第606号(2003.02.01)

本厚木駅北口の客待ちタクシー・路上待機解消にGPS導入

 本厚木駅北口周辺の路上で交通の妨げになっているタクシーの路上待機を解消しようと、県タクシー協会相模支部厚木地区会(渡辺要地区長)では、このほど人工衛星による全地球測位システム(GPS)を使った新しい管理システムを導入、2月1日から実施する。
 本厚木駅北口のタクシープールには22台の車が乗り入れられるが、各社が平等に乗客を得るためのルールをタクシープール到着順としているため、プールの空きを待つ客待ちの車が駅北口から路上に並び、道路に100メートル以上の長い行列を作る=
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 このため、一般車両の通行の妨げになるばかりでなく、歩行者の道路横断時の危険性や、アイドリングによる環境面への影響など様々な問題を引き起こしている。
 同協会では5年前より対策を検討してきたが、このほどカーナビゲーションに使われているGPSシステムを活用することで、客待ち車両の路上待機を解消することに決めた。
 新しいシステムは、これまで先着順で何台でも可能だったタクシープールへの乗り入れを変更して、各社の所有台数に応じてタクシープールへの乗り入れ台数を割り振ったほか、タクシーと営業所に設置したGPSモニターに、モータープールの状況が詳しく表示されるため、自社分の空きが出たら各社がその都度営業所や車庫などから車両を回して、駅周辺への路上待機を避ける。
 昨年末までに市内で営業している4社のタクシーすべてにこのGPS管理システムを搭載した。システムは基地局を含めて1台約70万円かかるが、タクシー強盗などの防犯対策や配車にも効率的に利用できる。
 協会では2月1日より、交通が増える朝5時から夜8時までの時間、本厚木駅北口タクシープールへの乗り入れをGPSで管理する。市や商店街では、駅周辺の交通混雑の解消につながると歓迎している。
 厚木市内には相模中央交通、神奈中ハイヤー、東横交通、厚木相中、個人タクシーを含めて211台のタクシーが運行している。

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 スペシャルオリンピックス夏季世界大会・愛川町の三井茜さんが出場
 第11回スペシャルオリンピックが夏季世界大会が、6月21日から29日まで、アイルランドの首都ダブリンで開かれるが、神奈川県からただ1人、愛川町在住の三井茜さん(25)=
写真=が水泳競技に出場する。
 スペシャルオリンピックスは、60年代にアメリカで始まったスポーツボランティア運動。日本では93年、神奈川県ではやや遅れて95年に活動がスタートした。現在、約200人のアスリートとほぼ同数のコーチ・ボランティアが陸上、水泳、バスケットボール、テニス、卓球、ボウリング、スキーなど10競技にわたって活動を展開している。
 今回、日本からは三井さんを含めて57人のアスリートと24名のコーチ合わせて81名の選手団が、水泳、陸上、バスケットボールなど8競技に参加する。各アスリートは、02年に行われた「第3回スペシャルオリンピックス日本夏季大会ナショナルゲーム・東京」に出場した選手の中から日本代表選考委員会によって選ばれた。
 三井さんは、ダウン症の障害を持ち、養護学校を卒業後、マクドナルド厚木パティオ店に就職、パンを温めたり、パンにミートを載せるなど厨房の仕事全般を受け持っている。その後、スタートして1年ほどたったSO神奈川のスポーツプログラムに参加、水泳を中心に陸上、テニス、ボウリングと多彩な活動ぶりを見せ、6歳年上のお姉さんも一緒に泳いだり、走ったりして応援している。
 98年と02年のナショナルゲームへの参加をはじめ、01年12月には初の海外遠征となるニュージーランド招待大会にも参加した。得意の水泳は平泳ぎ、個人メドレーが中心。持ちタイムは200メートル平泳ぎで7分50秒。クロールはスタイルもよくかなり早く泳げるため自信を深めている。
 平日のトレーニングは勤務の終わる夕方からで、日曜日もトレーニングを欠かさない毎日だ。
 三井さんは大会が近づくにつれ、「お店を休まなければならない」と気にしているが、周囲では「明るい性格で、責任感が強いため頑張ってくれるでしょう」と期待を寄せている。

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 まゆ玉を作って飾ろう・厚木小の児童
 1月14日、厚木北公民館で、市立厚木小学校(久保田征子校長)の2年生児童115人が、生活科の授業の一環として「まゆ玉飾り」の製作に取り組んだ=写真。
 指導したのは厚木北地区歴史民俗談話会と厚木北地区婦人会のメンバー。子どもたちは歴史民俗談話会の中丸武夫会長から、養蚕が盛んだったころの厚木の歴史や、豊作祈願・無病息災などまゆ玉飾りのいわれなどについて話しを聞いた後、婦人会の手ほどきを受けながら、米の粉で白やピンク、緑のだんごを作り始めた。
 子どもたちは「お餅みたいに手にくっついてしまったけど楽しかった」「粘土細工みたいだった」と話していた。
 だんごが出来あがると学校へ持ち帰り、3クラスの教室で高さ1.8メートルのカシ・コナラやミズキの枝にだんごを取りつけ、1人ひとりが願いを託した短冊を飾りつけた。短冊には「かけ算の九九を頑張りたい」「サッカーが上手になりたい」「通知表の三角をなくすよう頑張ります」など、子どもたちの希望や目標などが書かれた。

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  七沢浅間神社で恒例のだるま市
 1月26日、厚木市七沢の七沢浅間神社の祭礼で、恒例の「だるま市」が開かれ、大勢の参拝客が訪れた。
 だるま市は繭の神として祭られる鐘ヶ嶽山頂の浅間神社の祭礼である「六夜祭」に合わせ、毎年1月26日に開かれているもので、鐘ヶ嶽のふもとでは、小さな路地に屋台が並び、市内外からだるまを求める大勢の参拝客で賑わった。
 この市で売り買いされるだるまは、「七転び八起き」を表す丸みが特徴の相州だるま。家内安全や商売繁盛を願うほか、中には「受験を目前に控えた子どものために」と買い求める姿も見られ、威勢のいい手締めの音とかけ声が路地に響き渡っていた=写真。
 神社氏子総代の能条誠一さんは「六夜祭とだるま市は七沢で古くから続く伝統行事。いつまでも人々に親しまれ、にぎやかであって欲しい」と話していた・

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 財部誠一さんが日本経済の行方を講演

 1月17日、厚木市文化会館小ホールで、厚木市と市商工会議所が主催する新春経済講演会が開かれ、経済ジャーナリストの財部誠一さんが「日本経済はどうなる!シナリオの行方」と題して講演した=写真。
 財部さんはテレビ朝日「サンデープロジェクト」や「サタデー総合研究所」などに出演するほか、『儲かる会社の秘密』『大リストラ時代を生き抜く』『カルロス・ゴーンは日産をいかにして変えたか』などの著書で知られる。

 この日の講演では、今日的日本経済の抱える問題や今後の課題などを、例示を示しながらわかりやすく解説、「不況、デフレ、景気の低迷などの言葉で現代社会を判断しないで、ビジネスモデルの転換などに成功している企業に目を向け、刻々と変化する時代に順応していってほしい」と語りかけると、参加者はメモをとるなどして熱心に聞き入っていた。

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 第49回県央厚木駅伝・大学の部で駒大が優勝
  1月26日、厚木市中荻野の荻野運動公園競技場をスタート・ゴールに「県央厚木駅伝競走大会」が開かれ、54チームが参加した。
 午前9時の開会式の後、10時30分、山口巌雄市長の合図で、各チーム第1区のランナーがいっせいに競技場をスタートした=
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 大会は4部門で行われ、地区対抗の部(6区間21.0975km)に19チーム、高校・大学・一般の部(6区間37.4475km)には35チーム、小学生の部(4区間4.8km)には22チームが参加した。
  大学の部では、来年以降を期待されるメンバーで臨んだ駒沢大学が箱根駅伝に続いて優勝した。また、箱根の3区で区間賞を獲得した山岡正義さんを要した國學院大學Aチームが2位に入賞、箱根ランナーは合計9人が出場した。優勝チームは次の通り。
 地区対抗の部=厚木南、高校の部=秦野高校A、大学の部=駒沢大学、一般の部=秦野市役所A、小学生の部=長谷スポーツ少年団A。
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 元気アップ!キッズアート・まちを元気に明るく
 本厚木駅周辺の5つの商店会が、厚木商工会議所や厚木市とともに、中心市街地を活性化していこうと、「まち元気アップ委員会」(竹松俊雄委員長)を設立し、「元気アップ!キッズアート事業」にとり組んでいる。 
 地元小学生の描いた絵を商店街の街路灯などに飾ることによって、街を明るく活気あるものにしていこうというもので、1月に入ってから縦120センチ、横55センチと縦90センチ、横50センチの2種類のフラッグに、厚木小と厚木第2小の児童が、虹のかかる街で暮らす家族など思い思いの絵を描いた。仕上がった約430枚のフラッグは1月末から中心市街地にお目見えする。

 竹松委員長は「子どもたちの絵で飾られた商店街に、ぜひ家族で足を運んでください。また、子どもたちもこの事業に参加することで、まちづくりの一員であることを自覚し、達成感や充実感が得られると思います」と話していた。

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 市民1人ひとりが自主防災の意識を持とう
 1月18日、厚木市文化会館で市民防災研修会が開かれ、市内の自治会で組織する自主防災隊員や市防災指導員、防災推進員、ボランティア団体など1,246人が参加した=
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 市と市自主防災隊連絡協議会が、1月15日から始まる「防災とボランティア週間」に合わせて開いたもので、参加した市民はビデオ「ドキュメント神戸72時間の記録」を見ながら、当時の震災の恐ろしさを思い起こしていた。
 また、東山地区防災福祉コミュニティ委員長の吾妻義信さんが「被害の悲しみを乗り越えて市民はどう行動したか」、震災当時まちづくり推進課長だった中山久憲さんが「災害対応や市民への支援など行政がどう行動したか」をテーマに生々しい体験談を披露した。
 参加者の1人は「絶望の中で必至に災害と立ち向かった市民や対応に追われた職員の話は説得力がある。これを参考に自分の身は自分で守るという意識で災害に備えたい」と感想を話していた。

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 豊かな教育環境の創造・PTA活動研究大会開かる
 1月25日、厚木市文化会館で、「厚木市立小・中学校PTA活動研究大会]が開かれ、市内小中学校36校のPTA会員1200人が参加した。
 今回は「豊かな教育環境の創造・次世代を担う子どもたちの成長を願って」がテーマで、第1部ではPTA功労者44人への感謝状の贈呈とPTA広報紙コンクールの表彰、荻野小学校と玉川小学校の2つのPTAから事例発表が行われ、第2部ではエッセイストの見城美枝子さんが「親と子のパートナーシップ」と題して講演した=写真。
 事例発表では、荻野小PTAが「育てよう生きる力と豊かな心」、玉川小PTAが「子どもたちの安全確保」について報告、、課題に真剣に取り組む様子が伝えられた。

 また、講演会では見城美枝子さんが、「子育てとは子どもを社会に送り出すプロセスの1つ。喜びもあれば不安もある。しかし家族が100組あれば100様の子育てがあってもいい。その中で大切なことは何か、みんなで考えてみませんか」と話し、参加者は同じ親の立場として勇気づけられ、共感を覚えていたようだった。

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 『道祖神』を刊行・文化財協会が創立30周年
  厚木市文化財協会(山田不二郎会長)が創立30周年を迎え、このほど記念出版として『厚木の歴史探訪1道祖神』を刊行した=
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 同協会は昭和47年4月に創立、市の文化財調査にたずさわる一方で報告書の編集にあたり、これまでに埋蔵文化財、民家、地名、古墳、小祠・小堂などに関する調査報告書をまとめたほか、平成11年に『あつぎの河原石』を刊行している。
 今回刊行した『道祖神』は、厚木の歴史探訪シリーズの第1巻。同市には道祖神を祀る地点が184カ所あり、411点を数える石造の資料が確認されている。今回その中から54カ所を選定、写真と地図を添えて解説した。
 道祖神は外部から進入してくる疫病や災害などの災厄をもたらす邪霊、悪神を防ぐために村境や辻に祀られた神。その地点は江戸時代以降の旧村の集落(集団)という単位で道祖神が祀られ、様々な石造物とともに信仰が非常に根強いものであったことが分かる。
 1部500円。ウチダヤ厚木ビブレ店で販売中。同協会では今後も、「文学碑」「庚申塔」「地蔵」「古墳」「神社」などの刊行を予定している。問い合わせは同協会TEL228・6644の前場幸治さんへ。

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 岩崎さんに市民功労表彰/ハーモニカの指導で文化に貢献
 厚木市は2月1日の市制施行記念日を記念して、今年も市政の発展に功績のあった129人の市民・団体を表彰する。
 ハーモニカの指導者として後継者の育成を行い文化芸術の向上に尽力した功績が顕著と認められた岩崎重昭さん(75歳・厚木町)に市民功労表彰が贈られるほか、自治表彰8人、一般表彰76人(団体)、スポーツ表彰31人(団体)を表彰する。
 岩崎さんは日本を代表するハーモニカ奏者および指導者として、厚木市のほか全国で文化・芸術活動に取り組むほか、卓越した指導力で国際・国内大会で入賞する門下生を数多く輩出するなど多くの業績を残してきた。
 また、厚木市がかかげる「ハーモニカのまち」づくりの礎を築き、文化・芸術の香るまちづくりに貢献するとともに、昨年7月厚木市で開かれた「第4回アジア太平洋ハーモニカ大会」を成功に導くなど、全国に厚木市の名を高めたことが認められた。
 昭和48年に市音楽協会会長、62年に日本ハーモニカ協会理事長に就任。昭和56年に国際複音ハーモニカコンテスト第1位、平成2年第12回日本ハーモニカ大賞を受賞している。

 個性あるまちづくり提案/優秀賞に近藤さん・大賞は中嶋さんに
 厚木市はこのほど「個性あるまちづくり提案」の後期募集の審査を行い、同市長谷の近藤利春さんの「ポランの広場をこさえよう」を優秀賞に選んだ。
 近藤さんは、「人」をまちの重要な資源ととらえ、知識や知恵を気軽に交流し合える「場=ポランの広場」をまちの中に作ることを提案、コミュニケーションの手段として補足的にインターネットやCATVなどのメディアの活用も提案している。
 佳作には上依知の川田重直さんの「自転車天国の街・厚木」が選ばれた。川田さんは、車優先の行政から人や環境にやさしい道路建設に転換、市街地中心部に向けて安心して走れる自転車専用道路や地域をつなぐ専用道路の整備を提案、地球温暖化防止と高齢者の健康増進と交通災害の減少につながるとしている。
 また、岡田の森智恵子さんの「おもちゃライブラリー開設」の提案が入選を果たした。提案理由は、おもちゃは年齢や性別、障害の有無にかかわらず、コミュニケーションを図ることのできる貴重な道具で、おもちゃを活用したリハビリなどの成果についての情報発信基地がないので、福祉事業としてライブラリーを開設するというもの。
 このほか、前後期の優秀賞の中から年間の最優秀作品に贈られる「個性あるまちづくり大賞」には、同市毛利台の中嶋和彦さんの「玉川の土手5キロメートルを市民参加で桜並木に」が選ばれた。玉川の両岸に開花時期の異なる桜を植え、費用を市民が負担して個人の記念樹とし、管理は老人のボランティアがあたるという提案だ。
 市では入賞提案を、必要性や法的規制などについての検討を行い、まちづくりに生かしていくという。

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