第668号(2005.10.01)

6年生がアルプホルン製作  玉川小学校の児童28人が卒業制作に

アルプホルンの形が完成して喜ぶ子どもたち(玉川公民館で)
 厚木市立玉川小学校の6年生の児童28人が、米松材を使って製作に取り組んできた「アルプホルン」が完成、9月17日、玉川公民館でお祝いの会が開かれた。 
 アルプホルンの製作を通して地域を学び、地域を愛する心を育てようと、昨年10月から総合的学習の時間(卒業制作)を使って取り組んできたもので、このほどホルンの形が完成した。今後、子ども達はこれを学校に持ち帰り、スイスにちなんだ絵を描いてホルンを完成させる。
 作業は小学校で直管の部分を削った後、6月から公民館の工作室でベルの部分を加工、トウで管を巻き、ニス塗りを施して形を完成させた。
 公民館の工作室では、玉川アルプホルンクラブ(中川重年代表)が独自のホルン作りを続けている。
 子どもたちはこの作業場で延べ200人以上の会員からホルンの作り方の指導と支援を受けたほか、休日には保護者も作業に加わった。材料費は約3.7メートルのフルサイズが5,000円、約1.2メートルのミニサイズが3,500円で、その他の経費は市の「まなびをひらく学校づくり推進事業」でまかなった。
 担任の小俣芳美教諭(52)は、「ボランティアでご協力いただいた地域の皆さんとのつながりで出来上がりました。完成が近づくにつれ、子どもたちの目の輝きが増してきました」と話していた。
 児童の金森英利香さん(12)は、「ノミを使って材木からホルンの形を作ったが、特にベルを彫り出すのが難しかった。アルプホルンの遠くまで響くやさしい音色が好き。仕上げにはアルプスに咲いている花を描き加えます。小学校のいい思い出と記念になります」と誇らしげに語っていた。
 指導に当たった中川重年さんは「小学生がアルプホルンを作るのは全国でもない取り組み。私たちの後継ぎができたように嬉しい。皆で良い音を出す練習をしましょう」と、ホルンのマウスピースを贈り、形の完成を祝福した。

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杉山勇さんが89歳の個展

個展の準備をする杉山勇さん
 厚木市林の洋画家・杉山勇さん(89歳・大潮会名誉会員)が、10月1日から7日まで本厚木駅南口のギャラリー悠で第29回目の個展を開く。
 杉山さんは厚木市内の公立中学校長を歴任したほか、県下中学校美術教育研究会長などの要職をつとめ、美術教育に大きく貢献した。退職時には、卒業生全員の似顔絵を贈ったことでも知られる。
 退職後は絵画一筋に専念し、国際美術協会の催しによるイタリア、ギリシャ、フランス、スペイン、アメリカなどの美術展に出品、その都度渡欧して広い分野で絵画の研究につとめてきた。また、中国を訪問して、風景や人物を描くなど画風にも新境地を開いてきた。大潮会では60余年の出品歴を誇る。現在理事をつとめる重鎮で、名誉会員に推挙されている。
 杉山さんの手法は、自宅や野山に咲いている花や果実との会話を続けて自然のロマンを歌い上げるもので、静物画に独自の世界を築いてきた。作風は次第に東洋的なものとなり、 長い間の年輪がにじむとともに、深い空気と色彩が一体となって花や果実の情感を見事に描き出し、杉山絵画独特の限りない人生の営みを見せてくれる。
 個展は教職を退職後毎年開催、今回で連続29回目になる。今回もサムホールから50号にいたる杉山さんが得意とする柿、石榴、わびすけ、梅、椿、栗、薔薇、君子蘭、水仙などの静物画40点あまりが展示される。
 杉山さんは「80代最後の個展。年はあまり気にしたくないが、作品が老いてはいないか気になるところ。多くの方に見ていただければ有り難い」と話している。
 ■ギャラリー悠は、本厚木駅南口を出ると、右に向かって直進、早稲田予備校、城南予備校を過ぎるとすぐ左。駅から徒歩3分。TEL:229・5322番。

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  民間交通監視所が市内14箇所に設置 
 厚木市内の交通事故の撲滅を図るため、秋の交通安全運動の一環として9月21日と22日の2日間、民間交通監視所が市内14箇所に設置された=写真。
 民間交通監視所には、看板を掲出したテントを設置、自治会長をはじめ交通安全指導員、交通安全母の会などの交通安全対策協議会の構成団体が交通監視を行い、チラシと啓発物品を配布して事故防止を呼びかけた。設置された監視所は東町郵便局前交差点や本厚木駅南口りそな銀行西側など計14箇所。
 本厚木駅南口で啓発活動をおこなった交通安全母の会の井原由美さん(36)は、「厚木市は交通事故がとても多いと聞きました。少しでも事故を減らせるよう皆さんに交通安全を呼びかけていきたいです」と話していた。

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スポーツ・レクリェーションフェスティバル開催
 市民にいつでも、いつまでも年代に応じたスポーツやレクリエーション活動を楽しんでもらおう\\と9月11日、厚木市中荻野の荻野運動公園で「第3回スポーツレクリエーションフェスティバル」が開かれた=写真。
 会場内には、体育館内でのフォークダンス、バドミントンや陸上競技場での体力測定、多目的広場でのペタンク、プールでのアクアエクササイズなどたくさんの体験コーナーが設けられ、参加者は思い思いの競技に挑戦して、心地よさそうに汗を流していた。
 体力測定に参加した西川裕子さん(24・上依知)は腹筋測定のあと、「体力づくりは自宅でもやっていますが、決められた時間の中で回数をこなすのは難しいですね」と話していた。
 
 このほか、厚木市を拠点として2月に発足した「湘南ベルマーレ女子ソフトボールチーム」の監督・選手らによるソフトボールの実技指導が行われたほか、競技の合間に一休みしてもらおうと、地元の農産品などの販売コーナー、手打ちうどんの試食コーナー、保健師による血圧測定コーナーなどが設けられ、家族連れや競技の合間に体を休める参加者で賑わっていた。

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いつまでもお元気で
高齢者の長寿を祝う
9月15日、厚木市文化会館大ホールで、厚木市敬老会が開かれた。多年にわたり社会の進展に寄与されてきた高齢者を敬愛し、長寿を祝うため、市内に住む75歳以上の高齢者や結婚50周年、60周年夫妻1万1千人を対象に開かれたもの。
 初回の15日は午前の部では、青空うれし&春日三球の漫才や、島倉千代子歌謡ショーが行われた。出演者の熱演に参加者は「大きな声で笑うことは健康の秘訣。漫才を楽しませていただいて若返ったような気がします」と話していた。
 敬老会は9月15日、16日の2日間、午前の部と午後の部に分け、合計4回開催され、4,200人のお年寄りが楽しんだ。 
 同市内の最高齢者は、市内荻野在住の井上トラさんで103歳。

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商店街でルール啓発のキャンペーン
 9月10日の「屋外広告物の日」に合わせて、厚木市と屋外広告物連絡協議会(高橋雅樹会長)では、屋外広告物のルールについての啓発を行うため、中心市街地でキャンペーン活動を行った。
 当日は協議会の委員と職員50人が3班に分かれて、本厚木駅周辺を中心にパトロール。公道上に置かれた置き看板の是正指導を行うほか、違法な立て看板、貼り紙などを除去するとともに、各店舗にパンフレットを配布しながら、屋外広告物のルールの啓発を行った=写真。
 高橋雅樹会長は「PR不足もあり、市民に屋外広告物のルールが理解されていない部分もある。キャンペーンを行うことで啓発し、街並みを良くしていきたい」と話していた。パトロールに参加した人たちは、店舗を個別に訪問してお知らせチラシを配りながら、「ルールを守って違反広告物のないきれいな街にしましょう」と呼びかけていた。

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考えてみよう!環境と食生活
 厚木市制50周年・第24回みんなの消費生活展が、9月10日・11日の両日、厚木サティ5階催事場で行われた=写真。
 消費者を取り巻く環境は複雑・多様化しており、消費者が正しい知識と判断力を身につけていただくとともに、環境や食の安全に配慮した暮らしの実現をはかることを目的に厚木市が主催、消費団体など10団体の参加協力で開催した。
 会場では環境、食の安全や消費生活に関する各種パネル展示をはじめ、クイズラリー、牛乳パックを利用した手作り体験、悪質商法に関するビデオなども放映された。
 出展した消費生活モニターの吉冨保代表は「食料自給率の低下に加え、未加工品が減り、加工品の輸入が増えている。さらに食品衛生法違反となる検査で規格不適合となるケースが増えているが、抜き取り検査の対象にならないで家庭の食卓に届く食品が数多くある。家族の健康にやさしい手作り料理を実践しましょう」と呼びかけていた。

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神奈川キノコの会会員が野生きのこ特別相談
 厚木市七沢の県自然環境保全センターで、今年も9月26日から神奈川キノコの会会員による「野生きのこ特別相談」が始まった。最近のアウトドアブームできのこ狩りに出かける人が増えているが、素人が図鑑を見ながら判定するのはかなり難しく、県下でも平成12年と14年には毒きのこツキヨタケによる食中毒が発生している。食べられるきのことそっくりな毒きのこもあり、同センターでは「野生きのこを安全に食べるためにも専門家に食用かどうをか判定してもらうのが確実」と毎年シーズンになると「特別相談日」を開設している。
 相談には神奈川キノコの会の城川四郎会長ほか4名があたる。時間は午前9時30分から午後4時まで。今月は3日、5日、7日、11日、14日、17日、19日、21日、24日、26日、28日、31日に相談が行われる。相談者は必ず実物を持参すること。複数種類のきのこが混在している場合は判定に時間がかかるため、わかる範囲で種類ごとに区分して持参する。
  同センターが昨年9月24日から10月29日までの15日間行った野生きのこの特別相談では、237件の相談があり(平成15年は175件・14年は314件)、350種の判定を行った。中でも食べられるきのこの種類はワタゲナラタケ57件、チャナメツムタケ34件、ウラベニホテイシメジ23件、ムラサキシメジ=写真=21件、クリタケ20件、ミネシメジ15件、キヒダフウセンタケ15件、シロナメツムタケ14件など。
 一方、毒きのこの主なものはクサウラベニタケ、ニガリクリタケ、カキシメジ、ツチスギタケ、サクラタケ、ニオイドクツルタケ、イッポンシメジなど。
 同センターでは、きのこ中毒を防ぐには、まずきのこの名前を正確に覚え、知らないきのこは食べない、もし、食中毒ではないかと感じたら、吐きだして速やかに医者の診断を受ける、その際、食べたキノコや残った料理を持参すること。また、きのこ狩りへはきのこをよく知っている経験者と行く、図鑑に載っていないきのこもあるので自分勝手に鑑定しない。迷信(縦に裂ける、茄子と炒めると食べられるなど)を信じない、鮮度の落ちた物は食べなどの防止対策を呼びかけている。 

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薬物乱用と非行防止の啓発作戦 高校生と大学生が企画 心と街のクリーン作戦
 9月10日午後1時30分から「第17回心と街のクリーン作戦」が、本厚木駅周辺及び三川合流点付近で実施された。
 この活動は青少年を取り巻く環境と薬物乱用防止、非行防止を市民に訴える目的で、中学生や高校生、大学生が中心となって、厚木市青少年健全育成団体の協力で啓発活動と環境美化活動を行ったもの。
 今回の統一標語は「甘い誘惑、楽な道、断る勇気、強い意思」で、高校生、大学生を主体とした心と街のクリーン作戦実行委員会(恩田葵委員長・松蔭大学3年)で意見を出し合い決定した。作戦の開始にあたり、恩田実行委員長は「同年代の私たちにもできるのは、友達を見守り、勇気と強い意思を持つように呼びかけること。今日は街をきれいにすることを実行し、声をかけましょう」と話していた。
  参加したのは厚木市ジュニアリーダーズクラブを中心とした中学・高校生、市内中学1校、高校4校、大学5校、青少年相談員をはじめとした青少年健全育成団体、厚木署、ライオンズクラブ、ロータリークラブ、青年会議所、PTA連絡協議会、厚木地区保護司会の関係者400人。
 参加者は厚木中央公園での開会セレモニーのあと、8班に分かれて本厚木駅周辺や三川合流点付近の河原の美化活動や啓発活動を実施した。
 啓発活動では、パンダやウサギなどの着ぐるみを着た青少年が、薬物乱用防止や非行防止を呼びかけ、チラシやおしぼり、救急セットなど啓発物品を配布した=写真。また美化活動では、相模川河川敷や本厚木駅周辺の公園、道路脇に捨てられた吸い殻や空き缶、空き瓶などを回収した。

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人生はポチャンの一瞬! 境野勝悟さんが講演
 大磯でこころの塾・道塾を創設する教育評論家の境野勝悟さん=写真=が、9月14日、異業種交流組織・厚木経進会の家族例会に招かれ、「禅に学ぶ人間学」というテーマで講演した。
 境野さんは「古池やかはづ飛び込む水の音」という芭蕉の句を引用して、「この句は古池があって、そこに蛙が飛び込んでポチャンという音がした。その後、また池に静寂が戻って、もっと静かになったという文芸的な解釈をされていますが、これを禅的に解釈するとどうなるか」と次のように解説した。
 仏頂和尚が芭蕉に向かって「人生、如何なるか」と聞きました。
 すると芭蕉は「蛙飛び込む水の音」だと答えました。
 古池ですから、昔からあったし、今もある、これからもあるでしょう。その古池へ蛙が「ポチャン」と飛び込んだ水の音が人生だというのです。要するに「人生はポチャンの間」ということなのです。
 大磯でこころの塾・道塾を創設する教育評論家の境野勝悟さん=写真=が、9月14日、異業種交流組織・厚木経進会の家族例会に招かれ、「禅に学ぶ人間学」というテーマで講演した。
 境野さんは「古池やかはづ飛び込む水の音」という芭蕉の句を引用して、「この句は古池があって、そこに蛙が飛び込んでポチャンという音がした。その後、また池に静寂が戻って、もっと静かになったという文芸的な解釈をされていますが、これを禅的に解釈するとどうなるか」と次のように解説した。
 仏頂和尚が芭蕉に向かって「人生、如何なるか」と聞きました。
 すると芭蕉は「蛙飛び込む水の音」だと答えました。
 古池ですから、昔からあったし、今もある、これからもあるでしょう。その古池へ蛙が「ポチャン」と飛び込んだ水の音が人生だというのです。要するに「人生はポチャンの間」ということなのです。
 これは何を意味しているかと言うと、無限の宇宙や自然の生命の歴史から見ると、人間が70年、80年生きたといっても、ちょうど蛙が水に飛び込む音の瞬間でしかない。人生とは自然の長い生命から見れば、まさに「ポチャン」の一瞬でしかないというわけです。
 人生はこういうポチャンの一瞬ですから、あれがいい、これが悪い、これは得だ、損だなどと文句を言っている暇はありません。ポチャンという音ぐらいの短い人生なのだから、物事にこだわったり、是非善悪にこだわって一生を乱心して無駄にするのではないと芭蕉は言っているのです、と。
 境野さんは芭蕉の句を禅的に解釈すると、「悟りの句」であると解説していた。

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自然賛歌モチーフに 奥平学さんが初の個展
  厚木市飯山の会社役員・奥平学さん(64)が、10月1日から30日まで、同市飯山のアツギ・ミュージアムで初めての個展を開く。
 趣味で始めた油絵の世界にのめり込んで10年、花や風景を描いては自宅や知り合いの喫茶店に飾って楽しんできたが、徐々に作品がたまってきたことと友達のすすめもあって個展を開くことにした。
 一時、日展審査員をつとめた渡辺啓輔さんに師事、渡辺さんが主宰する「青空会」に2〜3度出品したことがあるが、ほとんどが独学だ。これまで作品を発表することもなく、ただひたすら描き続けてきた。奥平さんは「絵を生業とする絵ではない」というが、そのうち喫茶店に飾った絵が売れたり、知人から新築の贈答用にと作品を頼まれるようにもなった。
 
 自然賛歌がモチーフで、「作品を見てくれる方が、花や風景を見て癒しを感じてくれれば嬉しい。そうした癒しの絵の一端を担えれば」と話す奥平さん。作風は背景を暗くして対象とするシンボルを明るく浮き彫りにするという古典的な技法。それは始めた時から今日まで変わらない。これまでに丹沢、奥州、信州、奈良、北海道などの山里を歩き、作品にしたためてきた。
 個展では谷川岳、八幡平、女満別、霧ヶ峰、中津川河畔、県立七沢深林公園=写真、富士山、大和路などの風景画やカンナの花などを描いた10号から50号までの作品20点あまりを出品する。時間は10時から19時まで。1241・4018番。

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