第774(2010.05.01)

厚木市立病院建て替え基本計画発表

 リハビリ科・救急部など新設  救急・がん・地域医療の中心的役割果たす 

 厚木市は老朽化が進んでいる市立病院(田代和也院長)の建て替え整備を進めるため、4月21日、新病院の診療科目、病床数、診療機能、整備スケジュールなどをまとめた「市立病院整備基本計画」を発表した。
 それによると、新病院は救急、小児・周産期、がん、災害医療などの充実をはかるほか、ICU(集中治療室)の新設、CCU(冠動脈疾患集中治療室)NICU(新生児特定集中治療室)などを整備して救急医療とがん医療、地域医療の中心的役割を果たす。
 診療科目は現在の15診療科(内科、循環器内科、精神科、小児科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、麻酔科)に、脳卒中や心筋梗塞など急性期の患者に対応するため、新たにリハビリテーション科と救急部を新設、計17診療科となる。病床数は少子化による産婦人科の入院患者の減少が予測されるほか、形成外科、耳鼻咽喉科などの入院患者の減少で現在の356床から345床に減少する。
 同病院は平成15年4月に、県立厚木病院の移譲を受けて開設。現在使用している施設は県立病院時代に建設されたもので、本館は築45年を経過し老朽化が進んでいる。
 新病院は現在地の水引1丁目に建て替えるもので、敷地面積1万9千432平方メートルを活用して、大地震に強い免震構造や非常用発電装置などライフラインを二重化するなどの災害拠点病院にするほか、省エネ・省資源・リサイクルなどコストと環境負荷の低い21世紀型病院として整備する。平成22から23年度で基本・実施設計、24から28年度までで建設・工事を行う。オープンは平成29年4月となる。総事業費は約170億円(解体含む建設工事費125億円、医療機器・システム費45億円)で、市では今年度当初予算に病院整備基金として6億円を計上した。診療を続けながらの建て替え工事となるが、入院・通院患者に負担をかけることなく、医療機能を低下させない建設を行うという。

厚木の文化芸術の幅広い発信に期待

横内謙介さんを「あつぎ文化芸術特別大使」に委嘱

 厚木市は厚木シアタープロジェクトや子ども演劇ワークショップなどを通じて同市の文化芸術に貢献している扉座主宰の劇作家で演出家の横内謙介さん(49)=写真=を、「あつぎ文化芸術特別大使」に任命、5月12日、委嘱式を行う。
 横内さんは厚木高等学校卒業の劇作家・演出家で、高校・大学卒業後も厚木市を拠点に演劇活動を続けている。78年高校在学時に処女作「山椒魚だぞ!」で演劇コンクール全国2位、早稲田大学在学時に高校演劇部OBを中心にして劇団善人会議を旗揚げ、92年には「愚者には見えないラマンチャの王様の裸」で第36回岸田国士戯曲賞を受賞した。93年、劇団名を「扉座」に改名。
 99年には「新・三国志」で第28回大谷賞を最年少で受賞、同年、扉座、厚木市文化会館、厚木市民(応援団)の3者が一体となって「厚木シアタープロジェクト」を結成、文化会館での上演のほか、小学生らのワークショップなどさまざまな活動を通じて演劇文化に貢献している。08年には文化会館開館30周年記念音楽劇「リバーソング〜永遠のハックルベリイ・フィンたちへ」を書き下ろし、演出を行った。
 市では厚木市の文化芸術活動への支援及び協力を得て、市と厚木の文化芸術の幅広い発信につながると期待をしている。

「あつぎ青春劇場」オープン

市民手作りの文化発信事業

 コンサートや演劇などを通じて街ににぎわいを創出しようと、本厚木駅前の商店会のメンバーでつくる「厚木市市街地にぎわい懇話会」(六ヶ村健三会長・会員数40人)が4月25日、同市中町の厚木サテイ8階の空きスペースを利用して「あつぎ青春劇場」をオープンさせた。
 同劇場は市街地活性化の一環として懇話会が厚木市の支援を受けて開場したもので、平成19年度から進めてきた文化発信事業を今年度から、市民手作りの事業としてパワーアップさせた。「学びたい、伝えたい、楽しみたい」をテーマに、ライブや落語、人形劇のステージをはじめ、講師を招いた講座などを予定している。 
 オープニングイベントは午前11時から軽快な音楽のフラメンコショー=写真=で幕開けた。会場を訪れていた伊勢原市の中村江津子さん(70)は、「買い物ついでにショーが見られるなんてすばらしいこと。これからが楽しみ」と劇場のオープンを喜んでいた。
 懇話会の六ヶ村会長は「劇場を通じて買い物や食事など、1日中楽しめる街にしていくのが目標です。そのためにも魅力的な劇場づくりに努めていきたい。普段着感覚の劇場なので、買い物ついでにぜひフラッと立ち寄っていただきたい」と話していた。
 劇場は50坪のスペースで100席。12月までの原則、毎週水・土・日曜の3日間、昼の部(14時30分〜)と夜の部(18時30分〜)の2ステージが行われる。入場料は100円〜500円(無料もあり)。5月は厚木映像コンテスト応募作品の上映や大道芸教室、落語などが行われる。問い合わせは市商業にぎわい課。電話225・2840。

模型使って市職員に発表 東京工芸大学の学生10人   

建築的見地からまちづくり提案


 厚木の市街地の環境改善などを目的に、建築的見地からまちづくりの提案に取り組んできた、厚木市飯山の東京工芸大学(若尾真一郎学長)建築学科の学生10人が、4月22日、市の職員50人に対して、取り組みの成果を発表した=写真。
 この取り組みは同大学の建築学科の受業の一環として昨年秋から始めたもので、中心市街地の問題点などを把握し、環境を良くするための建築的な提案を行うことを課題に、現地調査や模型の作成、レポート提出などを行ってきた。
 この日は地区ごとに班分けされた学生たちが、それぞれ模型を指し示しながら思い思いの提案を発表した。空き店舗を有効活用した魅力的な空間づくりや、商店と居住スペースが一体となった憩いの空間を形成するビルの建設などを提案、市の職員たちは学生の説明を熱心に聞き入っていた。発表後は職員の質問に答えるなど、活発な意見交換を行った。
 小林市長は「真剣に街について考えてくれてありがたい。なかなか発想できないようなものばかりでびっくりした。今後もお互いに力を出し合い、このような提案が具現化できればうれしい」と話していた。
 発表に参加した同大学4年の伊藤貴寛さん(21)は「これまで発表する機会がなかったので、貴重な経験になった。学生が提案したものと、市が時間をかけて積み上げてきたものを共有できれば、より良いまちづくりにつながるのではないか」と話していた。
 市では市内の5大学と平成20年6月に包括協定を結び、人的、物的、知的資源の交流を活発に行うとともに、各大学の持つ個性を生かしたまちづくりを進めている。

浪ちひろさんが新曲 「やってられねえよ」をリリース   

4月25日商工会議所で新曲披露パーティ

 厚木市長谷在住の演歌歌手・浪ちひろさん(60)が、昨年12月、2枚目のシングル曲「やってられねぇよ」をリリース、4月25日、厚木商工会議所で新曲発表を兼ねた披露パーティが開かれた。
 浪さんは02年、作曲家で双子のフォークデュオ・サスケさんからプレゼントされた「雨の本厚木」を自主制作、スナックなどで歌ううちにリクエストが増え、有線放送の厚木地区月間リクエスト1位を獲得した。これがレコード会社・ガウスエンターテインメントの目に止まり、再録音して04年6月24日メジャーデビューを果たした。「パワーのあるハスキーな歌い方」が特徴で、地元のイベントやテレビなどにも出演、この7年間で約3万枚を販売した。
 今回リリースした新曲「やってられねぇよ」は、作詞家の大御所・荒木とよひささん(日本作詞家協会専務理事)の作詞で、今回もサスケさんが曲をつけ、泉盛望さんが編曲して昨年12月2日、日本クラウンより全国発売された。
 利口で要領のいい人ばかりがいい思いをして正直者が馬鹿をみる世の中。意地をはればつぶされるし、泣きごとなど言いたくないが、「ああ、やってられねえよ」というサビの部分が、不器用に生きる男の心を打つと同時に、「なにくそ」と勇気をふるい立たせる曲だ。合わせて「月としぐれとおぼろ酒」をカップリング曲として収録した。
 新曲披露パーティには浪ちひろ後援会(奥野博会長)を中心に約320人が参加、小林常良厚木市長、後藤祐一衆院議員、堀江則之県議、杉田泰繁商工会議所副会頭、厚木市全国県人会連合会の高橋政志会長も応援にかけつけ、「紅白を目指して頑張ってください」と激励した。また、作曲を担当したサスケさんや歌手のリリーさんらも出席、歌とお喋りで浪さんの新曲誕生を祝った
 浪さんは「これからも自分を育ててくれた人々に対する感謝の気持ちを忘れずに歌っていきたい。『雨の本厚木』同様よろしくお願いします」とあいさつ、集まったファンを前に心ゆくまで新曲を披露した=写真。

厚木市立病院分娩再開・出産第1号ママに花束贈呈
 

 産科の分娩業務を再開し、2年10ヵ月ぶりに赤ちゃんが生まれた厚木市立病院を4月12日、小林市長が訪れ、出産した女性に花束を贈った=写真。
 同病院は産婦人科の医師不足のため、平成 19年8月1日から産婦人科を休止していた。その後、医師確保に努めた結果、平成20年4月1日付けで常勤医師1人を採用することができたため、同年4月から婦人科のみを再開している。
 さらに昨年、10月1日付けで常勤医師1人を新たに採用することができたことから、常勤医師が2人体制となり、非常勤医師2人とともに今年1月から産科の外来診療が再スタートした。
 再開第1号の赤ちゃんを産んだのは、市内鳶尾に在住の会社員春山 茂さん(42)の妻美由紀さん(38)。夫妻には2男1女がいて、4人目となる3男悠澄(ゆうと)くんが6日午後2時42分に誕生した。身長は46・2センチ、体重2915グラム。
 市立病院の田代和也院長は「出産は当面件数は少ないが、新患が多く訪れており、7月以降は増える状況にある」と話している。お祝いにかけつけた小林市長は「安心して出産できる体制を万全にしたい。元気な赤ちゃんがこの市立病院からたくさん誕生してほしい」と話していた。

厚木の魅力をマルチに発信します

市民リポーター20人を委嘱

 厚木市の広報番組「あつぎ元気ウェーブ」(ケーブルテレビで放映)などで行政情報や市の魅力を伝える市民リポーターの委嘱式が4月12日、市役所で行われた。公募で集まった市民に小林市長から委嘱状が手渡された。
  新しい市民リポーターに選ばれたのは、19歳から72歳までの市民20人=写真=で、学生や主婦、会社員、俳優など多士済々。小林市長から委嘱状を手渡され、「厚木にあるかけがえのない自然の素晴らしさをリポートしたい」「厚木の新たな一面を発見し、多くの人に伝えたい」「B\1グランプリなどの大きなイベントを控えるが、20人が1つのチームとなって厚木をPRしたい」と意気込みを語っていた。
 委嘱式後には研修会も行われ、元東放学園・専門学校東京アナウンス学院教師で、ケーブルテレビ局での勤務経験が豊富な永澤康行さん(47)が、「市民リポーターの心得」をテーマに講演。発声練習の実技などを交えながら、「カメラの先にはテレビを見る視聴者がいることを常に忘れず、明るく元気に街の話題を伝えてください」と激励した。
 任期は来年3月31日まで。1人当たりのリポート数は年間3〜5回。「広報あつぎ」への寄稿なども予定している。

県内初の「事業所内保育施設」がオープン

森の里託児所

 従業員の確保と働きやすい環境づくりのため、社会福祉法人神奈川やすらぎ会(西迫玲子理事長)・高齢者総合福祉サービスセンター森の里(下古沢)に、このほど事業所内保育施設「森の里託児所」がオープンした。福祉機器の展示室として使っていたスペース約130平方メートルを改装して、保育室、プレイルーム、事務室を設けたもので、就学前の子ども20人まで保育できる。現在の従業員7人(子ども9人)が利用、保育士4人が交替で運営している=写真。
 同託児所は安心して子育てができる環境の整備を図ることを目的に、厚木市が神奈川県と協調して平成21年度にスタートさせた補助金制度を活用した県内初めての施設。制度は子育てをしながら働く従業員のために、事業所内に保育施設を設置する従業員300人以下の事業主に対して補助金を交付するもので、補助金は事業対象額1千万円を限度に、2分の1を補助(上限500万円)する。
 西迫理事長は「子どもを預ける施設がないので働けないという人が多くいました。託児所ができたことで、子どもを預けられるなら働きたいと早速3人の看護師を採用することができました。良いモデルとなれるように円滑な運営をしていきたい」と話していた。
 施設を利用するケアワーカーの川野由美さんは「仕事中も子どもが近くにいると思うと安心して働けます。子どもは先生や友達との生活にもすぐに慣れ、人見知りもなくなってホッとしています」と開設を喜んでいた。

モミジやサクラの植樹

親子連れなどが花と緑を楽しむ

 厚木の緑豊かな自然の中で、数々の催しを楽しんでもらおうと、「厚木市緑のまつり」が4月24、25の両日、同市森の里若宮公園とあつぎつつじの丘公園で行われ、大勢の親子連れなどでにぎわった。
 今年のテーマは「森になれ、みんなの未来、小さな芽」で、花と緑あふれる住み良いまちづくりを目指して毎年行われている。今年は来月23日に開かれる全国植樹祭のサテライト会場として、植樹イベントも同時に行われた。
 会場中央には色彩豊かな花をあしらった円形の花壇=写真=が設置され、森の里小学校児童による合唱と、玉川アルプホルンクラブの演奏で開幕した。その後、小林市長と松沢知事らによるモミジの植樹が行われ、一般来場者もモミジやサクラの植樹を楽しんだ。
 特設された「花と緑のステージ」では、全国植樹祭のテーマ曲「森へ行こう」をシンガーソングライターの白井貴子さんと森の里小学校の児童たちが熱唱し、会場を大いに盛り上げた。また、厚木市出身の落語家・立川らく八さんによる古典落語も披露され、ミニSLの試乗も行われた。
 友人と会場に訪れていた牧野京子さん(65・毛利台在住)は「緑に囲まれ、すがすがしい気持ちになるので、毎年欠かさず来ています。子どもたちにとってもいろいろな体験ができる良い機会だと思います」と笑顔で話していた。

   荻野公民館が移転オープン

   太陽光など設置  環境に配慮した設計

 地域活動や生涯学習の拠点となる荻野地区市民センター・公民館が完成し4月25日、地域住民や自治会関係者約350人を招いて落成式が行われた=写真。
 同館は旧荻野公民館が老朽化してきたことと施設が狭小となったため、新築移転することにしたもので、平成20年から工事が行われていた。2階建て延べ床面積1804平方メートルの施設は、既存の施設にはなかった体育室や保育室、防音機能を持つ会議室が完備、52台収容の駐車場や建物北側にはイベント時や地域の子どもたちが自由に遊べる交流広場なども配置した。また、市の公民館としては初めてとなる太陽光発電設備を取り入れ、植栽散水用の雨水槽を設置するなど環境に配慮した施設となった。 
 落成式では関係者や子どもたちがくす玉開きをした後、ヤマモミジなどの記念植樹を行い、同館の完成を祝った。 。

日本微生物クリニック  JIS法に基づくJNLAの試験事業者に登録

国際基準の試験能力審査をクリア 抗菌分野 全国17番目、県下では2社

 微生物や微粒子の検査分析と対策を専業とする日本微生物クリニック株式会社(土崎南社長・厚木市岡田5\17\1)は、このほど経済産業相の受託を受けた「独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)」より、抗菌分野においてJNLA(Japan National Laboratory Accreditation system)登録試験事業者として登録された。全国で17番目。
 JNLAとは、工業標準化法試験事業者登録制度の略。JIS法に基づく試験事業者登録制度で、試験事業者に対する国際的な要求事項であるISO/IEC17025(JISQ17025)への適合性について、そのマネジメントシステム、技術的能力、試験施設・機器などが適切であるかどうかを審査し、申請範囲の試験を実施する能力を持っていると認められた事業者に対して登録証が発行される。試験結果はJISの適合性、産業界の各種認証制度、第三者による能力証明、自己適合宣言などに幅広く活用されている。
 登録の対象となる区分は、鉄鋼・非鉄金属、繊維、給水・燃焼機器、化学品、電気、土木・建築、日用品、抗菌、放射線関連など。
 今回、抗菌分野で事業者登録を受けた日本微生物クリニックは、平成19年度から実験室の整備、各種文書や精度管理の徹底、要員の教育を行いながら、登録準備を進めてきた。同社は台所用洗剤と住宅用洗剤の除菌表示に関する公正競争の基準を制定した「洗剤・石けん公正取引協議会」の公認試験機関(全国で5社)でもあり、そうした実績も今回の登録につながった。
 抗菌とは製品における細菌の増殖を抑制する機能で、O157が集団発生した平成8年以降、消費者の安全意識の高まりとともに家庭用の台所製品や浴槽製品についても抗菌効果を訴求した製品が増えた。現在、抗菌分野の試験事業者登録は、全国で15法人17カ所あるが、そのほとんどが財団法人や社団法人、大手の試験研究機関で、小規模民間企業の登録は快挙ともいえる。神奈川県下ではTOTO総合研究所と同社の2社だけで、TOTOが主に自社製品を対象に検査を行うのに対して、同社では不特定多数のお客様の検査を引き受けることができる。
 メーカーや開発者などから依頼されたプラスチック、金属、塗料、セラミック、板、ガラスなどの固形物製品の抗菌試験を行って、菌の種類の特定や製品性能、トラブル発生の原因追及や解決策までをサポートするほか、「抗菌効果に疑問がある」とする市販製品を試験分析して消費者からの依頼に答えることも可能だ。この登録により、同社で実施するJIS Z2801抗菌試験結果は、国レベルでの公的データとして提供できるようになり、その証(あかし)としてJNLAのロゴマーク入りの試験証明書・成績書を発行することができる。
 土崎社長は「コンプライアンス(法令遵守)が叫ばれる今日、国が権威づけているJISと同等の試験機関になったことは、私どもの技術と経験が評価されたもの。民間企業の特性を生かして迅速で正確・公正な検査結果を出せるようこれからも全力で取り組みたい」と話している。問い合わせは229・5581番。

 

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