第767号(2010.01.15)

横浜産のハチミツ使用・厚木ビールで製造販売

ほんのりと桜の香り

 横浜港を望むビル屋上で飼われた約4万匹のミツバチが集めたソメイヨシノのミツを、ビールの苦みをまろやかにする隠し味として使ったハチミツビールが開発され、昨年12月19日、横浜と厚木で発売された。醸造したのは厚木市水引にある地ビール製造会社厚木ビール。ビールの苦みが不得手という女性にも飲みやすく、ほんのりと桜の香りがすると人気は上々。
 同ビールは横浜の都心部で養蜂を通して人と人のつながりを広げる「HAMA Boom Boom!プロジェクト」と、地ビールでの街おこしをめざす市民団体「芸術麦酒製造構想」の共同企画で生まれた。出来たはちみつビールを「HACHEY(ハッチー)」と名付け、昨年12月19日、横浜駅西口の地ビール専門店「横濱チアーズ」で、完成披露会が開かれた。
 両者は昨年行われた横浜開港150周年記念事業「開国博Y150」に出店して知り合い、「開港150周年を記念したビールつくろう。地産地消で人と人を結びつける面白いことができないか」と思案、「ハチミツとビールのコラボレーション」というアイディアが生まれた。
 原料のハチミツは、3月末から7月にかけて馬車道駅近くの旧帝蚕倉庫の歴史的建造物や元町のビルの屋上で、同プロジェクトと市民が西洋ミツバチ約4万匹を飼育して採取したもの。巣箱から2キロ範囲のソメイヨシノ、ユリノキなどの街路樹や、シロツメクサなどの草花をみつ源に200キロのみつが取れた。ミツバチを飼育するプロジェクトはいくつかの都市で実施されているが、市民参加で採れたものをビールの原料として用いるのは初めての試みだという。
 ハッチーはソメイヨシノのはちみつを使用したもので、ハチミツビールの製造では定評のある厚木ビールが醸造者として手を上げた。麦芽、ホップに横浜産のハチミツを加えて醸造したが、ハチミツはビールの副原料でないため、分類上は発泡酒扱い。アルコール分は5%。 
 ボトルのラベルデザインとネーミングは、昨年10月一般公募、全国から682件の応募作が寄せられた。11月に公開審査会が行われ、大賞に選ばれたのは日本大学芸術学部3年の平川絵里子さんの作品。手書きのイラスト風で、カラフルなミツバチが太陽と緑を背景にハチミツを運んでいるところをデザインした。
  厚木ビールの望月秀樹醸造長は「マイルドな味で飲みやすく、ほんのりと桜の香りのする上品な甘さが特徴です。ラベルも合わせ、女性に喜ばれている。今後はサクラ以外のミツを使用したビールも製造したい」と話している。1ビン330ml入りで550円。横濱チアーズでは樽生でも販売している。問い合わせは厚木ビール電話223・1515番。

小林市長が年頭会見 一般会計は4.5%減

「真価の年」と位置づけ

 市民協働によるまちづくりを推進
 厚木市の小林常良市長は1月6日、年頭会見を開き、2年目に入る新総合計画について、百年に一度といわれる世界同時不況の中で、これまでにない厳しい財政状況を強いられることが確実だが、市民が不安を抱くことのないよう「暮らし」を守り、「選択と集中」により事業の優先度を見極めながら、「あつぎ元気プラン」の着実な推進をはかり、市民協働によるまちづくりを推進していくと抱負を述べた=写真。
 平成22年度予算については、昨今の景気後退による企業業績の低迷や個人所得の減少に伴い、法人市民税と個人市民税の減収が見込まれることから、市税全体では420億円程度となり、平成21年度当初予算と比較して約26億円、率にすると約6%の減収となる見通しを示した。
 このため、すべての事業について、実施時期の検討を含め、ゼロから徹底的に事業内容を見直し、さらなる縮減を図るとともに、財政調整基金からの繰り入れや市債を活用して歳入を確保、平成21年度当初予算と比較すると一般会計の予算規模は、約4・5%減となる720億円程度であることを明らかにした。
 
市立病院の建て替えに向け設計に着手
 新年度予算については、景気対策、教育・子育て、健康・福祉、環境、安心安全を重点項目として取り組むが、新たな取り組みとして市立病院の建て替えに向け設計に入るほか、子育て支援対策として、小児医療費の無料化の対象年齢の引上げや待機児童対策として認定保育施設などへの助成拡大、高齢者世帯に対して住宅用火災警報器の無料設置の拡大、観光資源を最大限に生かすための新しい枠組み作りなどを上げた。
 また、平成22年度は、市政1期目の最終年度に当たり、集大成の年として位置づけ、市長就任以来、市民と取り組んできた「WHOにおけるセーフコミュニティの認証取得」や「自治基本条例の制定」という市民協働によるまちづくりの理念を具現化するために動き出す節目の年であるとも述べた。
 同市長は、市長に就任してからの1年目を「感謝」、2年目を「希望」、3年目を「創造」という言葉で表現してきたと述べ、就任4年目を迎える今年を「真価の年」と位置づけ、成長から成熟へと舵を切った厚木市が「市民協働」という原動力を得て、今こそ、その真価を発揮し、真の価値を市民の皆さんとともに作り上げてまいりたいと決意を述べた。
 
B1グランプリ・全国から30万人超の来場者
 9月18、19の2日間、厚木中央公園をメイン会場として行われるB級グルメの祭典「B-1グランプリ」は、昨年の横手大会を上回る40団体前後が出店、全国から30万人を越える来場者が見込まれるため、会場及び駐車場への誘導や警備体制など、関係機関と調整しながら、安全・安心な開催が行えるよう準備を進めるが、厚木のよさを全国に発信する絶交の機会で、来場者を「おもてなしの心」で迎えたいと述べた。また、市立病院の産婦人科は、昨年10月に常勤医師1人を新たに確保できたことから、常勤医師2人、非常勤医師2人の体制になったため、1月4日から産科の外来診療再開に踏み切った。まだまだ常勤医師数が十分でないため、原則として1月から3月までは分べんを行わないが、当面の間、妊娠初期で合併症のない方のみ、月10件程度の分べん受け付けとなることを明らかにした。

はたちの集い・今年も新成人が自ら企画・運営   

恩師登場のビデオレターに歓声

 厚木市の成人式「はたちのつどい」が1月11日、同市文化会館で開かれた。会場には華やかな晴れ着や真新しいスーツ、紋付きはかまなどをまとった新成人1577人が集まり、大人への仲間入りをした=写真上。
 ことし同市で成人式を迎えたのは、平成元年4月2日から平成2年4月1日までに生まれた2372人(男性1308人、女性1064人)。成人式は、午前と午後の2回に分けて行われ、今年も新成人5人でつくる実行委員会(大田垣卓馬委員長)が企画・運営を担当した。
 飯山白龍太鼓の迫力ある演技で幕開けした成人式では、実行委員のメンバー5人が司会にも挑戦した。小林常良市長と石射正英市議会議長が新成人へエールを送り、その後新成人によるアトラクションが行われた。
 アトラクションでは、新成人による歌=写真下=やピアノ演奏、中学校時代の恩師たちが登場する「お祝いビデオレター」の上映などが行われた。「お祝いビデオレター」では新成人の当時の担任が、思い出などを交えて登場、お祝いのメッセージを送る姿が写し出されると、会場から大きな歓声が上がった。また、豪華景品が当たる全員参加型の抽選会も繰り広げられ、会場を盛り上げた。
 式に出席した松野美佳さん(20・下川入在住)は「昔の友人や頑張っている同世代のステージを見て、自分も夢に向かって頑張ろうと思った。これを契機にこれからの人生を充実させていきたい」と語っていた。

厚木観光いちご狩り組合

5月下旬まで開園

 厚木市で恒例の観光イチゴ狩りが、同市相川・睦合地区のイチゴ農園で始まった。農園のビニールハウス内には真っ赤に色づいたイチゴが豊かに実り、市内外からもぎとりに訪れた親子連れや、若者グループを楽しませている=写真。
 同市内のイチゴ栽培は昭和12年ごろ相川地区で始まり、現在では相川・睦合地区の農家で、章姫(あきひめ)、紅(べに)ほっぺ、さちのか、女峰(にょほう)などの品種を栽培している。
 ことしの観光イチゴ狩りは、「厚木観光いちご狩り組合」(鈴木欽之組合長)の6農家で実施。毎年1万人以上の来場者を受け入れている。
 家族で50年以上イチゴを栽培している内海則行さん(54・下津古久在住)は、「ことしはうどんこ病などが心配だったが、対策を立てたおかげで例年通り甘くておいしいイチゴができた」と話している。
 開園時間は午前9時〜午後4時(2月までは3時)。料金は月ごとに異なり、30分食べ放題(ミルク付き)で1100円〜1500円(5歳未満は500円〜700円)。
 申し込みは各農園に予約が必要。イチゴ狩り情報はJAあつぎイベント情報サービス(電話223局0111)でも行っている。いちご狩りは5月下旬ごろまで開園。

2010厚木市消防出初め式

はしご乗りや一斉放水を披露

  消防への信頼と防火思想を市民に広め、消防職・団員の士気を高めていこうと1月10日、「厚木市消防出初め式」が荻野運動公園で開催され、消防職・団員、市内事業所の自衛消防隊員など約600人が参加した。式典の後、はしご乗り=写真=や消防演技、一斉放水などが披露され、会場を訪れた約3500人の観客を魅了した。
2部構成の1部は、主催者を代表して小林常良市長のあいさつ後、消防活動に功績・功労のあった消防団員29人と消防団7個部、協力があった15事業所を表彰した。同市消防団の森屋昭一団長は「日ごろの皆さんの消防活動への協力に感謝します。消防団は地域防災の要です。自分達のまちは自ら守るという郷土愛の精神の下、生命・身体・財産をあらゆる災害から守りたい。市民から信頼される消防団づくりを進め、安心・安全なまちを目指したい」と感謝の言葉を述べた。
 2部は、古式消防保存会(栗原幸男会長・会員25人)によるまとい振り込みとはしご乗りの演技から開始。消防団や自衛消防隊らによる勇壮な消防車両の分列行進が行われたほか、同市の消火競技会で最優秀賞を受賞した事業所・消防団による操法、消防隊員による高層からの救出・演技が披露された。フィナーレの一斉放水では、消防団員が16口のホースから直上放水。一斉に噴き上がる8色の色鮮やかな水柱に、会場からは大きな歓声と拍手が起こっていた。
 娘と一緒に訪れていた花上祐子さん(38・荻野在住)は「はしご乗りや消防演技などすべてが機敏な動きで迫力があってびっくりしました。一斉放水はきれいな色をしていて、近くで見ていた子どもも喜んでくれました」と感想を話していた。

市役所にだんごかざり

養蚕で栄えた歴史を伝える

 養蚕で栄えた厚木市に伝わる「だんご飾り」が1月12日、厚木市役所正面玄関ロビーに展示され、訪れた市民の目を楽しませている=写真。
 だんご飾りは古くから、小正月にマユに見立てた「繭玉」という米を粉にひいた団子を木に取り付け、養蚕の豊作を祈願した年中行事。時代とともに減少する養蚕農家の風習を後世に伝えようと、地域の歴史などを調査研究している厚木北地区文化振興会(野田央男会長・10人)と、同地区婦人会(青木美智代会長・60人)が主催して毎年実施している。同地区文化振興事業の一環として市役所のほか、厚木北公民館、厚木北児童館、厚木小学校に飾り付けている。市役所への展示は昭和57年から始まり、今年で29回目になった。
 この日、市役所では高さ3メートルほどのヤナギとミズキの枝に、直径3センチほどの白やピンク、緑色の団子約200個が、ミカンや縁起物のタイ、大判、小判などの飾りとともに取り付けられた。
 野田会長(77)は、「農作業の豊作と無病息災を祈念して実施している。昔のことを若い人に伝えたいので、ぜひ多くの人に見てもらいたい」と笑顔で話していた。
 だんご飾りは18日午後3時まで展示される。

厚木商工会議所

「厚木バーガー」を商標登録申請

 厚木商工会議所の新春賀詞交換会が1月7日同商議所の大会議室で開かれ、加盟企業などの代表約250人が参加した。 
 席上あいさつに立った石川範義会頭=写真=は、「昨年は組織的な面でブロック制を取り入れた。厚木を12ブロックに分け、ブロック長を中心に会員増強に力を入れた結果、101社の方に新たに加盟いただいた。これを3月まで延長して会員増強を進めたい。法人ばかりでなく、個人の方も入会できるためぜひ仲間になっていただきたい」と呼びかけた。また、「会議所の青年部が開発した『厚木バーガー』(パンに厚木名物のトン漬けと野菜を挟んだもの)が大変好評で、昨年、会議所で商標登録を申請した。5月ごろには登録許可になる予定で、今年、厚木バーガーを作りたいと思っている商店の方は、色々なアイディアを駆使して中に入れるものを考えていただき、お店独特の味を出した厚木バーガーを、ぜひ市内外に広めていただきたい」と述べ、厚木バーガーを地元の新たな食ブランドとして売出し、バックアップしていく考えを示した。
 小林市長や山本県議など来賓祝辞の後、祝宴に入り、会場内では厳しい景気の動向や市内の経済事情について情報交換する姿があちこちで見られた。また、賀詞交換の恒例になっている新春お年玉は、全員に景品が当たるとあって好評、参加者は最後まで残って歓談を楽しんでいた。 

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