第579号(2001.12.15)

市民のための「里山林整備指針」

市民のための「里山林整備指針」自然環境保全センターが作成
 神奈川県自然環境保全センター(石田哲夫所長)はこのほど、市民が主体的に里山林の保全活動を行なうための「里山林整備指針」を作成、インターネットで公開している。
 県内には約5万ヘクタールの広葉樹林があり、その多くは里山林、あるいは雑木林といわれる半自然の森林になっている。高度成長以降の社会情勢の変化にともなって、そのほとんどが放置された状態で、防犯上の問題や里山の生き物が減少するなど自然環境上の問題も起きている。
 里山林を管理する市民参加型の活動は、80年代の後半から全国各地で行なわれるようになった。県下でも全国有数のグループが活動を行なっており、県全域では500ヘクタールを超す森林で、市民参加型の保全活動が行なわれている。ところが、これまでの里山の管理手法は、スギやヒノキの人工管理と同じ手法で進められてきたケースが多く、建築材を育てる考え型が支配的であった。
 今回、同センターがまとめた「里山整備指針」は、広葉樹の整備技術や県内の各地域で行なわれている市民活動の事例を取りまとめためもので、市民が主体的に行なう里山林の保全活動に活用できるものにした。
  整備指針の内容は、(1)安全に、(2)楽しく持続させながら、(3)学びながら、4新しい考え方を受け入れる\という視点から構成されている。
 第1章は「里山林に入ってみよう」で、現在の里山の景観、雑木林の植物について記述、第2章の「里山林の価値」では、景観や生物の生息空間としての価値、森林浴や自然のエネルギー源としての価値などをまとめている。
 第3章の「市民による里山管理手法」では、考え方の基本から作業の量、道具と機械の種類、落葉掻き、伐採の方法、運搬、貯蔵と保管、林床植物の管理やもやかきの方法について説明、第4章では「森の恵みと産業ホビー」と題して、製紙用チップ、木炭、きのこのほだ木と培地、薪、堆肥、垣根などについて紹介している。
 また、第5章では雑木林を萌芽林に戻す方法や高林にする方法、雑木林のビオトープの作り方など実践的な手法を紹介、、第6章では里山林の新しい利用と知見、第7章では中部ヨーロッパの事例などを紹介している。
 県には平成7年に作成した「広葉樹林整備指針」があるが、市民による里山林の保全活動のための整備指針は今回が初めて。他の県では愛知県が里山林の整備指針を作成している
■ホームページは次の通り。
http://www.agri.pref.kanagawa.jp/sinrinken/index.asp

豊かな心を育てる体験活動上依知小で道徳教育研究発表会
 11月28日、厚木市立上依知小学校(木藤一郎校長・児童数368人)で「ふれあい・学びあい・育ちあい―豊かな心を育てる体験活動」を研究主題とした「道徳教育研究発表会」が行なわれ、各教室で公開授業が行われ、地域の学習ボランティアが授業に協力した。
 平成12年度に同校が文部科学省が推進する「道徳教育体験活動推進事業」の研究推進校に指定されたのを受けて、ボランティア活動や自然体験活動、郷土の文化・伝統に親しむ活動を通して、子どもたちが道徳的価値の大切さを学んだり、家庭や地域の協力を得て行なう道徳性を養う体験活動の在り方などについて、実践的な研究に取り組んできたもの。推進指定地域は全国36県36地域で、県内では厚木市の上依知小のみが研究推進校に指定された。

 研究発表会では、研究主任の山口晴子教諭が研究の概要について話した後、副主任の荻田頼子教諭が実践例の紹介を行なった。
 当日は、このほかにも各教室で公開授業が行なわれ、地域の学習ボランティアの人たちが授業に協力したり、郷土芸能「相模里神楽」保存会が「ふるさとをみつめよう」と題して、ゲストティーチャーで登場し、里神楽の実演を行うなどさまざまな楽しい授業が行なわれた=写真。
 木藤校長は「体験活動を通して、心に響く道徳教育を実践して、地域とともに道徳風土づくりをめざしていきたい」と話していた。

湘北短大と姉妹校のオーストラリアの大学生が厚木を訪問
 11月28日、厚木市温水の学校法人ソニー学園湘北短期大学(宮岡千里学長)の交換留学生が、厚木市役所を訪れ山口巖雄市長に厚木訪問のあいさつを行なった=写真。
 一行は湘北短期大学と姉妹校の提携をしているオーストラリアのニューカッスル州立大学と国立オーストラリアンカソリック大学で日本語を専攻する学生18人と教員合わせて19人。
 山口市長はあいさつの中で、「滞在中は料理や陶芸、書道、茶道などの日本の伝統文化に親しみ、日本への印象を新たにしていただければと思います。また、市内の小学校なども訪問されますので、子どもたちとの交流にも期待しています」と述べた。
 この後、山口市長から記念品が贈られ、留学生を代表してニューカッスル大学のデュシカ・クルニックさん(19)が、「湘北短期大学の学生の方や市民の皆様が温かく歓迎してくれました。日本語や日本文化を理解し、社会人になって再び厚木市を訪れた時に役立たせたい」と厚木訪問の感想を話していた。
 留学生たちは11月23日から17日間、ソニー厚木テクノロジーセンターの寮や湘北短期大学の学生宅にホームスティをしながら、日本学習をベースにしたプログラムに参加、ソニー本社の見学や市立三田小学校を訪問するなど幅広い国際交流を行なった。 
 このプログラムは年々参加者が増え、異文化を体験しようとする学生の輪が広がっているという。
 姉妹校締結以来、両大学の交換留学生が湘北短期大学を訪れたのは今回が6回目。

厚木市特例市の指定受ける12月11日閣議決定
 厚木市は地方分権を推進する観点から、「特例市」の指定にかかわる手続きを進めてきたが、12月11日、同市を特例市として指定する政令が閣議決定された。14日官報により政令が公布され、正式に特例市の指定を受けた。同市はこれを受けて平成14年4月1日から特例市に移行する。
 特例市は平成11年7月8日「地方分権一括法」が成立し、その中で地方自治法の一部改正にともない、12年4月新たに施行された制度で、人口20万人以上の都市を対象として、都市計画法による建築の許可や開発審査会の設置、騒音・悪臭・振動の規制基準の設定など、市民に身近な環境行政や都市計画・建設行政権限を、都道府県から一括して権限移譲を受けるもの。
 16法律20項目の事務権限が移譲されるが、開発行為の許可など、すでに権限を移譲されている事務もあり、未移譲事務は実質的には13法律17項目となる。
 今回指定を受けたのは厚木市のほか、所沢市、一宮市、岸和田市、明石市、加古川市、下関市の7市。県下ではすでに小田原市、大和市、平塚市、全国では30市が移行済み。
 厚木市は「特例市の移行を契機として、現在にもまして市民サービスの向上に取り組むとともに、環境に配慮した住みよい街づくり、地域の実状に応じた個性あるまちづくりへの取り組みなど、地方分権の旗手として、市民との協働によるまちづくりの推進に務めてまいりたい」とする談話を発表した。

善意をあたため1円玉を寄付緑ヶ丘のみずき会
 厚木市緑ケ丘地区の主婦らで組織するボランティア団体「みずき会」(石川茂子会長)が、11月28日、同市下荻野の障害者の地域業所「あすなろの会障害者自立活動センター第2作業所」を訪れ、会員が自宅に募金箱を設けて貯めた1円玉や5円玉などの小銭とバザーの収益金2万円のほか、雑貨や衣料品を寄付した=写真。
 同会が毎年行なっている奉仕活動の一環で、石川会長ら5人が同作業所を訪れ、町田所長に手渡した。
 町田所長は「うちの作業所は重度の障害者が多いので、とても助かります。いただいたお金は作業所のために有効に使わせていただきます」と話していた。

高木さんタンザニアへ赴任青年海外協力隊
 国際協力事業団青年海外協力隊員として、12月10日からタンザニア連合共和国の農村で、村落普及員の仕事に従事する厚木市妻田在住の高木史幸さん(27)が11月27日、市役所を訪れ山口市長に出発のあいさつを行なった=写真。
 高木さんは青山学院大学経営学部を卒業後、民間会社に勤めたが、今年6月に退職し、国際協力事業団の青年海外派遣隊を受験し、隊員に選ばれた。派遣先はタンザニア連合共和国の地方自治省バガモヨ県社会開発局で、高木さんは村落普及員として住民と話し合いながら生活向上のために現金収入をあげるさまざまな提案やコーディネートなどの指導にあたる。
 同国国民は低所得で未就学児童も多く、飲料水の確保や衛生面などさまざまな問題を抱えている。
 開発局の最大の任務は生活改善だが、政府予算が限られているため外国の援助組織による支援が求められている。派遣期間は2年間。高木さんは「早く環境に慣れて村民の意見を尊重しながら生活改善を図っていきたい」と決意を述べていた。高木さんは12月9日に成田から出発した。

高齢者スポーツ大会老人ク連合会
 12月6日、厚木市荻野運動公園で、厚木市老人クラブ連合会が主催する第30回高齢者スポーツ大会が開催された。スポーツを通して高齢者の健康と生きがいづくりを促進するとともに、高齢者福祉の向上を目的に開かれたもので、連合会に所属する会員約1000人が参加した。
 依知地区代表選手による選手宣誓が行なわれたあと、参加者は卓球のラケットにピンポン球を乗せ、ポールを回ってリレーする「スプーンリレー」や、3人1組で手をつなぎ、輪の中のボールを足で調整してポールを回って戻る「ドリブルで行こう」など全部で8競技が行なわれた=写真。
 参加者の最高齢者は荻野地区の長谷川ナミエさんで89歳。男性では睦合地区の星山松蔵さんの88歳だった。

 参加した人たちは日頃の練習の成果をいかんなく発揮、「他の地区の人ともコミュニケーションが図れて楽しかった」「元気な年上の人を見かけると、自分も負けられないと思って刺激になります」と笑顔で話していた。

ヘリを使って山岳救助訓練厚木市消防本部
 11月26、27の両日、厚木市消防本部と川崎市消防局との山岳救助合同訓練がが、市内の2か所で行なわれ、2日間で約80人の職員が訓練に参加した。訓練は市内の山岳地で登山者などが負傷した際に、他都市へ航空機を要請し、航空隊と連携した救助活動を進めるため、航空機の知識や誘導を含む技術の向上を目的に実施した。航空機の要請は県下消防相互応援協定に基づくもので、航空機を使った本格的な訓練は今回が初めて。
 当日はぼうさいの丘公園でのヘリコプター地上誘導訓練や傷病者搬送訓練をはじめ、飯山白山森林公園での救助訓練が実施された。ヘリコプターによる救助訓練では、飯山白山森林公園で登山者が滑落したという想定で川崎市消防局へ応援を要請。ぼうさいの丘公園からヘリコプターが離陸し、現地山頂から登山者を釣り上げ、再びぼうさいの丘公園へ着陸、負傷者を待機中の救急車で搬送した。

三田小でふれあいフェスティバル
 12月1日、厚木市立三田小学校(松本成美校長・児童数919人)で、「ふれあいフェスティバル」が開かれ、大勢の保護者や地域の人々で賑わった。
 このフェスティバルは、子どもたちが保護者や地域の人々とのふれあいを大切にしようと、学校とPTA(劔持忠晴会長)の共催で行なわれたもので、ステージ、展示、ふれあいタイムの3部門に分かれて様々なイベントが行なわれた。
 ステージ部門では、子どもたちによるダンスや合唱の発表のほか、30周年記念イベントとして昭和音楽大学生らによる「千と千尋の神隠し、いつも何度でも」や、クリスマスメドレーなどの生演奏が行なわれた=写真。また、展示部門では、絵や作文、造形など子どもたちの作品がたくさん展示されたほか、ふれあいタイム部門では、睦合北地区の「清流太鼓」の演奏や、PTA役員の協力による「クイズラリー」や「だるま落とし」など、楽しいイベントが行なわれた。

 参加した5年生の重松勇太君は「今日はとても楽しい一日だった。体育館で聞いた生演奏には感動した」と話していた。PTA関係者も「子どもたちが地域の人々と密接にふれあうことによって、豊かな情操を身につけることができとよかった」と話していた。

市民総ぐるみで年末美化清掃
 12月9日、午前7時30分から約1時間、本厚木駅と愛甲石田駅周辺で「年末クリーンキャンペーン」が行なわれた。このキャンペーンは、厚木市と本厚木駅・愛甲石田駅をきれいにする会などが中心となり、年末の節目として美しい地球環境とごみのない快適なまちをつくるために実施したもので、多くのボランティアが参加した。
 冷え込みが厳しい早朝にもかかわらず、本厚木駅周辺には、子どもから高齢者など27団体535人が参加、公園や植え込み、道路などに無造作に捨てられている空き缶やごみ、落葉などの清掃に汗を流した。集められたごみは、可燃ごみと不燃ごみとに分別され、環境センターに運ばれた。なお、この日は自治会が中心となって、各地区でも「市民総ぐるみ年末美化清掃」が行なわれた。

金城選手が1日署長事故防止呼びかける
 12月11日から「年末交通事故防止運動」が始まったが、9日午後2時より、厚木市の中心市街地で交通事故防止パレードが行なわれ、一日署長に招かれた横浜ベイスターズの金城龍彦選手=写真右=が、「運転手の皆さん、スピードは控えめに、飲酒運転は絶対にやめましょう」と、道行くドライバーに事故防止を呼びかけた。
 この日、出発場所である厚木中央公園に集まった市や警察署などの関係者は、パトカーと白バイの先導でスタート、「無事故で年末・笑顔で新年」の横断幕を先頭に掲げ、佐熊厚木警察署長ら約100人が県警音楽隊の演奏に合わせて行進した。

 今年、厚木警察署管内の交通事故は激増しており、12月9日現在で死亡事故は21人(対前年比11人増)。地域別では厚木市内の死亡事故が16人(前年比7人増)、愛川町5人(同3人増)、清川村0人で、いずれも昨年を大幅に上回っている。このうち二輪車の事故が9件、60歳以上の事故が8件、飲酒がらみの事故が8件で、事故のほとんどはこの3つに何らかの形で絡んでいるという。このため、厚木署では11月1日から死亡事故抑制に向けた緊急対策を実施、管内で重大事故を引き起こす飲酒運転やスピードの取締りを強化している。
 この日のパレードも年末に入って飲酒などでの死亡事故の増加が予想されることから、厚木市と市交通安全対策協議会、厚木署などが合同で実施した。

技能功労者27人を表彰
 11月23日、午前10時から厚木市技能功労者表彰式が行なわれた。技能功労者表彰は、長く同一の職種に就き、技能の錬練磨と後進の育成などその職種の向上発展に功労のあった方々を表彰するもので、昭和55年の第1回以来、今年で22回目を迎える。当日は厚木市内より10職種27人が技能功労者・優秀青年技能者として表彰された。
 10時から始まった表彰式では、山口市長から「今後もさらに研鑽を積み、より一層活躍されることを期待しています」と激励の言葉が贈られ、参加した受賞者はやや緊張した面持ちで表彰状と記念品を受け取っていた。表彰者は次の通り。
◆技能功労者=菅野満(大工)堀越清(大工)澤谷繁夫(大工)丸山嘉昭(調理師)作田正孝(電気工事士)鈴村勉(板金工)張替三重子(美容師)石井和弘(自動車整備士)石井廣司(自動車整備士)。
◆優秀技能者=加藤晃巳(左官)小出昭好(大工)鈴木静(大工)村上一恵(大工)菊地健二郎(大工)猪又敏(大工)長嶋武久(調理師)斉藤健次(調理師)桐生英明(とび職)後藤利彦(とび職)岡部隆(板金)井上菊一(内装)
◆優秀青年技能者=相原昌紀(大工)牧平賢二(調理師)村上義男(調理師)後藤健(電気工)重田啓樹(塗装)京田晃次(板金)〈敬称略〉。

県央地区年末一時金妥結状況
 県厚木商工労働センターでは、厚木、大和、座間、海老名、綾瀬の各市と愛川町の民間労働組合78労組を対象に、年末一次金の要求・妥結状況について聞き取り調査を行ない、12月4日現在の要求・妥結状況をまとめた。
 県央地区の賃金ベース30万1,750円の要求額は、となっている82万2,117円で妥結額は78万5,447円。要求額で6万1,588円増、妥結額で7万8,957円増。
 業種別の妥結状況は、電機機械器具が95万7,186円、一般機械器具91万201円、精密機械器具87万円と平均を上回っているが、金属製品(44万807円)鉄鋼(50万9,000円)鉱業(53万137円)で平均を大きく下回っている。

本厚木駅地下道の市民ロードギャラリーに展示された小中学生の標語とポスター作品

ごみ減量呼びかける力作揃いリサイクル標語・ポスター展
 11月21日から12月19日まの約1カ月間、市内小中学校、一般から集まった「ごみ減量・リサイクルに関する標語・ポスターの優秀作品展」が、本厚木駅地下道にある市民ロードギャラリーに展示された=写真。
 作品は市内小中学校及び一般から標語・ポスターと2部門に分けて募集し、厚木市ごみ対策協議会で市長賞、会長賞、優秀賞などを選出した。応募総数は733点あった。
 展示された作品はポスターの部・標語の部で市長賞や会長賞、優秀賞などに入賞した作品46点。今回展示された作品の応募者は「意外とたくさんの人が作品を応募していてびっくりした。展示された作品を見て来年の参考にしたい」と話していた。

.