第610号(2003.04.01)

 現職1・新人5人が立候補予定 自民・ネット議席守れるか 県議選厚木
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19件分は違法・山口市長に15万5千円返還命令 厚木市長交際費訴訟
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農民文学賞に飯山の佐藤れい子さん 
 日本農民文学会が主宰する第46回「農民文学賞」に厚木市飯山に住む書家・佐藤れい子さん(70)=写真=の小説「おくつき」が選ばれた。
「おくつき」とはお墓のことで、人間の最後の営みである葬送の儀式を、散骨という自らの願望を主人公に託して作品にしたもの。審査員の伊藤桂一さんや秋山駿さんも、文句なしに佐藤さんの「おくつき」を推薦した。4月29日、家の光会館で受賞式が行われる。   
「受賞に決まったと聞いてビックリ。賞なんて夢のまた夢ばかりと想っていましたから」と嬉しそうに語る。
 佐藤さんはロシア・サハリン州ユジノサハリンスク(旧樺太豊原)の生まれ。戦後北海道の浦河に引き揚げ、東北学院大学英文科を卒業した。結婚後、書家の道を志す。
 厚木に越してきたのは69年。日本書道教育学会小鮎支部長として書道を教えるかたわら創作にも手を出し、知人の誘いで農民文学会に入会した。これまで季刊で発行される機関誌に年2回ほど小説やエッセイなどを発表している。
 「いつも尻をたたかれて、農民文学らしくないものばかり書いてきた」と佐藤さん。創作の対象となるのはいつも樺太や戦争、引き揚げ体験が主だという。
 91年7月これまでに発表してきた小説や紀行文をまとめて『ロスケタンポポ』、1昨年には樺太への想いぐさを描いた随筆集『懐郷華』を自費出版した。
 受賞作となった小説「おくつき」は、01年11月の農民文学257号(秋冬合併号)に発表した。
 人間の最後の儀式である埋葬を、生命の循環をテーマに小説にしたもの。樺太生まれの佐藤さんは、主人公の紀代に、死後自分の遺体は孫が学ぶ大学に献体し、骨が戻ったらその骨をオホーツクの海が流氷を敷き詰めたころ、砕氷船の上からカモメにエサをやるように撒いてほしいと語らせている。
 「私は生まれは樺太、ついのすみかは厚木ですが、土に還るという意味では、樺太にはそれなりの感慨はあります、せめて故郷の島が見える北海に沈めてもらえば」と佐藤さん。
 現在、引き揚げをテーマにした作品を執筆中で、7月までには推敲し書き上げたいと話している。

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クライマーが岩場の清掃とモミジを植樹・七沢の滑岩

滑岩を清掃する「広沢寺の岩場を守る会」会員
 3月16日、厚木市七沢にある滑岩を使用するクライマーたちが、広沢寺周辺の林道の清掃や竹藪の伐採、モミジの植樹などを行った。
 この滑岩は、都心から交通の便も良く、岩登りの体験場所として初心者から上級者まで人気があり、週末には県内外から多くのクライマーたちが訪れる。一方で心ないクライマーたちによる林道への車両乗り入れやごみの投げ捨てが過去に問題になったこともある。
 そこで一昨年、滑岩を利用するクライマーたちが、自主的に「広沢寺の岩場を守る会」(相川忠昭代表)を結成、ごみの持ち帰りやクライマーへ車両進入の自粛を訴えた。今回の清掃集会もその一環で、県や東京都の山岳連盟に呼びかけて実施した。今ではこうした活動が評価され、地元「七沢里山づくりの会」や「七沢観光協会」などの協力も得られるようになった。
 この日集まったクライマーは約100人。午前中、林道のごみ拾いや傾斜地の竹藪の伐採、モミジの植樹などを行った。集められたごみは不法投棄などを含めて約2トン。同会の相川忠昭代表は「この美しい七沢の自然を地元の皆様とともにいつまでも守っていきたい」と話していた。

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厚木市立病院がスタート・岡崎知事と山口市長が移譲協定に調印
 4月1日から厚木市に移譲される「県立厚木病院移譲基本協定調印式」が3月20日、厚木市役所で行われ、岡崎洋知事と山口巌雄市長が協定書に署名調印した=写真。
 協定書には病院の土地・建物、医療機器などの無償譲渡、職員公舎の敷地、駐車場用地の無償貸与、職員の派遣などを内容とする6項目が盛り込まれた。
  市立病院は15診療科目でベッド数は356床。常勤医師54人、看護師257人でスタートする。県との基本合意で確認した救急医療、周産期救急医療、感染症・エイズ医療、災害時医療なども引き続き維持される。

 市は充実策として、小児科医を増員して24時間体制の小児救急医療に対応するほか、女性特有の疾患、悩みなどに対応するため、女性専門の医療相談窓口や女性専門医による週1日から2日の女性専門外来を設ける。また、地域医療連携室を設置して、在宅療養相談や医療費相談なども行っていく。

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睦合中学校の生徒が通学路を清掃

 3月24日、厚木市立睦合中学校(下島光久校長)の1、2年生333人が、春休み前に通学路の清掃を行った=写真。
 同校の生徒が、自分たちの地域を自分たちの手できれいにしようと取り組んだもので、登校時間を10時に遅らせ、朝の8時30分から10時までを地域美化活動の時間とした。
 生徒たちは軍手にビニール袋を持って、登校途中の道端や公園などに投げ捨てられた空き缶や弁当容器、紙くずなどを拾って歩いた。中には3キロの道のりを90分の時間をかけてごみを集め、袋いっぱいのごみを手に登校した生徒もいた。集められたごみの量は約2トンで、可燃物、金属、ガラス、プラスチックに分別された。
 生徒たちは「普段何気なく歩いている道だが、ごみの多いことにあらためて驚いた」「通学路がきれいになって気持ちがいい」と話していた。

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カルタで地域の文化や歴史学ぶ・厚木南公民館

 3月15日、厚木南公民館主催で「ふれあい学級」が行われた。昨年始まった週5日制の導入にともなう土曜日の過ごし方の問題から、地域の子どもたちに地域でかかわっていこうと行われたもの。
 この日は貸し切りバスで牧場でのバター作りやジャンボカルタ取り、イチゴ狩りなどを体験した。参加したのは、厚木第2小学校の1年生から5年生までの37人。
 立ち寄った依知北公民館の体育館では、地域の風土や歴史、行事などがかかれた38枚のジャンボカルタ取りを楽しんだ=写真。
 子どもたちは馴染みのある行事の写真や地域の歴史をつづった言葉から、カルタ取りを楽しむとともに、地域の文化や歴史を学んでいた。
 参加した1年生の小柴佳純さんは「知っている場所がカルタになっていて面白かった。またやってみたい」と話していた。

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昭和音大生がサキソホンコンサート 市役所市民ホール

 3月19日の昼時、厚木市役所本庁舎1階の市民ホールで、昭和音楽大学の「サクソフォン・カルテット」によるミニコンサートが開かれた。
 これは市が窓口の手続きなどで役所を訪れた市民に、潤いのあるひとときを提供しようと、1階の市民ホールで演奏会を開いたもの。
 演奏を行ったのは、昭和音楽大学講師の福本信太郎さんを代表に、同大学の学生3人で編成された「サクソフォン・カルテット」。福本さんらは「私のお気に入り」「川の流れのように」「ドゥー・ダー組曲」などジャズのスタンダードナンバーから歌謡曲、クラシックまで約30分間演奏した。市役所を訪れた人々は、サクソホンの澄んだ音色に耳を傾け、演奏に聴き入っていた。

サキソホンコンサート
市では明るく市民に親しまれる市役所づくりをめざし、ミニコンサートや市民の絵画を展示するギャラリーを設置している。

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厚木市が489人の人事異動
 厚木市は4月1日付けで、総勢489人の人事異動を発令した。市立病院の開設をはじめ、安心安全なまちづくりの推進、生涯学習を通じた人間性豊かな人づくり、中心市街地の活性化を目指した施策展開などをはかるもので、うち部長級は14人、次長級22人、参事級5人、課長級59人、主幹級31人、副主幹級69人、係長・主査級42人となっている。
 異動では企画部門に「文化とまなび政策課」、「まちづくり政策課」を設置、安心安全のまちづくりの推進のため担当部長と市民安全課長を配置した。また、能力本意や女性の登用にも着手、女性職員は次長職1名、係長職7人を登用した。このほか、新たに産業政策担当部長、収納担当次長、市制50周年記念事業担当課長、斎場施設整備担当課長を新設した。
 【部長級】▽市政企画部長(広報担当部長兼秘書課長)木村正彦▽21総合政策担当部長(市政企画部次長兼企画政策担当参事)渡辺兼行▽総務部長(財務部長)佐々木弘▽防災担当部長(選挙管理委員会事務局次長)會田孝▽財務部長(環境部長)葉山渉▽安心安全のまち担当部長(防災担当部長)飛鳥井光治▽環境部長(21総合政策担当部長)都高泉▽経済部長(総務部次長)石井俊次▽産業政策担当部長(業務核都市・第三セクター担当部長)中村正久▽都市部長(都市整備部次長)加藤恒雄▽病院事業局長(21総合政策担当次長)矢口富雄▽財務部付け担当部長・土地開発公社派遣(市民部専任参事・市民安全担当)阿部義春▽議会事務局長(議会事務局次長兼議会総務課長)金子忠▽監査事務局長(健康福祉部・福祉事務所次長)平本菊一▽農業委員会事務局長(財務部付け担当部長・土地開発公社派遣)森征男。

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