03県議選厚木選挙区

低投票率・約6割が無関心層
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無党派・浮動層動かず

 統一地方選挙の第1ラウンド、神奈川県議会選挙は4月13日投票、即日開票の結果、厚木選挙区では、自民党の現職・堀江則之氏(59)と新人の小林常良氏(53)、神奈川ネットワーク運動新人の山本裕子氏(46)が当選を決め、ぞれぞれ現有議席を守り切った。
 5期目に挑戦した自民党県連総務会長代理の堀江氏は、後援会組織をフル動員して自民の保守票をまんべんなく集めたほか、山口市長後援会の支援も受けて21,598票を獲得、前回に引き続いてトップ当選を果たした。市議から転身した自民党新人の小林氏は、引退した小沢金男氏の後継者として善戦、新人ながら17,131票を獲得、2位当選を果たした。同じく市議から転身した神奈川ネットワーク運動新人の山本氏も、支持基盤である生活クラブ生協などの支援組織を手堅くまとめて9,673票を獲得、市長選の雪辱を果たして議席を守り切った。
 これに対し、学生候補として立候補した新人の佐藤知一氏(33)は、民主党の公認を得て、無党派や浮動層に食い込みを見せたものの、知名度が低かった上に連合傘下の労働組合など特定な支持基盤がなく当選には結びつかなかった。市議から転身、市民派として立候補した無所属新人の内海光雄氏(46)は、車椅子からの県政改革を訴えたが、2月の市長選で奈良握氏が獲得した票を固めきれずに落選した。市民派は市長選に続いて2連敗を喫した格好となり、今後の選挙に大きな課題を残した。また、共産党の新人半田竹美氏(62)は、支持組織以外をまとめきれず、票が伸び悩んだ。
 今回の県議選は定数3に自民2、民主1、ネット1、共産1、無所属1の6人が立候補、知事選挙同様、新人乱立型の激戦となったが、有権者の反応は今一つ盛り上がらず、投票日は終日好天に恵まれたにもかかわらず、前回より1.45ポイント伸びただけで、40.82%という低い投票率に終わった。この結果、後援会組織や支持基盤を手堅くまとめた自民とネットが、強さをいかんなく発揮して当選を決めた一方で、無党派や浮動層の投票に期待を寄せた民主党や市民派は、票を伸ばすことができず惨敗に終わった。
 同市は2月に行われた市長選が44.33%という低い投票率で、県議選もこれに続いて6割近い有権者が政治に無関心であることを示した。今後、投票率を高めるには、候補者の選定やPR、選挙のあり方にも大きな変革を迫られることになりそうで、7月に行われる市議会議員選挙に県議選の結果がどのような影響を及ぼすか注目される。

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