第698号(2007.1.15)

当初予算30億円程度の伸び  山口市長が年頭会見

 厚木市の山口市長は1月5日、年頭の記者会見を行い、今年1年間の抱負を述べた。
 同市長は、今年は、平成10年度からスタートした「あつぎハートプラン」前期基本計画の集大成の年であり、また、平成20年度からスタートする第2期基本計画「あつぎハートプラン基本計画パートU」や、新しい時代にふさわしい行政システムの構築及び市民生活の障壁となっている制度、手続きの見直しを図る「骨太の大改革」を断行するために、しっかりとした準備を整える重要な年でもある」と前置きし、「市民が主役」のまちづくりをさらに推進するべく、「職員と一丸となって創意と工夫を凝らし、市民サービスの向上に邁進してまいりたい」と述べた。予算編成については、「景気は回復していると言われているが、法人市民税の大幅な伸びが期待できない中で、市税全体としては、5・7%増の約487億円を見込んでいる」と述べ、 19年度当初予算の規模は、土地開発公社への貸付金を大幅に削減したことから、実質的には30億円程度、前年度を上回る予算規模になることを明らかにした。
 そして「新生あつぎ」のスタートに向けて、市民が、「近未来の厚木を熱く語れるような予算」を編成してまいりたい」と述べ、「部等別総枠配分方式」による予算編成に、「政策査定」を加え、新市民生活に必要な事業に予算を重点的に配分してまいりたい」と抱負を語った。
 具体的な事業費については、「きれいなまち厚木」を推進するための事業費、平成20年度からスタートする「あつぎハートプラン基本計画パートU」の策定事業費、市立病院建設に向けた基金の創設、斎場建設に向けた整備事業費、(仮称)輝き人生出発事業費、(仮称)睦合西公民館新築事業費、荻野公民館新築移転事業費、老人憩の家と児童館の複合施設の建設事業費、ごみ収集車車載カメラ導入事業費、中学校給食の開始に伴う昇降機の設置などを上げた。同市長は今年は「慈(いつくしむ)」の一文字に心を込め、市政運営に邁進したいと述べた。
 同市は1月28日に市長選が行われる。選挙がある年は骨格予算を組むのが通例だが、同市長は市民の福祉や生活を視点に、通常予算を組む考えを明らかにしている。

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情報公開や市街地の活性化など  小林前県議が「11の提言」を発表
 厚木市長選への出馬を表明している前県議の小林常良氏(57)は、1月9日記者会見を開き、市長選にのぞむ政策を発表した。
 「小林常良のまちづくり政策理念」と題した政策は、情報公開、治安対策、交通問題、庁内大改革、保健・医療・福祉、災害対策、環境保護、河川との共生、教育改革など11項目で構成されている。
 記者会見した小林氏は、「市長選への出馬を表明して以降、市民から市政に対する多くの不満や要望が数多く寄せられた。そうしたことから、12年間にわたる山口市政の課題と問題点が絞られてきたと思う。これからの厚木市をどうしていくのか。責任ある改革を旗印に11の提言にまとめた」と述べた。
 小林氏は、まず本厚木駅を中心とした市街地の活性化に取り組むことを上げ、テレコム破綻の例を引き合いに出し、「テレコムは行政と企業の信頼関係を損ねた。この信頼関係を再構築していかないと、今後、民間の活力をまちづくりに活かしてもらうことはできない。それには行政が先導的な役割、やる気を内外に示す必要がある。そのためのグランドデザインを描いていきたい。市民病院についても郊外移転の試案があるが、交通問題や弱者対策を考えると、市街地の中に確保していくことが大切で、それがまちの活性化にもつながる。総合福祉センターの機能についても役割を見直し、市街地の中の拠点として位置づけていきたい」と述べた。
 体感治安の悪化による治安対策としては、「改正された県迷惑行為防止条例の強力な推進と合わせて駅前商店街での風俗取締りなどと合わせ、スーパー防犯灯の設置などハード面の整備に力を入れる」。
 また行政の密室性を排除するため、市役所内の重要会議や政策決定のプロセス公開などを進め、あわせて職員に「やる気」を起こさせるための意識改革、「上に目を向けるのではなく市民に目を向けて仕事をしてもらうための人材育成に力を注ぐ」と述べた。職員出身で、組合の委員長をつとめたことのある経験を指摘されると、「職員をかばうことはしない。最終責任は自分が取るので思いっきり仕事をやってもらう態勢を考えている」と語った。
 交通問題については、圏央道(相模縦貫道路)の早期実現が大きなポイントになると説明、厚木市内の交通渋滞は国道がネックで、渋滞箇所の立体化の推進など市として何をすべきかを政策として理論的、科学的に打ち出すほか、都市計画道路の見直しなどを上げた。
 このほか、「河川を活かしたまちづくり」を進めるため、河川敷の整備と有効利用の具現化、河川環境の浄化対策の推進、河川環境マップの作成、相模三川公園計画の実現化、散策遊歩道の整備などを上げた。

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バレンタイン限定「チョコビール」“幻のビール”発売

 厚木市金田の元祖地ビール製造会社・サンクトガーレン有限会社(岩本伸久社長)で、1月18日よりバレンタイン特別醸造ビール「インペリアルチョコレートスタウト」=写真=を発売する。
 「チョコレートモルト」をふんだんに使用したビールで、チョコレートのようなほろ苦さとまろやかな甘みが楽しめる黒ビール。
 通常のビールに使われるモルト(麦芽)は、85度前後で焙煎するのに対し、チョコレートモルトは160度の高温で焙煎するのが特徴。丹念に焙煎されたモルトが醸し出すダークな色、カカオのような甘い香り、まろやかでこくのある味わいはまさにビタチョコレート。
 通常のビールに比べてモルトを2倍以上使用することで、リッチで味わい深く、少し高めのアルコール(8・9%)を持つパワフルな仕上がりで、大人のデザートビールとしても最適。昨年1月、バレンタイン限定ビールとして初めて6000本を発売したが、4日間で完売となった幻のビールだ。ジャパン・ビア・カップ2006でも金賞を受賞して話題となった。今年も1万本を限定発売の予定だったが、酒販店からの予約注文だけで完売、急遽6000本を追加販売することにした。330ml入りで630円(税込)。ホームページのほか、市内旭町の寿屋
酒店で販売する。
 同社は93年に製造開始、ゴールデンエール、アンバーエール、ブラウンポーター、ペールエールの4種類が定番商品。同社のホームページはhttp:www.SanktGallenBrewery.com。

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成人式をネットでライブ中継

 新成人の門出を祝う厚木市の成人式「はたちのつどい」が1月8日、同市文化会館で行われ、1741人の新成人で賑わった。
 今年、同市内で成人式を迎えたのは昭和61年4月2日から62年4月1日までに生まれた2634人(男性1458人・女性1176人)で、昨年より106人減少した。
 式典は地区ごとに午前の部と午後の部の2回に分けて行われ、冒頭で山口巌雄市長が「これはと思うことには、失敗を恐れずに挑戦してください」と祝福のことばを贈った。
 式典後の記念公演では、県立厚木高校ダンスドリル部のチアダンス演技とタレント・長井秀和さんのトークショーが行われ、会場は大いに盛り上がった。
 式典に参加した新成人は、「社会に出ると責任が重くなる。しっかりと計画し、実行し、自分の責任を果たしたい」「大人としての自覚を持って行動したい」と決意を新たにしていた。今回は会場の中継映像が、本厚木駅北口の「あつぎビジョン」と同市ホームページでも放映された。

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元旦マラソンに450人

1月1日、厚木市荻野運動公園で「あつぎ2007元旦マラソン」が開催され、厚木市内はじめ隣接の伊勢原市、平塚市、秦野市、愛川町などから、新春の初走を楽しもうと450人が参加、心地よい汗を流した。
 このマラソンは、地元の厚木荻野走友会の「あつぎ元旦マラソン実行委員会」(委員長・宮嶋固建)が主催したもので、今年が6回目。種目は、1.5キロ(小学生・保護者等同走可)、3キロ(中学生以上)、5キロ(高校生以上)の3種目。
 コースは、荻野運動公園陸上競技場をスタート・ゴールに、同公園の周回コースで行われ、参加者は快晴の中、家族や友人の声援を受けながら、元気に走れる喜びを胸に、思い思いの走りを楽しんだ。
 親子で1.5キロの部に出場した市内の小学1年生の女の子は、「休みの日は時々、お父さんと練習をしていた。疲れたけど一緒に最後まで走れて楽しかった。」と、息をはずませながら、完走証と参加賞を手に笑顔で話していた。
 第1回からこの大会を手掛けている宮嶋実行委員長(65歳)は、「この大会は、手づくりの大会で、順位賞もありません。今回は72歳の方も参加され、幅広い年齢層の方々の参加がとても嬉しいですね。年の初めに走れることの喜びを実感してもらえることがなによりです」と、多くの参加者の笑顔に目を細めていた。

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環状3号線と温水恩名連絡道路が開通

 厚木環状3号線(愛名区間)と温水恩名連絡道路(環状1号線〜水引小野線区間)が完成、12月27日開通式が行われた=写真。
 環状3号線(延長300メートル)は、毛利台団地北側から県道相模原大磯線を結ぶ環状系道路。市道水引小野線、県道上粕屋厚木線を経由し、都市計画道路酒井長谷線に連絡することで、主に県道相模原大磯線の交通を分散させるほか、建設が進む日産自動車の先行開発研究所など業務施設が集積する森の里地区へのアクセスを確保することも目的としている。
 温水恩名連絡道路は、厚木環状1号線、水引小野線、片岸浅間山線を結ぶ総延長1・1キロの連絡道路。3つの道路を連携させて交通を分散させるほか、生活道路への通過車輌の進入を防ぐとともに、ぼう
さいの丘公園への連絡道路と接続し、災害時の避難路、緊急輸送路としての役割も果たす。この日は環状1号線〜水引小野線の区間(延長825メートル)が開通した。
 環状3号線の開通式では、地元の自治会長らによるテープカットや地元小学生によるくす玉引きの後、約100人が真新しい道路を歩いた。その後、信号の切り替えなどが行われ、道路の供用が開始された。
 同市では交通渋滞の解消を重点施策に掲げており、環状系道路のネットワーク整備による交通の分散化やボトルネックとなっている交差点の改良に取り組んでいるが、今回の2路線の開通で、相模川右岸堤防道路国道246号ランプ(金田)、厚木環状2号線(愛甲区間)、大井交差点ミニバイパス(戸室・恩名)など、16年度から進めてきた5つの路線がすべて開通した。

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養蚕の歴史伝える伝統行事・だんご飾り

  1月9日、厚木市役所正面玄関に「だんご飾り」がお目見えした。このだんご飾りは、厚木北地区文化振興会(中丸武夫会長・9人)と同地区婦人会(青木美智代会長・19人)の会員が飾ったもので、今年で26回目=写真。
 会員は同日の朝から米の粉でつくった白やピンク、緑のだんごと縁起物の鯛、大判、小判などの飾りを、高さ2・5メートルほどのカワヤナギとヤマミズキの枝いっぱいに飾りつけた。 
 木には直径8センチの大玉と呼ばれる、豊作を願う白色のだんご1つと、3センチの小玉が150個飾り付けられた。
 昔の厚木地方は、養蚕が盛んで、小正月にマユに見立てた「マユ玉」という米を粉にひいただんごを飾って、養蚕の豊作を祈願した。
 今では飾り付けを行う家も少なく、伝統行事が消えてしまわないようにと、同会が市役所のほか、厚木北公民館、厚木北児童館、厚木小学校の4カ所に飾り、伝統行事を市民に伝えている。
 中丸会長は「まゆで栄えた厚木の歴史と地域に伝わる風習を後世に伝えたい。また、最近の暗い世相の中で満天に輝く星のように、たくさんのだんごを飾り、明るい社会になるようにとの思いを込めました」と話していた。だんご飾りは16日まで展示される

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自然とふれあいながら食事づくり 七沢自然ふれあいセンター

 12月25日から27日にかけ、厚木市内の小学生を対象に「第2回子ども自然体験教室」が、同市七沢の七沢自然ふれあいセンターで開かれた。
 四季を通じて七沢の野山とふれあいながら。普段経験できない体験を通して、自然の素晴らしさや不思議さを発見し、友達とふれあうことの楽しさを味わってもらうため、同センターが毎年夏、冬、春休みに実施している。
 今回は39名の小学生と中・高校生のボランティア16名が参加、それぞれの班に分かれて、3日間の食事のメニューを決めたり、食材の買い出しなどを行った。2日目はあいにくの天候でハイキングが中止になったが、ボランティア主催のスポーツ大会で汗を流し、最終日には自分たちでついた餅をきな粉やあんこをまぶして食べた=写真。
 
参加した子どもたちは「おうちの人の大変さがよく分かった」「どんな食事ができるか不安だっおいしくできた」と感想を話していた。今回も前回に続いて中高生ボランティアが事業を手伝ったが、2回目ということもあって成長した姿を見せていた。

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今年のキーワードは「慈」 仕事始め式

 1月4日、厚木市役所4階大会議室で平成19年仕事始め式が行われた。主幹職以上の管理職約250人が出席。厚木市議会から沼田幸一議長、石井恒雄副議長も参列した。
 山口巖雄市長は始めに、昨年の世相を反映した漢字「命」を引き合いに、ことしのキーワードとして「慈」(いつくしむ)を提唱。「職員は、仕事を通し、愛と情をもって市民に接してほしい」と呼び掛けた=写真。
 また、「ことしも多くの課題、難題が積み重なっていくことが予想される。特に少子高齢化への対策が大きなテーマとなる。今後増大が見込まれる医療・福祉費の財源確保に向け、企業などの誘致も踏まえ考えていかなければならない」と述べた。
 平成20年度からスタートする第2期基本計画「あつぎハートプラン基本計画パート2」の策定にも触れ、「職員自らが厚木市の50年後を見据え、計画に何を盛り込まなければならないかを考え取り組んでほしい」と激励した。

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