第671号(2005.11.15)

上三田・下川入4自治会も反対陳情 ゴミ中間処理施設の候補地選定問題
 厚木市の上三田自治会(鈴木泉会長)、下川入第一自治会(柏木貞雄会長)、同第二自治会(佐藤明会長)、同第三自治会(渋谷嘉平会長)の4自治会は、厚木市が「厚木愛甲環境施設組合のごみ処理中間施設」の候補地として、棚沢の神奈川工科大学の運動場を選定したことについて、10月28日、上三田自治会を代表として2840人の署名を添え、中間処理施設選定の無条件・撤回を求める陳情を、厚木市長と市議会議長に提出した。
 陳情内容は、「棚沢地区は鳶尾山麓で北東に中津川を擁した自然に恵まれた緑豊かな地区で、ゴミ中間処理施設が建設されることは大きな環境破壊であり、地域住民の健康被害など甚大な公害発生の原因となる。また、地域の交通渋滞が助長され日常生活への支障大となり、地域発展が阻害される」として、次の5項目を反対理由に上げている。
1焼却炉からは、発ガン物質であるダイオキシンや多くの有害重金属が排出され、周囲の環境汚染、健康被害に重大な影響をおよぼす。2有害物質の影響を最も強く受けるのは、胎児、乳児、幼児の子ども。病気で苦しむようになってから、住民の健康被害の原因が分かってからでは遅い。3建設予定地周辺は鳶尾山の一角で八菅山、中津川の清流と自然の宝庫。その環境を求めて周辺には何万人もの人が住んでいる。公害のまちとなるのはお断り。4最新型の大型全連続炉、高温溶融炉で24時間連続燃焼するため、産業廃棄物も併せて燃やさなければならなくなる。5鳶尾山麓には衛生プラント、愛川聖苑があり、大型ごみ処理施設の存在は地域の不活性化を助長、また才戸橋が渋滞する。 
 同問題では棚沢地区自治会が8月に反対陳情を提出、継続審議となっている。

上古沢緑地をツツジの名所に  市民700人が参加して植樹          

つつじの植栽に参加した親子
 厚木市では11月6日、花と緑あふれる美しいまちづくりを目指して、13・9ヘクタールの上古沢緑地をツツジの名所にしようと、大勢の市民が参加してツツジの植樹が行われた。
 今年の2月、市制50周年を記念して厚木市と友好都市を締結している首長らが植えた「友好のツツジ」を中心に、今年の春の植栽イベントに続いて2回目の植栽。
 当日は「植えて、見て、感動して」をテーマに親子連れや友達同士など、市民約700人が参加、分け与えられたツツジの苗木を小さなスコップで一つひとつ丁寧に植えていた=写真。
 参加した同市恩名の高橋和美さん(37)は「あいにくの天気ですが、気持ちいい汗をかきました。この丘いっぱいにきれいに咲く日が待ち遠しいですね」と話していた。 参加者にはパンジーの苗がプレゼントされた。
 
 この日、市民の手で植えられたツツジは約3千本。市では今後も植栽を行っていくという。 

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地域の文化の殿堂に 依知神社神楽殿が落成
 11月6日、厚木市上依知の依知神社(小林知弥総代長・氏子数350人)で神楽殿の落成式が行われ、氏子や建設関係者が参加して落成を祝った=写真。
 同神社の神楽殿は明治18年に建立されたが、120年を経て老朽化したため、解体して新築することになり、3月から工事が行われていた。
 間口17メートル、高さ9・55メートル、木造在来工法2階建ての神楽殿は、桧30センチ四方の通し柱12本のほか、17メートルの梁3本を使用した堅牢な建物。施工した江成金作建築も「震度7クラスの地震がきても倒壊しない」と太鼓判を押すほど。建築延べ面積は304・74平方メートル。屋根は銅板葺きで、1階に神楽殿と社務所、2階に8帖間3室を配置している。
 落成式では神主による神事が行われ、小林知弥建設委員長は「北の玄関口である依知地区に一点の光が差したような感じ。神事のほか、地域のスポーツ・文化の殿堂として活用していただき、依知地区の活性化につながれば嬉しい」とあいさつ、落成に尽力された工事関係者に感謝状が贈呈された。
 12日の午後5時からは落成を記念した「松井誠ショー」が開かれ、大勢の見物客で賑わった。

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小江戸のシンボルに  歌手の湯原昌幸さん、フユザクラを記念植樹

冬桜を植える湯原さん(左)
 11月8日、厚木市寿町の弁財天社で、「フユザクラ」の記念植樹が行われ、厚木市や青年会議所、地元自治会役員などが参加した。
 今年の5月22日、厚木市と厚木青年会議所、中央通り名店街の3団体が主催して開いた「第1回小江戸あつぎまつり」に特別ゲストとして参加した歌手の湯原昌幸さんが、青年会議所が提言している小江戸あつぎ構想に賛同、「まちおこしのお役に立てれば」と自らの曲「冬桜」にちなんで寄贈したもの。
 弁財天社は、かつては小江戸と呼ばれるほど賑やかであった昔の厚木の面影を残す場所で、小江戸まつりのメイン会場ともなった。フユザクラを植えることによって、多くの人がこの場所を訪れてくれるようになればという、小さなまちおこしの願いをこめて植栽地に選ばれた。
 植樹には湯原さんのほか、山口巌雄市長、佐藤誠青年会議所理事長、弁天自治会長らが参加、約1メートルのフユザクラに土をかけた。
 湯原さんは「このフユザクラが小江戸あつぎのシンボルとして大勢の地域の皆様に愛されることを願っています。私も時々は厚木に来て成長を見守りたい」とあいさつ、新曲の「冬桜」を披露した。また、弁財天社の境内には、第一回小江戸あつぎまつりが開催されたことを記した『記念プレート」も設置された。
 フユザクラは別名コバザクラ(小葉桜)と呼ばれ、ヤマザクラとマメザクラの雑種と推定されている。樹高は5〜7メートルで、比較的病気に強い種類といわれている。春と秋の年2回花を咲かせる珍しい桜で、天然記念物にも指定されている。群馬県鬼石町の公園に咲く7千本の冬桜は特に有名で、観光スポットとして人気を集めている。湯原さんは鬼石町の観光特使に任命されており、今回植えられた苗は湯原さんを通して鬼石町より送られたもの。早ければ来年の冬にも開花が見られるという。

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市制50周年記念祝い多彩なフェスティバル

ハーモニカで第九を楽しむコンサート
 11月5、6の両日、厚木市温水のぼうさいの丘公園で、「厚木市制50周年フェスティバル」が開かれ、ハーモニカコンサートや動物フェスティバル、和太鼓競演、青空マーケットなど多彩なイベントが繰り広げられた。
 中でも熱気球のフライトには、厚木の姿を空から見ようと、大勢の市民が参加、長蛇の列が出来た。動物フェスティバルでは、長寿犬猫の表彰、犬のしつけ教室、救助犬のデモンストレーション、などが行われた。
 また、ハーモニカのまちづくりの新たな展開の一つとして始まった「ハーモニカで第九を楽しむコンサート」は、今年で3回目。コンサートの主役は170人で構成する「あつぎグランドハーモニカアンサンブル」の人たち。甲賀一宏さんの指揮で、ベートーベンの交響曲第9番第4楽章から、ハーモニカのための「歓喜の歌」を演奏=写真、客席から大きな拍手が送られていた。

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韓国の公務員が日本の住居表示を研修
 11月8日、厚木市役所特別会議室において、韓国の公務員研修団19人が、厚木市の住居表示実施状況を視察研修した=写真。
 韓国行政自治部では、国民の位置把握の不便を解消するため、道路ごとの名称と建物ごとに番号を付与する「道路名事業」を推進しており、09年までに事業を完成する計画がある。
 このため、日本の住居表示に関する法律制定以後の問題点や解決法、改善事例などを調査する目的で来日した。
 厚木市の開発指導課職員が住居表示の問題点、解決事例、自治体の役割、関連条例などを説明した。その後、質疑応答が行われ、「韓国では国が主導し、一括で実施するが、なぜ住居表示を段階的に行うのか」「住居表示の実施にあたり国からの補助はあるか」など、熱心に質問していた。

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さつきライオンズクラブが消防本部にマウンテンバイクを寄付
 11月7日、厚木さつきライオンズクラブ(小林栄樹会長)が、結成25周年を記念して同市消防本部にマウンテンバイクを寄贈、午後贈呈式が行われた。
 大規模地震災害の発生が危惧される中、同クラブが災害発生時における情報収集車両として寄贈したもので、26インチサイズで、24段ギアのマウンテンバイク8台。1台約5万円で計40万円相当。
 同クラブは過去、結成10周年と15周年の際にも、それぞれ2台のオートバイを寄贈しているが、昨年の中越地震で自転車を利用した機動力が威力を発揮したことから、マウンテンバイクが役立つと判断、25周年記念事業のアクティビティとして寄贈することにした。
 消防本部では、「マウンテンバイクを市内2カ所の消防署と6分署に配備、大規模地震が発生し建物倒壊や車両渋滞などで交通路が遮断された場合、その機動性を生かすことで災害現場での早期情報集活動などに活用していきたい」と話している。

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第3回ななさわ森の学校開催
 10月29日、厚木市七沢の七沢自然ふれあいセンターで、ななさわ森の学校が開かれ、応募のあった16人が参加した。
 講座は市民が充実した余暇を過ごし、心豊かな生活ができるようにと開設されたもので、今回で3回目。今回は野外で一斗缶をオーブン代わりにして、ローストビーフとパンづくりに挑戦した=写真。
 参加者はパンの生地を力強くこね、大きな牛肉に下味を染みこませて、高温に温まった一斗缶でじっくりと焼き上げた。ローストビーフをスライスし、焼き上がった外側と内側の赤身が見えた時は、参加者から大きな声が上がった。
 参加者は「一斗缶でローストビーフやパンが出来るなんて意外だった。アウトドアへの興味が深まった」「次回もぜひ参加したい」と話していた。

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荻野中生徒60人が地下道の落書き消し
 11月3日、厚木市鳶尾の荻野中学校(青木文明校長・生徒数456人)の生徒が、教職員とともに学校近くの地下道の落書き消しを行った。地下道は荻野中学校と荻野小学校の間を通る国道412号線の横断地下道。
 地域のボランティア活動に熱心な生徒会が企画したもので、弟や妹が通う通学路になっている地下道の壁が、落書きで汚れ暗くなっていることから、2年生や3年生を中心に約60人が集まった。
 この日、中学校は全校登校日で、作業は放課後を利用して行われたが、階段を含めて面積約130平方メートルの壁は約1時間で、薄い黄緑色のペンキで塗り替えられ、きれいで明るい地下道によみがえった=写真。
 
 生徒会長で2年生の酒井将樹君は「ペンキ塗りは生まれて初めての経験で楽しかった。明るい地下道が戻って良かった」と満足そうに話していた。今後、地下道内にある掲示板の飾り付けや地下道の清掃を、荻野小学校の児童が行い、中学生の奉仕に応えるという。

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障害者の目線で歩道を点検 バリアフリーあつぎ・まち点検
 10月30日、本厚木駅周辺を中心に「バリアフリー・あつぎ・まち点検」が行われ、車イスの障害者や大学生、市職員、警察署員、小田急電鉄職員など120人が参加した。
 「身体障害者等の自立した日常生活及び社会生活の確保を目指して」をテーマに、バリアフリー・あつぎ・まち点検実行委員会(日下部孝子委員長)が主催したもので、今年で5回目。
 参加者は1班8人の構成で15班に分かれ、本厚木駅周辺の歩道を中心に約1時間にわたって歩いて点検、車椅子の体験や通行に支障のある箇所をチェックした=写真。
 午後からは厚木シティプラザ大会議室で、班別に点検報告が行われ、改善点などについて話し合った。報告会では「相変わらず歩道に駐輪自転車が多く、車椅子で通りにくい」「車道と歩道に段差があるので、車椅子で歩道を渡るとき衝撃に耐える力がいる」「歩道のタイルとタイルの間にヒビが入っていて、その隙間に車椅子のタイヤが挟まれる」「歩道のタイルがはがれていてつまづきやすい」「車イスで横断歩道を渡っていたら、渡りきらないうちに赤になってしまった」などの報告が出された。
 第1回から参加している男性(70)は「以前に比べると歩道の段差やタイルのはがれはかなり解消されてきている。行政はこれからも安心・安全のまちづくりに努力してほしい」と話していた。
 点検内容は、実行委員会が報告書にまとめ、近く市役所に提出する。

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相模川の生きものに親しむ 12月4日まで 郷土資料館特別展
 厚木市寿町の郷土資料館1階ロビーで、11月3日から第8回特別展「相模川の生きものに親しむ」が始まった。
 相模川に生息する特色ある動植物の剥製や標本、収蔵資料、写真パネル、魚類などの生態展示などを行っているもので、厚木市の重要な自然環境の一つである相模川の生きものについて学ぶことができる。
 特に魚類については、県水産技術センター内水面試験場との協働による生魚の生態展示を行い、カマキリ、ギバチといった絶滅危惧種やオイカワ、カマツカ、コイ、タモロコなどの普通魚を見ることができる。
 また、稀少動植物であるカワラノギク、タコノアシ、ヒロハノカワラサイコ、カワラバッタ、トウキョウダルマガエル、コアジサシなどの標本資料や生態写真も展示している。
 郷土資料館では特別展に合わせて、A5判40頁でカラー写真入りの目録本=写真=も作成、希望者には830円で販売している。特別展は12月4日まで。1225・2515番。

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