第768号(2010.02.01)

紙芝居で総合計画を紹介

森の里小学校の児童クラブで上演

  厚木市の総合計画「あつぎ元気プラン」を紹介する紙芝居が1月25日、森の里小学校(蓮見優子校長・児童数377人)内の児童クラブで上演された。同クラブの児童32人が参加して、市の担当者が披露する紙芝居を楽しんだ=写真。
紙芝居は、同市が市の総合計画「あつぎ元気プラン」を子どもたちに分かりやすく紹介しようと企画したもの。B4サイズ12ページで、デジタル紙芝居にも対応できるよう紙、パワーポイントで作成した。主人公の兄妹と家族との会話を通じて、昔から現代における市の発展や「あつぎ元気プラン」の取り組みのほか、「快適で環境にもやさしく、自然豊かなまち」「誰もが安心して楽しく過ごせるまち」など主人公が描くまちの将来像などが紹介されている。同プランを担当する企画政策課の職員が手作りで作成した。
 この日、同校の教室で行われた上演会では、1年から4年生の児童が10分ほど紙芝居を聞いた。市の担当者が、昔の本厚木駅周辺の様子を祖父が孫に紹介している絵を出して、「昔、駅の周りには高いビルはなかったんだよ」などと、おじいさんの声をまねながら街の移り変わりを説明。児童たちは真剣な眼差しで耳を傾けていた。大きなプリンの絵を出して、主人公の兄妹が「あつぎ元気プラン」を「あつぎ元気プリン」と聞き間違えるところでは、思わず会場から笑いが沸き起こった。
 紙芝居を鑑賞した児童たちは「話が楽しかった」「とても分かりやすかった」「絵がかわいかった」とさまざまな感想を話していた。
 紙芝居を上演した職員は「手作りの紙芝居が、子どもたちに受け入れてもらえてよかったです。これからもできるだけ分かりやすい形で元気プランを伝えていきたい」と感想を話していた。 
 紙芝居は今後、市内の児童クラブや小学校へ出前講座として出向くほか、中央図書館での上演も予定している。

厚木産小麦を使ったパン  


米紛混ぜてしっとり感出す 「ル・フルラージュ」の奥田さん

 厚木市林でこだわりのパンを製造している「ル・フルラージュ」で、厚木産の小麦を使った食パンとあんぱんがお目見えした。同店は国産、フランス産、ドイツ産、カナダ産など原料である小麦の長所を生かしながら、ブレンドや製法、熟成時間などを変え、風味豊かで安全なパンづくりに取り組んでいる。
 パン職人の奥田和幸さん(36)=写真円=が、平成14年3月、同地にオープンさせた。1日に製造するパンは食パンから加工品、菓子類まで合わせると約80種類。中でも長年の夢だったのが、厚木産の小麦を使ったパンづくりだ。1年ほど前、奥田さんが、厚木産の小麦で食パンが作れないかと、地元の製粉業者を訪ねたところ、「厚木の小麦はうどん用だからパンなんかできないよ」と言われた。中力粉だから硬めでパンには不向きだというのである。「それでも作りたい。どうしたらふわふわした食感を出せるか」。奥田さんは厚木産小麦90%に厚木産米紛10%を混ぜることで、この問題を解決した。水の代わりに厚木産の豆乳も使い、試行錯誤を繰り返した後、しっとりした食感と小麦の香りが際だった食パンが完成した。昨年夏、この食パンを「あつぎの恵み」として売りだしたところたちまち人気商品の1つに加わった。厚木産の小麦を使ったパンの第1号、文字通りの地産地消である。
 その後も厚木産小麦を使ってプチパン、プチパゲットを製造、今年に入ってから、十勝産の小豆に厚木産の粟(あわ)を混ぜてあんこにした「田舎風あんぱん」を製造した。しつこくない甘さが特徴で、昔懐かしい味がすると好評だ。1日に12個ほどしか作らないので、すぐに売り切れてしまうが、奥田さんは「これからも地元産の小麦を使ったパンを開発していきたい」と話している。1294・2666番。天然温泉「ほの香」隣り。

三田小と網走市の児童が交流会

友好都市の子ども同士でソーラン節など披露

 友好都市・北海道網走市の子どもたちと交流を深めていこうと、厚木市立三田小学校(新井啓司校長・児童数956人)で1月13日、厚木市を訪れている網走市の小学生訪問団と同校児童との交流会が行われた。子どもたちは学年ごとのドッジボールやイチゴ大福作りなどを通じて、互いの親交を深めた。
 訪問団は、網走市の5、6年生の代表16人(男女とも8人)と引率者4人の計20人。冬休みを利用して友好交流をはかろうと、11日に厚木市を訪問した。市の生涯学習施設「七沢自然ふれあいセンター」に宿泊しながら、12日には市内公共施設や東京農業大学、日産自動車などを見学。昼食では、全国区のB級グルメ「厚木シロコロ・ホルモン」も楽しんだ。
 この日、体育館で行われた交流会には、同校5、6年生の児童約330人が参加した。新井校長が「今日の出会いを大切に、いろいろなことを学び思い出に残る1日にしてもらいたい」とあいさつ。その後、両校の児童によるソーラン節=写真=の披露や仕組みを学びながらのカイロ作り、イチゴ大福作り、レクリエーションなどをしながら交流を深めた。
 網走市の児童たちは、「レクリエーションが楽しかった。来てよかった」「三田小の踊りがとてもよかった。みんなと仲良くできたし、また来たい」と笑顔で話していた。

先人の教えを伝えたいと書籍を市に寄贈

郷土史家の中丸武夫さん

 厚木市水引在住の郷土史研究家・中丸武夫さん(78)が1月15日、厚木市役所に小林常良市長を訪ね、厚木地方に伝わる故事やことわざをまとめた書籍『先人に学ぶ』を寄贈した=写真。
 書籍には、厚木で古くから伝えられてきた年中行事や暮らしの中に生き続けてきた風俗や習慣、村社会の教えなどが書かれている。中丸さんが30年ほど前から、生活の中で気付いたことを書きとめたメモをもとに作成された。
 懇談の中で、本を手にした小林市長は「ここまでのものを作るのは大変な努力が必要だったと思います。大切に読ませてもらいます」と完成を祝福した。中丸さんは「人生の中に生き続けてきた教えをまとめることができました。若い世代に伝えたいので、多くの人に読んでもらいたい」と感想を話していた。
 中丸さんは、会社勤めを長年経験した後、郷土史の研究に打ち込み、厚木北地区文化を考える会役員や厚木北公民館歴史民族談話会会長などを歴任。現在は同館文化振興会顧問やあつぎ観光ボランティア協会副会長などを務めながら、市民を対象に郷土史講座を開催している。
 『先人に学ぶ』はB6判サイズで132ページ。1部1500円(税込み)で600冊を作成した。有隣堂厚木店、内田屋書房一番街店で販売している。市に寄贈された124冊は、市内の小中学校や児童館、図書館、公民館などに配布される。

『厚木の歴史探訪シリーズ8』刊行

中世・近世の石造物50点を紹介


  厚木市文化財協会(松本成美会長)が発行する厚木の歴史探訪シリーズ8『石の神仏』がこのほど刊行された=写真。同市内には千基を超える石造りの神仏があり、今回は既刊の『道祖神』『地蔵』以外の石造物を50基を拾いだし、地図、写真などを添えて解説している。
 中世期造立の石造物には、供養塔、墓塔として造られた宝篋印塔(ほうきょういんとう)、五輪塔、宝塔、板碑(いたび)と神仏に献灯された石灯籠がある。このうち14世紀初頭頃と推定される愛甲・円光寺の宝篋印塔は県内でも古く、愛甲・熊野神社の石灯籠も、県下では最も古い年号を持つ造例で、ともに重要な資料に位置づけられている。
 近世に入ると様々な形態の石造物が見られる。馬頭観音、庚申信仰、山王信仰、秋葉山信仰、地神(ちじん)、水神、山の神、念仏供養、廻国供養など、さまざまな信仰対象をまつって造られた塔や碑があり、上荻野・松石寺周辺の四国八十八所巡りの石造物、七沢・浅間神社の富士信仰の石造物は、市域を越えた非常に広範囲から寄進された一群の石造物として知られている。
  『石の神仏』はB5判58頁のコンパクトサイズで800冊を印刷。市内の学校、図書館、公民館などに寄贈するほか、一部500円で販売している。取り扱いは有隣堂厚木店、内田屋書房本店、文教堂R412店、荻田印刷。

平成21年県広報コンクール

厚木市が全部門で入選、3部門で最優秀

  1月21日、平成21年神奈川県広報コンクール(広報紙、広報紙一枚写真、広報紙組み写真、映像の4部門)の審査結果が発表され、厚木市が広報紙・一枚写真・映像の3部門で最優秀賞、組み写真の部で優秀賞を受賞した=写真。映像の部の最優秀賞受賞は2年連続の受賞。
 同コンクールは、県内市町村の広報活動の向上を図る目的で、県が毎年実施しているもので、平成21年1月から12月までに発行・発表された広報紙や映像など広報作品について部門別に審査を行い、優秀な作品を選出している。
 最優秀賞を受賞した広報紙は2つの特集を掲載。介護に向き合う家族や介護従事者の思いを拾い集め、人が生きる尊さを伝えた特集と競馬の世界を支える競走馬育成牧場のひた向きな日常を親子の葛藤を通して紹介している。一枚写真は大きなシャボン玉を喜ぶ親子とそれを見守る高齢者のほほえましい様子を撮影。映像作品は昨年11月15日にTVKで放映した14分間の厚木市特別番組「夢を乗せて走れ!厚木育ちのサラブレッド」。広報紙とは違った視点で、サラブレッド育成に情熱を燃やす若者たちにスポットを当て、その思いを紹介した。
 審査講評では、「半年をかけた取材など、広報担当者の熱意と意気込みが詰まっている。生き生きとした表情などをとらえた写真もいい。企画力やレイアウトなど総合力が紙面に発揮されている」との評価を受けた。
 入選作品は市ホームページで閲覧できる。

森の里小学校

元ヴェルディ川崎の李さんがサッカー教室

 子どもたちにサッカーを通じて人との触れ合いや協力することの大切さを学んでもらおうと、1月19日、元ヴェルディ川崎総監督でサッカー指導者の李国秀さん(52)らが森の里小学校(蓮見優子校長・児童数377人)を訪れ、サッカー教室を開いた=写真。
 同教室は体育授業として、各学年それぞれ一時間ずつ行われた。講師を務めたのは李さんのほか、ベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)などで活躍した元Jリーガーの松川友明さん(36)など3人のサッカー関係者。1、2年生は人やボールに慣れることを目的に、ボールを抱えて人の間をよけながら走ったり、笛の合図でドリブルを止めたりといった練習を繰り返した。子どもたちは「楽しい」「サッカーがうまくなった」などと言いながら元気に走り回っていた。
 李さんは、「まずボールに慣れることが大事。楽しみながらプレーし、サッカーが面白いと感じてもらえればうれしい」と満足そうに話していた。

こどもアート展に338点

水彩画や立体作品など展示

 小中学生が創作した絵画や造形作品などを展示して表彰する「こどもアート展」が1月21日から24日まで、厚木市文化会館で開かれた。家族連れなど1268人が会場を訪れ、子どもたちの作品を鑑賞した=写真。
 同展は、多くの子どもたちに創造や鑑賞の喜びを味わってもらおうと、厚木市と同市教育委員会が毎年実施しているもの。
 会場には、市立の全小中学校(23小学校、13中学校)と七沢希望の丘初等学校、伊勢原養護学校からの推薦作品277点、個人で応募された作品61点の合計338点が展示された。運動会や芋掘りなど学校生活の思い出を描いた水彩画、身近な材料で制作した立体造形など、個性豊かな力作が並んだ。
 また、友好都市の米国・ニューブリテン市、秋田県横手市、北海道網走市の子どもたちの作品約24点も併せて展示され、クレヨンで描かれた雪だるまや日常の風景を描いた水彩画など、その土地の様子が感じられる作品も展示された。
 24日には、厚木市長賞や教育長賞など30点の入賞作品の表彰式が行われた。厚木市長賞には、かたつむりの殻をダイナミックに表現した、中村彰吾さん(市立玉川小学校4年)の作品「『雨ふる本屋』を読んで」が選ばれた。中村さんは「すごいうれしいです。これからもたくさんの作品を作りたい」と笑顔で喜びを語っていた。
 当日、孫の作品を見に来たという大塚美枝子さん(68・山際在住)は「どの作品も上手に描けているのでびっくりしました。子どもの素直な気持ちが伝わり、元気が出ました」と観覧を楽しんでいた。
 主な入賞者は次の通り。
 ▽市長賞「『雨ふる本屋』を呼んで」中村彰吾(玉川小学校4年)絵画
 ▽教育長賞「うんどうかいのかけっこ」笹生依楓(清水小学校2年)絵画、「ふしぎな形の空間」庫山佑利亜(三田小学校6年)絵画、「夏である秋に〜テーブルクロス」内山しおり(森の里中学校2年)絵画。

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