病気と健康

 NO22(2005.01.01) 睡眠障害について

東名厚木病院

       理事長 中 佳一                           

 私達は人生の約3分の1を眠っております。しかしながら5人に1人の方は睡眠障害で悩んでいます。この現代の病を共に考え、快眠推進の一助として睡眠障害についてお話します。
 
睡眠障害にはどのようなものがあるのでしょうか
 睡眠障害は1不眠症、 2過眠症、3睡眠・覚醒リズム障害、4睡眠時随伴症に大まかに分けることができます。
 1.不眠症は、夜寝つきが悪い、また眠りの維持が出来なく朝早く目がさめる、眠りが浅く十分眠った感じがしない\などの症状があります。
 2.過眠症は日中の眠気が強く、ちゃんとおきている必要がある場合でも眠ってしまうことを繰り返す。このなかには「睡眠時無呼吸症候群」(ナルコレプシー)が含まれます。
 3.睡眠・覚醒リズム障害は、外国旅行の「時差ボケ」とか「昼夜交代勤務」の場
合など、昼なのに眠く、逆に夜間目が覚め望ましい時間に眠れず望ましい時間に起きていられないことで、体内リズム(一般に24時間から25時間内)が少しづつずれて遅くなることです。会社などに出勤すべき時間に起きられないことが続き病的になります。
 4.睡眠時随伴症は、夜間眠っている間に異常な行動や身体症状が現れるものです。夢遊病、睡眠時驚愕症、入眠時幻覚や睡眠麻痺などの精神症状を呈するものと、夜尿症、歯ぎしり、狭心症発作などさまざまな身体症状を呈するものがあります。
 
睡眠時無呼吸症候群とは
 夜間に何度も呼吸が止まる病気で約200万人の方が悩んでいらっしゃいます。診断基準としては一時間当たり5回以上の無呼吸(呼吸停止)もしくは低呼吸(呼吸量が正常の2分の1以下になる)が存在することがあげられています。大きなイビキ、日中の眠気、肥満、起床時の頭痛、集中力の低下が起こり、脳血管障害、高血圧、糖尿病、不整脈、心不全を合併し、社会的影響としては居眠り運転による交通事故や災害事故を起こす危険性が高いデータもあります。
 
ナルコレプシー 
 夜よく眠っても学校でよく居眠りしたり、会社で大切な会議中や商談中に居眠りすることが毎日のようにあり、社会的生活に困難をきたしている人はナルコレプシーの可能性があります。
 診断基準としては@反復する日中の居眠りがほとんど毎日、少なくとも3ヶ月以上持続している。眠気は耐えがたく居眠りの持続は30分以内で後はさっぱりする。A大笑いしたり、得意になって面白いことを話そうとしたり、興奮して怒ったりなどが引き金となり、全身または身体の一部の姿勢を保つ筋肉の緊張が両側性に突然消失する発作で、通常一分以内で周囲の人に余り気づかれないですむことが多いようです。

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