小学校のバードウォッチングで、子どもたちと荻野川の上空を飛ぶオオタカを発見、撮影に成功した。
 
 櫻井さんら守る会の会員が日本野鳥の会に連絡して確認したところ、絶滅の恐れのある野生動物オオタカであることが分かり、高取山のふもと付近にオオタカの営巣地がある可能性があり、本格的な調査を始めた。
 櫻井さんが2月10日に撮影したのはオオタカの幼鳥で、その後も数回にわたり木に留まっているオオタカの成鳥を確認、写真に収めた。このことから最初に発見した場所の近くに別のオオタカ、あるいは親子のオオタカが営巣地をつくって生息している可能性があることがわかった。
 3月25日、相模興業採石場増設事業の環境影響予測評価書が県知事に提出され、30日から荻野公民館などで縦覧が始まっているが、評価書に載っているのは平成11年、12年の調査で、採石計画地から高取山山頂付近の稜線上空と計画地外の上荻野付近でオオタカが確認されたが、上空通過または一時滞在の確認で、求愛行動や営巣地、餌運びなどの繁殖行動は確認されなかったと記述されている。
高取山山頂で登山道の標識を取り付ける守る会の人たち
 守る会の荻田豊さんは「今回、業者から県知事に出された環境影響予測評価書は、たぶんに業者に都合のいいように書かれた内容だ。調査自体も3年、4年前のもので、最新のものではない。現在これだけオオタカが確認できるのは、単なる上空通過や一時滞在というレベルの話ではないだろう。メンバーの櫻井さんが最初に撮影したのは幼鳥で、その後木に止まっている成鳥を数回確認していることから判断すると、親子であることも考えられる。付近に営巣地がある可能性が高いので、会として県に再調査を申し入れたい」と話している。(2004年4月15日) 

2月8日に第2回の西山登山

 「西山を守る会」は、1月25日、西山登山を行い、42名の参加者が高取山の尾根道を三ッ沢まで歩いた。2月8日にも第2回目の西山登山を行う。午前10時20分松石寺集合。午後4時解散。参加者は弁当持参。また、3月6日11時30分〜14時まで、国道412号線沿い・すえひろ鳶尾店前で活動資金捻出のためのバザーを行う。問い合わせは同会の荻田さんへ。TEL:241・8990番。(2004年2月1日)登山」は、愛川町議の熊坂徹さんがレポートしていま

反対派住民「守る会」結成 1月25日西山登山で現地調査

 厚木市議会が昨年12月に開いた定例議会で、市が9月議会に提案して継続審査となっていた議案第89号「(西山の)市道路線の廃止及び認定」について、都市経済常任委員会および本会議で審議の結果、賛成多数で可決したほか、同市中荻野の花上義晴さんら111人が同議案を否決するよう求めていた陳情第30号をみなし不採択とした問題で、この採決の結果に納得しない反対派住民は、1月10日、荻野公民館で集会を開き、今後の対応について話し合いを行った。
 集会には荻野、鳶尾地区などから住民53人が参加、花上義晴さんがこれまでの経過説明を行い、問題点などを整理したあと、出席者が次々と意見を述べた。
 意見の中には「議会で可決されたとはいえ、このまま諦めてしまうのは問題だ」「議会では道路の廃止、付け替えについて十分な審議が尽くされたとはいえない」「行政不服審査、監査請求、行政訴訟などの手を考えるべきだ」「環境アセスのための市長の意見書と実際の行動に矛盾がある」などの意見が出され、今後、「西山を守る会」(花上義晴代表)を結成して、反対運動を盛り上げていくことを確認した。
 同会では今後、学習会やフィールドワークを重ねながら、広報紙などを発行して運動を広げていく考えだが、まず手始めに「市道が通っている西山に登って現地を調査しよう」と、1月25日午前「西山登山」を実施する。参加は自由。希望者は午前10時荻野公民館前に集合する。問い合わせは同会の荻田さんへ。TEL:241・8990番。(2004年1月11日)

常任委員会で可決―西山市道廃止付け替え認定議案

 厚木市議会都市経済常任委員会(石井恒雄委員長)は、12月15日委員会を開き、継続審査となっていた「市道I-705号線ほか6路線の廃止及び4路線を認定する議案89号」を、賛成多数で可決した。また、同市中荻野の花上義晴さんら111人が議案を否決するよう求めていた陳情第30号をみなし不採択とした。(2003年12月15日)

反対派住民1月10日に今後の対応を検討

 厚木市議会は12月15日、都市経済常任委員会(石井恒雄委員長)を開き、市が9月議会に提案して継続審査となっていた議案第89号「(西山の)市道路線の廃止及び認定」を賛成多数で可決した。また、同市中荻野の花上義晴さんら111人が議案を否決するよう求めていた陳情第30号をみなし不採択とした。
 委員会では地元説明会の経過、道路を残して採石した場合の維持管理上の問題、環境や文化財、農業用水への影響、歴史的な経緯からくる問題などが議論になった。採決の結果は次の通り。賛成=関戸順一副委員長、竹松俊雄委員、森住勉委員、和田美正委員、太田洋委員。反対=佐藤知一委員。また、19日に開かれた本会議では、あつぎ市民の党、神奈川ネットワーク運動、民主党、日本共産党が反対したが、民政クラブ、公明党、市政クラブ、厚木クラブ、あつぎ21の会派が賛成し、可決された。
 反対派住民はこの結果に納得しない人も多く、1月10日荻野公民館で集会を開き、今後の対応について話し合うことにしている。
(2003年12月20日)

説明会で反対意見続出―西山の市道廃止・付け替え問題

 厚木市議会で、西山の市道廃止付け替え議案が継続審査になっている問題=本紙12月1日号で既報=で、市は12月10日、荻野地区で地元自治会長や住民を集めた説明会を開いたが、参加した住民は市側の説明に納得せず、議案の取り下げを求める意見が相次いだ。
 説明会は9月議会で、地元への説明が不十分だと指摘されたことから開いたもので、市側から道路管理課、生活環境課の職員が出席したほか、市議会からも都市経済常任委員1人を含む4人の議員が参加した。
 市は業者の採石増設事業計画や環境アセスの進行など、これまでの経過報告を行った後、市道I-705号線ほか6路線の廃止・4路線の付け替え認定について説明を行い、「(業者による)採石のため道路を残すのは困難で、機能回復するため付け替えを行う」「代替ルートで機能回復がはかれれば道路管理上は問題がない」と理解を求めたが、12月議会に議案の否決を求める陳情を出している花上義晴さんは、「市道は行政財産で経済的価値がある。企業の都合で簡単に処分できるものではない。市は利用価値がないかのように言っているが、市民が空気や緑、癒しを共有できる大変な宝だ。この市道の景観はふるさと荻野の景観で、発句石など文化財的な価値もある。こうした価値を無視した市のやり方は市民利益につながらない。公共事業であればやむを得ない面もあるが、これは民間の事業。軸足を業者ではなく、市民利益に置いてやってもらいたい」と注文をつけた。このほか「厚木清川線を1日往復で1,000台以上のダンプが通行するため交通安全上の問題が発生する」「議会や住民に資料を出さず情報を開示しない市のやり方は問題、説明責任を果たしたとはいえない」などこの日発言した全員が市道の廃止・付け替えに反対した。
 また「荻野地区自治会連合会長にはご理解をいただいている」という9月に行われた都市経済常任委員会での道路管理課長の答弁について、毛利和夫連合会長は「同意したことも判を押したこともなく、賛成も反対もしていない」と釈明した。
 宮台功道路部次長は、「この問題は広域で長い歴史的経過のある話。今日いただいた皆さん方の意見は市長にも報告相談し、今後の対応を検討したい」と答えたが、12月15日には都市経済常任委員会で、市が提出した議案と反対陳情の審議が行われるため、住民たちは「行政は議案を取り下げ、あらためて住民説明会を開いてほしい」と市側に要請した。
 花上さんらは「西山を守る会」を結成して、広範な市民運動を展開しながら、市のやり方にストップをかけていきたいとしている。この問題では「里山愛好会」(篠原康子代表)も市長と議長に対して、「市道を廃止せず自然と共生する場として活用してほしい」とする要望書を提出している。(2003年12月11日)風見鶏12月15日参照>

西山の市道廃止しないで 市民の貴重な観光・文化資源

荻野の西山を構成する右から経ヶ岳、華厳山、高取山(鳶尾団地から)

市の付け替え議案に地元住民が反対陳情
 厚木市が9月議会に提出して継続審査になっている「市道I-705号線ほか6路線の廃止及び4路線を認定する議案89号」に関して、11月21日、同市中荻野の花上義晴さんほか111名が、「市道は近隣のハイキングコースを結ぶ重要な位置にあり、文化財が存在するなど市民の貴重な観光・レクリエーション資源になっている」として、議案の否決を求める陳情書を市議会に提出した。
 廃止が予定されている市道は、中荻野地区の通称西山(経ヶ岳、華厳山、高取山)の尾根道で、6つのハイキングコースを結ぶ位置にあり、晴れた日には新宿副都心の高層ビルや相模湾を一望に眺めることができる。尾根道には荻野の俳人小林芹江の俳句が刻まれている発句石があり、近くには経石、松石寺88カ所の石仏など貴重な文化財も散在している。また西山は、荻野音頭や荻野中学校の校歌にも歌われるなど、ふる里の山として荻野地区住民の精神形成にも大きな影響を及ぼしてきた。
 西山を所有している採石業者が、現在採掘している飯山側の事業区域が完了するため、新たに荻野側29.3ヘクタールのエリアを30年間にわたって採石する増設事業を計画した。総採取量は1,677万6,000立方メートルで、海抜600メートルある西山の稜線が、約200メートル削られるという大規模開発だ。
 昨年12月「環境影響予測評価書案」の住民説明会が荻野運動公園など3カ所で開かれたほか、今年の1月中旬まで地元公民館でも縦覧が行われ、環境アセスの手続きが最終局面を迎えている。
 採石業者は岩石採取の事業拡大にともない、市に対して市道路線の払い下げと付け替えを申請、市は9月議会に7路線の廃止と新たに付け替える4路線を認定する議案を提出した。都市経済常任委員会で審議されたが、地元への十分な説明がなく、廃止の理由も明確でないとして現在継続審査になっている。
 この市道は昭和49年7月11日、当時議員だった花上さんが、採石事業によって市道の一部が損壊され、文化財の発句石も掘削移動されてその価値が失われているとして、市長に対して損壊した市道と発句石の現状回復の措置をとらせる監査査求を行った。当時の監査委員は花上さんの請求を認め市長に対して、昭和50年2月末日までに採石業者に現状回復の措置をとらせる決断を下している。
 花上さんは、「今回、市が道路の廃止と付け替えの認定を行おうとするのは、こうした経緯をまったく無視したやり方だ。岩石採取という何ら公益性のない一企業の経済活動に、市が便宜を図るのはおかしい」と話している。
 陳情は12月15日に開かれる都市経済常任委員会に付託審査されるが、市の議案とともに、議会がどういう判断を下すか注目される。<風見鶏12月1日参照> (2003年12月1日

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