秋空(厚木市中荻野)
 ようやく秋の訪れを実感出来るようになるのは、空が高くなり、稲穂が色付き始める頃ではなかろうか。相変わらず日中の気温は残暑厳しい夏の名残を思うが、朝夕吹く風に涼しさを感じられるのも、秋のけはいを体感することに通ずる。9月も中ごろになると、田の畦に、土手に、路傍に早くもヒガンバナが咲き始める。古くは曼珠沙華と称されたこの花を好まない方も多いというが、私自身も何か不気味なる雰囲気を思い、同名の唱歌の旋律を想起し、戦慄く。しかし秋空の下、真紅の花を咲かせるその様は、何か清々しさをも覚える(2008年9月下旬撮影)