第680号(2006.04.01)

     童や心象風景など展示  心画の林ひさえさんが個展          

 描き上がった作品を前に林ひさえさん
 厚木市飯山に住む洋画家・林ひさえさん(58)の心画展「かけがえのない宝もの」が、4月13日から19日まで、本厚木駅南口のギャラリー慶で開かれる。
 林さんは武蔵野美大を卒業後、絵画教室、出版の挿画、チャリティー企画展などを経験、15年ほど前、油絵から彩墨画に転身した。和紙にアクリル絵の具を用いて表現する技法で、「童」や「心象風景」を描きながら「心画」といわれる独特な画風を築き上げた。特に人間の喜怒哀楽を天使の童(わらべ)に昇華させ、現代人が抱えている不安や悩みを癒し、やすらぎを与えてくれる「童心」の世界は、多くの人を魅了し根強いファンがいる。
 最近は「童心」を描く遊墨画通信講座の添削指導も始めた。童心の表情は喜怒哀楽がポイントだ。林さんは「人間には感情の自動調節作用があり、自分の子ども心を描くことによって、自分自身をケアしたり、癒すことにつながる」と話している。
 今回の個展は「かけがえのない宝物」がテーマ。子どもたちが理不尽に殺されて段ボール箱に入れられるなど、悲しい事件が相次いでいる昨今、子どもたちの痛みや叫びを「祈り」に表現したという。
 和と気を融合させた「ことほぎの舞」、桜の花を背景に笛を吹く「やわらぎ」、「母子像」「花清め」のほか、1仏3光をあらわした「祈り」のほか、心象風景では天と地が一つに見える「心景の桜」「彩光」「黎明」、人間の足もとを照らしてくれる「月明かり」など8号から12号までの作品30点あまりが出品される。このほか、童の額絵やミニ色紙、しおり、ハガキ、カード、匂い袋、日めくりカレンダーなどの小物も展示される。
 林さんは「子どもたちの魂の叫びを感じ取っていただければ」と話している。時間は11時から19時まで。最終日は17時まで。tel:227・1858番。

南毛利スポーツセンターリニューアルオープン 県が市へ体育館・運動場など譲渡

 厚木市温水西にある県央地区体育センターが、3月25日厚木市に移譲されたのにともない、4月1日「厚木市南毛利スポーツセンター」として名称を改め、リニューアルオープンした。
 同センターは敷地面積4万4千120平方メートル。体育館とグランド、テニスコート12面などを整備した総合体育施設で、75年、厚木市の土地に県が施設を整備する形でオープンした。施設は体育館がバレーボール2面、バスケットボール1面、バドミントン8面が利用できる。運動場は軟式野球1面、ソフトボール2面、サッカー1面が利用できるほか、テニスコートは12面で、140台収容の駐車場が完備している。
 その後、98年に県がテニスコートを市へ移譲、04年11月、 体育館と運動場、駐車場などを含む施設を同市へ無償譲渡することで合意した。県は05年度に約1億2千万円をかけて耐震工事やバリアフリー化などの改修工事を行い、3月25日厚木市へ引き渡しの調印式が行われた。
 使用料はこれまでより値下げをした。体育館が全面1時間1200円、2分の1面1時間600円。照明施設全面が1時間600円、2分の1面1時間300円、共用使用(9時〜13時、13時〜17時、17時〜21時)は体育館の区分ごとに大人200円、小人100円。運動場は無料。テニスコートは1面1時間400円、照明施設1面1時間400円となっている。年末年始以外は年中無休で、利用時間は9時から21時。問い合わせは1247・7211番。 

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福祉のまち点検5周年記念フォーラム

 障害者や高齢者など誰もが住みよい街の在り方を考えていこうと、3月21日、厚木市総合福祉センターで「福祉のまち点検5周年記念フォーラム」が開かれた。
 特定非営利活動法人「あつぎ障害者自立生活センター(日下部孝子代表)が主催して、市視覚障害者協会、身体障害者福祉協会などからなる「バリアフリー・あつぎ・まち点検実行委員会」が共催した。
 フォーラムは、「誰もが住みよいまちづくり」を目指して、障害者や行政、学生などが参加して行っている「バリアフリー・あつぎ・まち点検」が、昨年10月に5周年を迎えたことから企画したもので、会場には約160人が集まった。
 第1部では、活動報告とまち点検の参加者からの提案が発表され、これまで延べ約470人が徒歩で調査してきた本厚木駅周辺のバリアフリー度や改善状況などを説明、視覚障害者の小田長明乃さんが「参加するうちに、いいことをしているんだなと実感できるようになった。もっと街のたちに広げたかった」と感想を述べ、「行政が何かをする時には、私たちにも参加の場を与えてほしい」と提案した。
 第2部では、視覚障害者協会副会長の平田典(つかさ)さん、あすなろの会障害者自立活動センター代表の町田安男さん、市道路部長の宮台功さんがパネラーをつとめるパネルディスカッションが行われた。
 平田さんは「バリアフリーは皆が共に考えて初めて実現する。一生懸命作ってもらった道路などを一生懸命利用して、一生懸命意見を伝えていきたい」とコメント、町田さんは「街の整備に私たちの声が反映されていくことを望んでいる」と訴えた。宮台道路部長は「バリアフリー化のスーパーモデル地区に指定されたのは、皆さんの意見のお陰。整備あたっては、後で後悔しないよう皆さんの声を聞きながら進めていきたい」と話していた。

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創作集『落ち穂』を出版   妻田の小島すみさん

厚木市妻田西に住む小島すみさん(86)が、このほど、長年ほど書きためてきた随筆や小説、詩などを単行本にまとめ、『落ち穂』と題して自費出版した。
 この22年間に「新作家」「農民文学」「民主文学」「文芸あつぎ」などの同人誌に発表してきた作品をまとめたもので、宮ヶ瀬ダムの建設工事中に落石事故で出稼ぎの夫を失った妻の悲しみをつづった「こだま」をはじめ、一族もので曾祖父・徳太郎が幕末に起きた荻野山中藩焼き討ち事件にかかわっていたのではないかという謎解きに挑戦した「沈め木」、従兄への思いを綴った「竹」のほか、折々にふれ花や世の移り変わり、時代などを詠んだ詩など16編が収録されている。
 小島さんは昭和30年代に、農民文学の大家で厚木市名誉市民の作家・和田傳さんに認められて作家の道を志し、農業新聞や農業雑誌に小説を発表してきた。その後「農民文学」や「新作家」「いしずえ」「文芸多摩」などの同人誌に加わって自分の道を模索、昭和46年に初めての小説集『ひこばえ』、52年には『湖の音』、そして61年には宮ヶ瀬ダムの水問題を取り上げた社会派小説『病める水系』を自費出版した。
 平成4年には随筆集『歳月のしおり』、その後もポケット詩集『押し車』『八十路まで』などを刊行している。創作集の刊行は『歳月のしおり』以来で、小島さんは「落ち穂のような作品を、残り少なくなった人生のしめくくりとして集めた」と話している。表紙絵は同市林に住む杉山勇さんが描いてくれた。
『落ち穂」はB6判102ページ。1部1,000円(送料別)。申し込みは厚木市妻田西1丁目7-11小島すみさんへ。 tel:222・4333番。

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新入学児童を事故から守ろう  県トラック協会が横断旗やワッペンを寄贈

 3月15日、神奈川県トラック協会相模支部の伊澤進支部長ら3人の役員が厚木市役所を訪れ、山口市長に新入学児童の事故防止に役立ててほしいと、交通安全横断旗=写真=2千本、横断指示旗80本を寄付した。交通事故防止に役立てるため平成2年4月から毎年寄付しているもので、市では交通安全母の会、PTAなどに配布して事故防止に役立てる。
 また、3月16日には、みずほ銀行、明治安田生命保険など4社の支店長が厚木市役所を訪れ、新入学児童の交通事故防止に役立ててほしいと黄色いワッペン2350枚を贈った。
 ワッペンの贈呈は昭和40年交通事故で子どもを失った母親が、総理大臣に交通事故撲滅を訴えた新聞記事をきっかけに始まり、今年で42回目。現在、みずほ銀行、明治安田生命保険、第一生命保険、損害保険ジャパンの4社が全国の新入学児童を対象に贈呈している。
ワッペンは土の中で自然分解される環境に優しいトウモロコシの素材を使用、1年間の交通事故傷害保険がつけられている。4月5日の入学式で新入学児童に配布される。

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市長にフラワーアレンジメントをプレゼント

 3月17日、厚木市園芸協会花き温室部会の加藤悟部会長と、清田徳治、佐々木和男両副部会長が、山口市長を訪れ、生産した花を使ったフラワーアレンジメントをプレゼントした=写真。
 同部会が花き消費拡大を進める取り組みの一環として実施しているフラワーアレンジメント教室の開催に合わせ、日ごろの農業施策に対するお礼を兼ねてPRに訪れたもの。
 加藤部会長は「今年も良い花ができたのでもってきました。いつも花きの消費拡大にご理解をいただきありがとうございます」とあいさつ、市長は「手塩にかけた花をありがとうございます。春がいっぺんに来たようです。これからもきれいな花を咲かせてください」とお礼を述べた。
 現在、花き温室部会の部員は20人。フラワーアレンジメント教室は、あつぎパートナーセンターなど公共施設を会場に、市民に市内産の花を広く紹介し、花き栽培への理解を深めてもらうとともに、地元での消費拡大を図ろうと、部員が講師となって市民を対象に年2回開催している。今年は2月24日、3月17日に行われ、参加した市民が切り花や鉢物のアレンジメントを体験した。 

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軍浦市のゲートボール交流訪問団が来厚

 3月16日、厚木市と友好都市を結んでいる韓国京畿道軍浦市からゲートボール交流訪問団18人が市役所を訪れ、山口市長を表敬校門した=写真。
 今回訪れたのは「大韓老人会軍浦市支会」で、友好都市締結前の平成16年から厚木市老人クラブ連合会宛てに、「ゲートボールを通じて友好親善を図りたい」と申し入れをしていたもので、今回、交流が実現した。
 訪問団の団長である李聖煕さんは「厚木市のITやハイウェーについての取り組みを紹介されたが非常に興味深い。今後、さまざまな分野での交流が両市発展の契機となることを期待している。今年の10月に軍浦で行われるゲートボール大会にも厚木市の皆さんに来てほしい」とあいさつした。
 訪問団はこの日、ぼうさいの丘公園、文化会館など市内の公共施設を見学し、3月17日には厚木市のゲートボールチームと交流試合を行い、19日帰国した。 

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3人の隊員が市長を表敬訪問  青年海外協力隊  

 青年海外協力隊やシニア海外ボランティアとしてアフリカや中近東に派遣される3人の隊員が3月23日、山口市長を表敬訪問、出発の報告を行った=写真。 山口市長は「世界の発展のためパワーを提供してくれることに感謝します。皆さんがいい思い出を作って元気な帰国報告をしてくれることを待っています」とエールを送った。
 表敬訪問したのは青年海外協力隊の上杉悟郎さん(28・愛甲)、山本作真さん(22・愛甲)、シニア海外ボランティアの大野英彦さん(63・下荻野)の3人。上杉さんはタンザニア、山本さんマラウイに向け27日出発、大野さんはトルコに派遣されるが、現地の法改正の影響でこれまで不要だった就労証明の発行が生じる可能性があるため、出発日は未定。
 タンザニアに派遣される上杉さんは6年のキャリアを持つ自動車整備士。現地には自動車整備の指導者が不足していることから、職業訓練所の自動車整備コースの指導者として派遣される。「高校生の時から協力隊員になると決めていた」という山本さんは、東京農大農学部を3月に卒業したばかり。マラウイでは軽犯罪を犯した青少年の更生施設で野菜栽培技術を教え、青少年の社会復帰後の自立を支援する。大野さんは以前にも青年海外協力隊としてフィリピンで農業指導をした経験を持つ。今回のシニア海外ボランティアでは新たにトルコ語を習得しなければならず、「この年になって勉強するのはつらい。頭になかなか入ってこない」と語学習得に奮闘中。トルコでは県総合リハビリテーションで働いてきた経験を生かし、トルコでは知的障害児童のための訓練・保護財団での職業訓練を行う。
 青年海外協力隊は現在、厚木市から49人(シニア7人含む)の隊員が派遣されており、今回の3人を加えると52人になる。

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通学路で児童の安全を守る セーフティーミラー設置

 厚木市は各地で発生している子どもたちが被害者となる痛ましい事件や、市内で不審者や児童・生徒が身の危険を感じる事案が多発していることを受け、このほど通学路21カ所にセーフティミラーを設置した。
 セーフティミラーとは、道路上に設置されるカーブミラーとほぼ同じ形状をしているミラーで、独立する柱の形状をしているものについては、柱が青色をしているのが特徴。通学路などで歩行者が死角となる場所や不審者などが目撃された場所などに設置し、犯罪の未然防止や防犯意識の高揚を図り、犯罪の発生しにくい環境をつくるのがねらい。
 昨年12月に市で行った通学路安全点検の調査結果などを参考に3月28日までに、下川入305地先など21カ所に設置した。愛甲地区のトンネル付近の設置場所では、学校帰りの小学生たちが物珍しそうにながめ、楽しそうに走っていく姿が見られた=写真。
 市生活安全課によると、児童の安全を考慮した防犯用ミラーの設置は、全国的にも珍しい取り組みで、今後も市内の通学路に順次取り付けていくという。

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運動不足解消! 昼休みにダンス体操

  3月16日、厚木市立南毛利小学校(粟野進校長・児童数1049人)で、健康・体力づくりの一環として、小学校に隣接する南毛利学習支援センターの集会室で、ダンス体操を行った。
 これは塾や習い事へ通う機会が増え、子ども同士の遊びやふれあいの時間が減少していることを踏まえた試みで、3月から週に1度の割合で昼休み時間を活用して実施してきた。ダンス体操は音楽に合わせて踊る体操で、講師の森本ジャズ体操教室のスタッフ・飯山智子さんが、約20分にわたって自由に集まった1年生から5年生までの子どもたち60人にダンス体操を教えた=写真。
 飯山さんは「体を動かすことの楽しさを一人でも多くの子どもたち知ってもらいたい」と話していた。井上逸子副校長は「今の子どもたちのケガの中には運動不足に起因するものもある。運動不足も解消できて、ケガも少なくなればいい。みんな楽しくやってくれているので嬉しい」と話していた。

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商店街で落書き防止キャンペーン

 3月14日、厚木市の自治会や商店会、企業、市などで構成する「厚木市落書き防止対策連絡会議」(大久保浩会長)が、美しい市街地の環境と落書きのない快適なまちづくりに取り組もう\と落書き防止キャンペーンが本厚木駅周辺で行われた=写真。
 この日は午後2時、約60人が厚木中央公園に集合、キャンペーンの冒頭、大久保会長は「地域ぐるみで落書きのないまちを目指しましょう」とあいさつ、参加者はのぼり旗を持って、中町大通りや一番街、厚木大通りなどの繁華街で、買い物客や通行人に啓発チラシやポケットテッシュを配りながら落書き防止を呼びかけた。
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中高年よ大志を抱け  高嶋秀武さんが講演

 3月19日、厚木市文化会館で、厚木南、睦合北、南毛利の3公民館合同の学級講座が開かれ、ラジオで人気のフリーアナウンサー・高嶋秀武さん(63)が「中高年よ、大志を抱け!いかに生き、楽しい人生を送るか」と題して講演した。
 2007年、団塊の世代が大量の定年を迎えることから、これからは自分の住むまち(地域)に生活軸が移ることを踏まえて企画したもので、公募の市民160が参加した。
 高嶋さんは19年というニッポン放送の長寿番組「高嶋ひでたけのおはよう!中年探偵団」で朝の情報番組を定着させたラジオの人気パーソナリティ。講演の中で「地域にいる奥さんは順応性があるが、夫は会社、会社で奥さんほど地域への順応力がない。そういう意味からも、まずは今から奥さんとの会話を増やし、地域の情報などもしっかり収集しておくことが、地域で孤立しない方法」と夫婦関係の重要性を説いた=写真。
 会社員の男性は(50)は「冗談あり、笑いありで、とても満足できた90分でした。高嶋さんの話だから笑って聞けたが、会社でも地域でも生活は何事も人間関係が基本。家の中でも同じで、コミュニケーションの大切さを改めて感じた」と話していた。

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ふれあい体験コーナーオープン

 4月1日、厚木市七沢の七沢自然ふれあいセンターに「ふれあい体験コーナー」がオープンした。
 昨年4月、名称変更して1周年が経過したことを記念して開設したもので、自然の落ち葉や小枝などを使って作るトンボやカブトムシなどの工作や押し花、折り紙などが、いつでも予約なしで簡単に作れる。同センターでは「ハイキング後の休憩場所としても利用することができるので、ぜひ一度足を運んでください。新しい発見があるはずです」と話している。

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