第681号(2006.04.15)

     「あつぎ・九条の会」が発足  4月9日発足記念講演          

記念講演を行う小森陽一東大教養学部教授

経過報告と今後の課題について説明する小池事務局長

 日本と世界の平和な未来のために、憲法九条を守ろう-04年6月10日、作家の大江健三郎さんら9人が発表した「九条の会」アピールに呼応して、全国で4,000を越える「地域九条の会」が発足しているが、4月9日厚木市文化会館で「あつぎ・九条の会」発足記念講演と音楽の夕べが開かれ、厚木でも憲法九条を守る動きがスタートした。
 同会は05年5月、市民有志による相談会を発足させ、「あつぎ・九条の会」の結成を目指して事務局をつくり、呼びかけ人、賛同者を募る運動を始めた。昨年8月から今年の3月までに計8回の準備会を開き、講演や経験談を聞く会などを通して準備を重ねてきた。3月31日現在、呼びかけ人は132人、弁護士や大学教授、市議、会社員、主婦などのほか、元市長の石井忠重さんらも名前を連ねている。
 「講演と音楽の夕べ」には300人の市民が参加、シンガーソングライターで視覚障害者の斉藤あきらさんが、満州からの引き揚げ、集団就職など自身の体験を披露しながら平和の尊さについて語り、ギターを演奏した。
 この後、事務局から会発足までの経過報告、申し合わせの説明が行われ、(1)運動の指針は「九条の会」のアピール、(2)思想・信条を問わず、アピールに賛同する人々を広く結集する。とりわけ若者や家庭女性に呼びかける、(3)日本国憲法を未来を切り開く憲法と理解し、その理念を広めていく、(4)厚木市民への地域分野での「九条の会」の結成と相互協力を呼びかける-など、憲法九条を守る国会請願に一人でも多くの市民の署名を集めることを確認した。
 このあと、「九条の会」事務局長で東京大学教養学部教授の小森陽一さんが「憲法を守る運動の到達点と今後の課題」と題して記念講演を行った。小森さんは、現行憲法と自民党の新憲法草案の違いを比較しながら、自民党案のねらいと本質、特に9条2項の改悪はアメリカの押しつけで、集団的自衛権の行使と9条1項の関係、国連憲章第51条に基づく「自衛」権と9条の関係などについて解説、憲法を守る運動がなぜ重要か、9条には21世紀の世界で果たす重要な役割があると訴えた。
 同会では運動の輪をさらに広げるため、5月13日「呼びかけ人会議を」を開き、今後の会の具体的な運営や活動方針などを話し合うことにしている。現在、厚木市には「あつぎ・九条の会」のほか、「九条依知の会」「厚木市民九条の会」が結成されており、5月には愛甲地区でも九条の会が発足する。「あつぎ・九条の会」への問い合わせは太田安紀さんへ。tel:221・0790番。   

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「愛の目運動」スタート

 厚木市では「地域ぐるみで子ども達を守ろう」\と、地域住民が市内の児童・生徒の登下校を見守る「愛の目運動」が新学期が始まる5日からスタートした。
 この運動は、児童が巻き込まれる悲惨な事件が全国で多発する中、児童が登下校する時間帯に、保護者や地域住民が通学路に立ち、声掛けをすることで、大人の目を増やし、児童・生徒の安全を確保しようと、市が住民に参加を呼びかけてスタートしたもの。
 入学式と始業式が行われた5日、依知南小学校区(井上正博校長)では、雨の中、市のセーフティーベストを着けた地元の防犯指導員や老人会「長寿会」の会員ら7人が通学路に立ち、「お帰りなさい」「気をつけて帰ってね」などと声を掛け、下校を見守った=写真。
 依知南地区防犯指導員の村岡平三さんは「参加する人がもっと増えてくるといいですね」と話していた。
 市では今後、地域の団体や一般家庭にも参加を呼びかけ、運動の輪を広げていきたいと話している。

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<都市計画道路> 長谷地区の環状2号線が開通

 厚木市内の交通の分散化を図るため整備が行われてきた「厚木環状2号線」の一部が完成、4月2日開通式が行われた=写真。
 開通したのは、長谷地区のぼうさいの丘公園付近から温水地区を通過する市道水引小野線までの区間で、幅員16メートル、延長715メートルの都市計画道路。
 同路線は市内南西部を走る県道上粕屋厚木線と、市中心部から七沢方面に向かう水引小野線を結び、交通の分散化を図ると同時に厚木市の防災拠点「ぼうさいの丘公園」への避難路、緊急物資の輸送路としての役割も担う道路で、平成9年度から工事が始まった。
 式典であいさつに立った山口市長は「地権者の皆さんや地元の方々のご理解とご努力で本日の開通式を迎えられたことに感謝します。厚木市は交通の拠点として発展してきたまちで、今後も渋滞の解消や子ども達が安全に通学できる交通網の整備を目指して整備に取り組んでまいりたい」と述べた。この後、テープカットと小学生によるくす玉開きが披露され、出席者全員で道路を歩き、開通を祝った。

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大山登山など子ども自然体験教室開催

 3月25日から27日にかけて厚木市七沢の七沢自然ふれあいセンターで、市内の小学生を対象に「第3回子ども自然体験教室」が行われた。 
 四季を通じて七沢の野山の自然にふれあいながら、普段経験できないような体験を通して自然のすばらしさや不思議さを発見したり、友達とふれあうことの楽しさを味わってもらうため、同センターが毎年夏、冬、春休みに実施しているもので、今年度3回目の実施。
 今回は30人の小学生と中高生のボランティア15人が参加、初日にゲームで仲間づくりを行い、参加者みんなで協力して施設案内板を作った。2日目は大山登山=写真、3日目に肉まん作りに挑戦した。参加者の多くは、大山登山は初めての経験だったようで「大変だったけど頂上からの景色はきれいだった」と、汗をぬぐいながら感想を話していた。

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小学校の安全な登下校を願って 南毛利中学生が通学路の地下道に壁画

 厚木市立南毛利中学校(小林寛校長・生徒数664人)の生徒会が、同地区内の南毛市小学校(粟野進校長・児童数1047人)に通う児童が安全で快適に通学できるようにと、通学路となっている地下道に壁画を描き、このほど完成させた=写真。
 場所は同市長谷地内の「南毛利小前横断地下道」。児童が通学中も楽しめるように明るい壁画を描こうと、地元自治会や公民館、小学校、中学校が力を合わせ、春休みを利用して3月27日から始め、29日に完成させた。費用も最小限におさえるため、地元の塗装業者から必要なペンキの分量や材料のアドバイスを受けるなど、地域ぐるみで取り組んだ。
 壁画は地下道の側壁全体に緑の山々や青空、白い雲を描き、暗い地下道を明るい色彩で埋め尽くした。
 担当した同中学の美術部員は「地下道内は暗く、落書きが多くて小さい子が怖がって通らない様子を何度も見た。僕たちの力で小学生たちが安心して使える地下道にしていきたい」と話していた。

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市営南毛利スポーツセンターオープン

 4月1日午後、厚木市営南毛利スポーツセンターの開場式が行われ、地元県議や市議、スポーツ・レクリエーション関係者、地域役員、中学生などおよそ100人が参加してオープンを祝った。  
 式典で山口巌雄市長は「このたび、市の施設として生まれ変わったことを契機に、よりいっそう市民の皆さんへのきめ細かいサービスが行えるよう務めてまいる」とあいさつした。
 式典後、アトラクションとして厚木高校ダンスドリル部OGで結成するダンスチーム「クラッカー・ジャック」による躍動感あふれるダンスが披露された=写真。また、厚木市バスケットボール協会が選抜し構成する女子バスケットボールチームによる特別試合が行われ、参加者は飛び出す数々の技やパフォーマンスに見入っていた。
 同施設は県立県央地区体育センターとして、75年に地域スポーツの普及振興を目的に、市所有の土地に県が建設したもので、以来約30年間、県央地区のスポーツの拠点として広く利用されてきた。04年11月、県が厚木市へ無償譲渡することで合意、体育館の耐震工事を含む改修工事が終了したため、市営南毛利テニスコートと一体化して、今回のリニューアルオープンとなった。

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2年目シーズン好スタート 湘南ベルマーレ女子ソフト

 昨年2月、厚木市を拠点として発足した湘南ベルマーレ女子ソフトボールチーム(組島千登美監督)が4月9日、伊勢原市運動公園で行われた全日本クラブ選手権神奈川県予選に出場、トーナメント1回戦で、横浜市のストロンズクラブに8対1、2回戦でも横浜市のバッカスに3対1と勝ち上がり、順調な滑り出しを見せた=写真。
 昨年は監督を含め10人で戦ってきたが、2シーズン目を迎えた今年は、トライアウト(入団テスト)や他チームからの移籍で新たに5人の選手が加わった。このため、新体制で臨んだ今シーズン初の公式戦はベテランと若手がかみ合うバランスの良いチームに仕上がった。
 同チームは昨年、初年度ながら全日本クラブ女子ソフトボール選手権と第57回全日本総合女子ソフトボール選手権の2大大会での全国大会出場を果たし、今年から日本リーグ2部へ昇格した。地域密着型のクラブチームとしては初めての日本リーグ参戦となる。日本リーグの第1節は4月28日から3日間、厚木市及川球場で行われる。
 新加入選手は次の通り。新人=志村明寿香(神奈川大学)菊池紗樹(木更津総合高校)。移籍選手=斉藤里絵(ソニー埼玉)小野沙織(三島関病院)山崎萌(日立ソフトウェア)。

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平成18年度消防団員研修  

 4月9日、厚木市三田の消防訓練所で、平成18年度新入消防団員の研修が行われ、市内各地区から選出された20代から50代までの96人の新入団員と女性消防団員など117人が参加した。
  4月から新たに着任した森屋昭一厚木市消防団長は研修に先立ち「消防団員は地域の防火・防災を担う大事な役目がある。今日は市民のかけがえのない生命・財産を守るための基礎となる研修。災害時に一致団結して活動できる技術を習得してほしい」と訓辞した。
 研修は市の消防職員や8個分団の正副分団長が指導に当たり、全体での集合、整頓、基本姿勢などの礼式訓練や火災現場で使用するホースのつなぎ方、延長方法、筒先の結合、注水姿勢など、器具の取扱い方法や基本動作などを習得した=写真。参加した新入団員は「研修は厳しかったが、一日も早く先輩たちに追いつき、地域のために精一杯頑張ります」と意気込みを話していた。 
 同市消防団は8個分団52個部で、団員は570人。消防ポンプ自動車7台、小型動力ポンプ付積載車45台を保有している。

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せきどめ地蔵菩薩再建30周年  4月2日 岡田第三自治会が記念祭

 厚木市岡田の東名厚木インターロータリーそばに昭和51年に建立された「せきどめ地蔵菩薩」が再建30周年を迎え、4月2日午前10時より、地蔵菩薩を管理する岡田第三自治会(高橋京一会長)の主催で、参拝の記念行事が行われた。
 せきどめ地蔵は、かつては岡田の三嶋神社の南に広がる耕地を通る用水の合流点にかかる堰橋(通称せきどめ橋)を過ぎた別れ道にあった。いつ頃から始まったかは不明だが、昭和45年2月に行った市の石像物調査によると、岡田の字高田に高さ54センチの石祠に「昭和八辰三月発起仲宿」という記述があり、東名高速道路建設のため、当時の場所より東側の現在地に移された。その後、車がぶつかったりして破損したため、昭和51年、当時の自治会の手によってコンクリート製に再建された。
 現会長の高橋京一さんは「かつての医者の少ない時代、病気で咳が治らないと、ワラのつつっぽに黒団子(泥団子)を供え、早く治りますようにとお参りした。咳が治ると白団子(米粉団子)をお礼に供えたもので、この地蔵信仰は昭和30年代まで続いていた」と話している。現在も、時々地元の人たちのお参りする姿が見られる。
 自治会では10年ごとに記念行事を行っており、今年は30周年に当たる。式典には高橋会長をはじめ役員ら25人が出席、長徳寺住職の読経が流れるなか、一人ひとりが手を合わせ、地蔵菩薩にお参りした=写真。

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