第710号(2007.07.15)

大やけどのオドちゃん救って モンゴルから母子が来日 アジアの会が支援呼びかけ

1昨年背中に大やけどを負い、皮膚移植を待つオドちゃん

 前列右端は母親のボロルマさん。後列は支援の高岡さんと中学生

 オドちゃんを救ってください―背中に大やけどをしたモンゴルの男の子に、日本で手術を受けさせてあげようと支援活動を行っているNPO法人「国際協力は子どもの時からアジアの会」(高岡良助代表・厚木市鳶尾)の招きで、7月11日、オドエルデネちゃん(7)と母親のボロルマさん(35)が来日した。2人はアジアの会代表の高岡さんら支援者と共に伊勢原市にある東海大学付属病院を訪れ、形成外科で事前診察を受けるほか、支援のNPO法人「WE21ジャパン厚木」や中学生らと交流して感謝の気持を伝える。
 オドちゃんはウランバートル郊外に住む7歳の男の子で、1昨年、ゲル内で姉がお茶を入れようとしていたところ、誤ってこぼした熱湯を大量に浴びて大やけどを負い、ケロイドが背中一面に残ってしまった。母子家庭の5人家族で、母親も仕事がなく、政府の児童手当とアジアの会の支援金で細々と生活している。このため、医者にもかかれず、このまま放っておくと皮膚が成長しないため体が反って歩けなくなるという。ケロイドは皮膚移植で治るが、モンゴルには手術できる病院がなく、1昨年春、モンゴルの児童支援活動の調査でウランバートルを訪れた高岡さんが、オドちゃん一家の窮状を知り、「日本での手術を」と支援に乗り出した。
 費用は母子2人が診察と手術で3回来日するため、滞在費などを含めると700万円かかる。今回の往復航空運賃はミアット・モンゴル航空が協力、負担してくれた。
 高岡さんは今年の3月、ウランバートルに長期滞在して、モンゴルの子どもたちに絵本を送る運動や里親制度「スーホの白い馬」などの支援活動を続けているが、一時帰国して6月8日から本厚木駅北口で街頭募金活動を続けている。街頭募金には昨年夏一緒にモンゴルを馬で横断した横浜市金沢区の中野海さん(14)と同市戸塚区の大西正雄君(14)ら中学生5人も参加した。これまでに街頭募金と寄付を合わせ135万円が集まったが、目標額にはまだ遠い。
 12日、海老名市の市民活動支援センターで高岡さんらと記者会見した母親のボロルマさんは「皆様の力で日本で手術を受けることが出来るようになりとても嬉しい。子どもの将来が明るくなった」。オドちゃんは来日当初は、見るもの聞くもの初めてのものばかりで興奮していたが、「日本のお菓子はおいしい。ありがとう」と笑顔で語った。
 手術は10月の予定で、高岡さんは7月18日、母子に同行してモンゴルへ帰るが、その後は中野さんら支援の中学生が横浜駅などで街頭募金活動を行う。高岡さんは「大勢の皆様にご支援をお願いしたい」と寄付を呼びかけている。寄付金は郵便振替で通信欄に「オドちゃん」と書き添えること。宛先は「国際交流は子どもの時から・アジアの会」(口座番号00230―4―70582)へ。

 国際交流は子どもの時から・アジアの会 オドちゃんを救ってのページ

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ヨーロッパの風景テーマに 川口そのえさんが個展 7月25日〜29日

 厚木市寿町に住む洋画家・川口そのえさん=写真=が、7月25日から29日まで本厚木駅南口のギャラリー悠で、「ヨーロッパの風景」をテーマにした水彩画展を開く。9年間滞在したスペイン各地の心に残る風景や街並みにフランスやイタリアなどの風景を加えた作品30点あまりを展示する。
 川口さんは35歳の時、藤沢市に住む洋画家三嘴正之氏に師事、4年間デッサンやペン画、水彩、油絵などの基礎を学んだ。89年夏、イタリア、スペインを取材旅行して、そのままスペイン東部の都市サラマンカに住み着いた。
 スペイン滞在中は、サラマンカの公立美術学校でデッサンを学び、彫刻家ボニー・フアシオ・ペドラスに師事、96年にはスペイン文化庁から作家の承認を受け、同国一流の美術評論家アントニオ・ルーカス・ベルドゥの評価を受けた。また、フランス、ポルトガル、オーストリアなども取材旅行、スペインで2回個展を開いた後、98年8月に帰国した。街並みや建物、ストリートミュージシャン、花などを描くのが好
きで、どこにも属さずフリー。帰国後も2回個展を開いている。 今回は世界遺産にも指定され、昭和天皇が皇太子時代に通った道として知られるサラマンカの「大聖堂への道」、ローマ橋から大聖堂を見た「家路」「日曜の朝市」、星が輝く夜のマジョール広場を描いた「希望」3部作のほか、「立ち話」「クレープ屋さん」などサラマンカを描いたものが主で、不思議な詩情と静謐さに満ちあふれた作品は、エコール・ド・パリを代表する画家モーリス・ユトリロを彷彿させる。
 また、白雪姫の舞台となったセゴビア城、トレドの街並み、アントニオ・ガウディが設計したレストランを描いた「コミージャスの風景」、フランスのサクラクール寺院、オーストリアのシュタイヤー教会、ベニスの船着き場とゴンドラ、サンタマリア大聖堂など、展示作品すべてを風景画で統一した。川口さんは「この2年間じっくりと腰を落ち着けて描いた作品ばかり。スペインで生活した9年間の思い出をモチーフに作品を仕上げた。大勢の方に見ていただきたい」と話している。時間は11時から18時。問い合わせは1228・2133番(KSアート)。

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小林彩香さん 下水道作文コンクールで大臣賞

 社団法人日本下水道協会が主催する「第46回下水道いろいろコンクール」作文・中学生の部で、国土交通大臣賞を受賞した厚木市元町の小林彩香さんが6月29日、厚木市役所に小林常良市長を訪れ、喜びの報告を行った。
 小林さんは厚木中学校3年生だった昨年度、「守り育てよう下水道」と題した作文を書き、同市のコンクールへ応募、最優秀を受賞した。作文は、同市を通じて全国コンクールにも応募された。小林さんは、下水道について「しっかり理解し、正しく使うことを通じて、社会の共通の財産として守り育てること」と強調。全国の中学生から寄せられた437点の中から、国土交通大臣賞(1点)に選ばれた。
 この日、小林さんは両親とともに、都内のホテルで行われた表彰式に出席、冬柴鉄三国土交通相から表彰状を受け取った後、厚木市役所を訪問した=写真。小林市長から「下水道を大切に考えてくれて、市にとってもありがたい作文です。本当におめでとうございます」と祝福されると、小林さんは「夏休みに一生懸命、下水道のことを調べた成果が実りました。ありがとうございます」と笑顔で応えていた。

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授かった命の大切さ学ぶ  厚木小の6年生に助産師が講演

 親から授かった命の大切さを子どもたちに伝えようと7月3日、厚木小学校(能條孝校長・児童数790人)で助産師による講演が行われ、6年生と保護者約130人が参加した。講師は横浜市泉区の助産院に勤務する日本助産師会県支部の鈴木亜紀さん(38・海老名市在住)で、人が誕生するまでの経緯や命の尊さなどを自身の体験を交えて話した。
 講演会は、5、6時間目の道徳と総合的な学習の時間を利用して同校体育館で行われた。新たな命と出会う現場で活躍する助産師の話を通して、子どもたちに命の尊さを認識してもらうとともに、両親からたくさんの愛情を受けて誕生したことに、感謝の気持ちを持ってもらうのが目的。
 講演で鈴木さんは、おなかの中での赤ちゃんの様子や出産の仕組み、2億4千万の精子のうちの1つと卵子が出会う奇
跡などを模型やスクリーンを用いて説明。「生まれてきてくれてありがとう」という親が子どもに対してつづった手紙の朗読なども行い、「生まれてきた一人一人は貴重な存在。命の力を知り、自分の心と体を大切にしてほしい。そしてそれは、友人や家族も大切にできるということにつながる」とメッセージを送った。
 また、鈴木さんは2カ月から10カ月までの赤ちゃん4人を会場に案内。子どもたちは、うれしそうに赤ちゃんを抱いたり、おむつの交換をしたりして触れ合いを楽しんでいた=写真。
 講演を聞いた男子児童は「おなかの赤ちゃんが、生まれる前から生きるためのすべを知っていると初めて知った」と、驚いた様子。能條校長は「自分自身も経験してきた命の神秘について、子どもたちは真剣に耳を傾けていた。一人一人の命が、重くて掛け替えのないものだと分かってくれたと思う」と話していた。

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音楽を通じ、異国文化に触れよう  北小学校で「世界を知ろう集会」

子どもたちに自国や海外の音楽に触れ、外国人や異国文化に対する理解を深めてもらおうと6月26日、厚木市立北小学校(滝本かな子校長・児童数485人)で「世界を知ろう集会」が開かれた。
 ペルー、タイなど7か国37人の外国籍児童が在学する同校では、国際理解を深めようと10年以上前から毎年「国際理解週間」を設けている。集会はことしで4回目。6月25日〜29日の給食の時間に校内で世界の音楽を流したほか、道徳の授業として全校児童を対象に交流事業を実施し、和太鼓やペルーの民族楽器の演奏に児童や保護者ら500人が耳を傾けた。
 集会には、睦合北地区を拠点に活動を展開する「清流睦太鼓」(小宮光威会長・会員40人)と県内を中心に活動するペルー人音楽グループ
「マルカマシス」が出演した。
 初めに演奏した清流睦太鼓は、メンバーら7人の演奏で、力強い音を体育館いっぱいに響き渡らせた。ケーナやサンポーニャなど管楽器の演奏を披露したマルカマシスの3人のメンバーは、ペルーの民族音楽や「コンドルは飛んで行く」など5曲を紹介、インカ帝国時代から伝わるという華やかな衣装を身にまとい、曲に合わせて歌いながら踊った=写真。児童たちは手拍子で演奏を盛り上げ、物珍しい楽器から奏でられる美しい音色に、会場が優しく包み込まれていた。
 和太鼓の迫力ある演奏や初めて聴く音色を、熱心に聴き入っていた6年生の男子児童は「太鼓は自分の心の中でも叩くことができたようでうれしかった。ペルーの音楽はリズムに乗って楽しい気持ちになれた」と満足そうに話していた。

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地域の力で安全な繁華街を 本厚木駅周辺違法風俗店など排除へ決起大会

 女性や子どもたちが安心して楽しむことのできる「賑わいと安全活力のある繁華街」を実現しようと、7月11日午後3時から厚木市文化会館で「本厚木駅周辺違法風俗店等排除決起大会」が開かれた=写真。
 地域住民や商店主らで組織する「本厚木駅周辺環境浄化対策協議会」(山本正美会長)の主催で関係者約380人が参加、講演や違法風俗店排除の覚書が交わされた。
 大会では山本会長が「安心安全のまちづくりは行政や警察だけでなく、地域住民自らの手で環境浄化に取り組む必要がある」と強調、小林市長や矢澤県警生活安全部長、三島厚木署長らもあいさつに立ち、市民と連携した取り組みの継続を約束した。
 この後、「賑わいと安全活力のある繁華街」を実現するた

めの覚書が締結され、市や厚木署、防犯協会、ビル経営者協議会、県宅地建物取引業協会県央支部、全日本不動産協会神奈川県本部県央支部など8団体が参加した。
 覚書には情報交換や空きビル、空き店舗に適正用途のテナントを誘致すること、賃貸借契約書に違法風俗店や暴力団などの犯罪組織を排除するための無催告解約条項を設定することなどが盛り込まれた。
 また、「違法風俗店等排除宣言」も行われた。

繁華街を安心安全パトロール

 本厚木駅周辺環境浄化対策協議会(山本正美会長)による恒例の夜間パトロールが7月21日、同駅周辺で行われた=写真。
 同協議会は昨年4月、繁華街での違法な風俗営業や客引きなどの迷惑行為、犯罪行為に対して自らの手で環境の浄化に取り組もうと、駅周辺の自治会や商店会、事業所、ボランティアなどで発足した。毎月第3木曜日の夜間、厚木署や市と連携してパトロールを行っている。
 同日午後7時、本厚木駅に集合した参加者約50人は、3つのグループに分かれ、繁華街をくまなく巡回した。ことし4月に施行された県の「迷惑行為防止条例」で禁止している客引きやスカウト行為のほか、青少年の非行にも目を光らせながら、パトロールを行った。
 また、犯罪のない街にするためには、街をきれいにする必要があるという認識から、放置自転車や落書き、違反看板、ポイ捨てなどが多い場所などもチェックした。山本会長は「継続することが最も大切。みんなの力で犯罪の抑止につなげたい」と話していた。

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森林セラピー基地に認定  健康づくり村「東丹沢七沢温泉郷」

 7月4日、東京千代田区のホテルで「森林セラピー基地全国ネットワーク会議」(石田正人会長・長野県飯山市長)が開催され、森林セラピー・ステアリングコミッティー(大井玄委員長)から、厚木市の健康づくり村「東丹沢七沢温泉郷」に、森林セラピー基地の認定証が授与された=写真。
 今回の認定は平成18年4月の第1期認定に続く第2期の認定で、厚木市のほか北海道釧路湿原の鶴居村、宮崎県綾町など全国11か所がセラピー基地、3箇所がセラピーロードに認定された。これらの森林は、「生理・心理・物理実験」を通して癒し効果が高いと科学的に証明されたもので、厚木市では、昨年8月8日から11日までの4日間「心身の癒し効果の生理実験」が行われ、それぞれの生理実験に加えて、宿泊施設などの整備状況やアクセスなどの立地条件、将来構想など
 
も加味され総合的に評価された。市では今後の対応として、本年度計画している健康づくり大学や他の部署で計画しているハイキングなどにおいて、「森林セラピー基地認定記念」の冠を付けて、積極的なPRにつとめるほか、基地周辺や座観場所などにサイン看板やピクトグラム(図形や絵文字)などを設置する。

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新採用職員がごみの収集作業を体験 厚木市

 厚木市の新採用職員によるごみ収集業務の体験研修が6月28日、同市内で行われた。昨年11月と、ことし4月に市職員となった男女25人が収集車に乗り込んで作業に汗を流した=写真。
 この日、新採用職員らは、同市金田の環境センターに集合。担当課職員から、作業の注意点などの指導を受けた後、収集車1台に1人ずつ乗り込みんで各地区へ出発、市内に4千8百ある集積所のうち、収集車ごとにそれぞれ20〜30か所を巡回、ごみの入ったビニール袋を一つ一つ収集車に投げ込んだ。
 参加した職員は「思ったよりごみの量が多くて驚いた」「まだ使えるものも多く、資源ごみとの分別やリサイクルの重要性を改めて実感した」と、額の汗をぬぐいながら感想を話していた。
 
 

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