初夏の中津川(愛川町半原)

 日本人は小川が流れ、田んぼが広がり、昔ながらの民家が点在する農村の風景を目の当たりにすると「懐かしい」と言います。農村生活を体験していない人でも「懐かしい」と言います。私はその感覚こそが貴いと断言します。それはとりもなおさず、日本人の深層に確かに息づく血統であり、道統であろうと確信するものであります。それこそが私達の「ふるさと」であると思い立ち、懐かしく、慎ましく、そして悲しいその様を祈りを込めて撮り続けてゆきたいと思っております。写真は私が住まう愛川町のシンボルである中津川の写真です。中津川はふるさとの川。多くの受難を被りながらも流れ続ける健気なるふるさとの川であります。