第605号(2003.01.15)

一般会計3年ぶりに減額

山口巌雄市長
           山口市長が年頭会見
    
市立病院の開設や小児医療費助成の拡大など重点に!
 厚木市の山口市長は1月10日、年頭の記者会見を行い、現在平成15年度の予算編成の真っ最中で、「平成14年度の一般会計当初予算739億円を確保することは大変厳しい」と述べ、3年ぶりにマイナスとなる見通しを明らかにした。
 同市長は「平成15年度はハートプランの後期実施計画をスタートさせる年であり、市民生活の向上と地域経済の活性化に向けてできる限りの努力をしたい」と語った。
 市によると、歳入の根幹をなす市税収入は地価下落の影響により固定資産税が前年度比3%程度減となるなど約4億1千万円の減収が見込まれるため、人事院勧告にもとづく人件費抑制などをしても一般会計の当初予算額は729億円程度になるという。
 同市は2月に市長選挙があるが、骨格型ではなく通年型の予算編成を行う考えで、市長は、ハートプランの将来都市像「私もつくる心輝く躍動のまちあつぎ〜住んでよかったまち、住んでみたいまち」を目指し、環境、教育、医療、福祉、治安の5つを市政の重要課題として位置づけ、経済の閉塞性を打破し、活力ある産業を育成することや中心市街地の活性化を図るなど、「躍動から躍進へ」をキーワードにしたまちづくりを展開したいと述べた。
 具体的には、市民の命と健康を守る拠点として、市立病院の開設とその後の運営を確かなものにするとともに、小児医療費の助成について、現在3歳までとしている医療費の自己負担額に対する助成措置を就学前まで拡大する考えを示した。
 また、犯罪行為が暗がりや人の目の届かない場所で起きやすいことから、防犯灯の照度アップや公園の樹木を剪定して、見えない箇所の解消を図るなどハード面の事業とともに、防犯キャンペーンの大々的な展開などソフト面の事業も充実させていくという。
 昨年、教育元年と位置づけた教育改革については、「たしかなまなび推進事業」として、小学校での特色ある学校づくりのため、全小学校を対象に、補助教員を派遣するほか、交通渋滞解消のため環状ルートの道路整備などに取り組む考えを示した。さらに10月には厚木で「全国朝市サミット」が開かれることから、あつぎの朝市を広く内外へアピールする機会でもあるのでぜひとも成功させたいと述べた。
 このほか、2月議会には「厚木市まちづくり条例案」を上程する考えを示した。

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                    不在者投票所を増設
 厚木市選挙管理委員会は、2月16日投開票で行われる市長選挙から、新たに「不在者投票管理システム」を導入し、不在者投票所を市役所本庁舎のほか、荻野運動公園、依知北公民館、南毛利公民館の4箇所に増設することにした。
 新システムは、選管本部に置くサーバーに選挙人名簿抄本を登録し、本庁舎と増設する3箇所の不在者投票所とをネットワークで連携するもので、従来は不在者投票所を複数増設すると、二重投票する恐れがあったが、選挙人に郵送する投票所入場整理券に個人を識別するバーコードを印刷して、二重投票を防ぐことが可能になった。
 また、不在者投票を行う選挙人の名簿照合、投票用紙の交付が即時に行えるため、待ち時間が短縮できるメリットがある。選管ではシステム導入のため1.393万円を計上した。 

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奈良 握市議
        奈良市議が出馬表明―厚木市長選  
 あつぎ市民派議員会議の奈良握厚木市議(41)は、1月8日本紙記者と会見し、2月9日告示、16日投開票で行われる厚木市長選に、無所属で出馬することを表明した。
 奈良市議は出馬の動機として、「山口市政はごみ処理広域化や相模川右岸堤防道路の推進など市民世論を無視した施策を次々と遂行してきている。また、バブル後の行政が残したツケや課題には何一つ答えていない」と現市政を批判、「今地方自治に必要なのは市民の意見や市民の力を活かした元気な市政だ」として、市民市政への転換を強調した。 
 同市議は「私が政策として掲げたものはいずれも市民世論が背景にあったもの。目下のところそれがまったく市長選挙のテーマになっていない。市民の間では第3の候補を望む声もあり、出馬することに決めた」と語り、「市長を変えよう―無責任市政から市民市政へ」をスローガンに、6項目の政策を発表した。
 また、市立病院についても、市民の目と耳でチェックできる第三者機関の設置を提案、市長が兼ねている財団法人の理事長など69ものポストを返上することを公約に掲げ、政治を変えようという本当の意味での市民型選挙を目指したいと抱負を語った。
 同市議の政策は次の通り。(1)住基ネット接続の再検討、(2)ごみ処理広域化に替わるシステムづくり、(3)相模川右岸堤防道路計画は白紙に、(4)うたごえのきこえるまちづくりの復活、(5)自治会の行政下請け化からの転換、(6)地域循環コミュニティバスの導入。
 同市議は県立厚木高校卒業、横浜国立大学中退後、昭和62年(1987)厚木市議に初当選、教育民生・総務企画常任委員長などを歴任。平成7年(1995)厚木市長選挙に立候補したが落選。その後、市議に返り咲き現在4期目。
 同市長選にはすでに県議の又木京子氏、現職市長の山口巌雄氏が出馬を表明している。

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内海光雄市議
          内海市議は県議選に出馬表明
 一方、奈良市議の市長選出馬の会見に同席した同会派の内海光雄市議(46)も、4月に行われる県議会議員選挙に無所属で立候補することを表明した。
 同市議は「3年半市議として福祉と教育の問題をやってきたが、何か問題があると市の担当者は必ずといっていいほど県に責任転嫁する。高齢者や障害舎の地域生活を改善していこうとしたとき、市だけでは限界もあり、県会という新しい場所で政治の改革に取り組みたい」と出馬の動機を語った。
 同市議は「地域福祉を良くするには、サービスを受ける当事者の意見が大切だ。高齢者や障害のある人が地域で安心して暮らしていける地域福祉の充実とノンステップバスやコミュニティバスの導入などバリアフリーの拡充、空洞化し形式化している県議会を変えていきたい」と抱負を語った。奈良氏と同様市民型選挙を目指すという。
 同市議は横浜市の出身。県立三ツ境養護学校高等部卒業。平成11年(1999)厚木市議選に県下で初めて電動車椅子で挑戦し、初当選した。
 県議選厚木選挙区には、すでに堀江則之氏(自民現)、小林常良氏(自民新)、山本裕子氏(ネット新)、佐藤知一氏(民主新)、半田竹美氏(共産新)の5人が出馬を表明している。 

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     はしご乗りなど披露―消防出初め式
1月7日10時から厚木市水引の文化会館大ホールと駐車場で、消防職員や消防団員、市内事業所の自衛消防隊など約565人が参加し、新春恒例の「消防出初め式」が開かれた=写真。
 消防出初め式は消防団員の士気を高め、職務遂行への決意を新たにするとともに、市の消防力を広く市民に公開し、消防への信頼と防火思想を広めることを目的に毎年開催している。
当日大ホールでは、市長式辞や来賓の祝辞、消防活動に功績のあった消防団員などの表彰が行われた。
 屋外駐車場では厚木市古式消防保存会(中村直二会長・31人)が毎年恒例のはしご乗りとまといふりこみを披露、また、消防車両による勇壮な車両分裂行進や消防職員、消防団員による本番さながらの消防演技が行われた。
 会場ではカメラを手にした子ども連れの家族や消防関係者など多くの市民で賑わい、見事なはしご乗りや迅速な演技に拍手や歓声を送っていた。  

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市役所ロビーに飾られたまゆ玉飾り
        市役所ロビーにまゆ玉飾り
 1月7日、厚木市役所ロビーに「まゆ玉飾り」が登場した=写真。このまゆ玉飾りは、厚木北地区歴史民俗談話会と厚木北地区婦人会のメンバーが飾ったもので、市役所への飾りつけは昭和57年から行われており、今年で22回目になる。
 会員たちは7日の朝から米の粉で使った白やピンク、緑のだんごと縁起物の鯛、大判、小判などの飾りを市役所に運んで、高さ約3メートルのカシ・コナラやミズキの枝に飾り付けを行った。
 昔の厚木地方では養蚕が盛んだったころの地元農家が、小正月にまゆに見立てた「マユ玉」という米を粉にひいただんごを飾り、養蚕の豊作を祈願した。
 今では飾りつけを行う家も少なくなってきたが、ふるさとのこの行事の伝統が消えてしまわないようにと、市役所のほか、地元の厚木北公民館、厚木北児童館、厚木小学校に飾って、地域に根ざした伝統行事を伝えたいと市民へのPRを行っている。
 
 厚木北地区歴史民俗談話会の中丸武夫会長は、「古い時代からまゆで栄えた厚木の歴史と、地域に伝わる風習を今の子どもたちに伝えたいという気持で作りました。地域の伝統をこれからの時代につなげていくことは私たちのつとめであると思っています。また、今年も多くの力で全世界の平和と幸福を願い、数多くの大玉、小玉のだんごの飾りつけをしました」と話していた。まゆ玉飾りは16日まで飾られる。
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  青木さん夫妻がせんみ凧を市長にプレゼント
 厚木市七沢の青木文雄さん・静子さん夫妻が1月6日、市役所を訪れ、山口市長に手作りの「せんみ凧」を贈った。
 せんみ凧は明治時代、伊勢原でせみの形に似せて考案された凧。現在ではほとんど見かけなくなったが、明治時代末期には年間約2万個がつくられ、県下各地や東京方面に出荷されたという。
 贈られた凧はていねいにせみの形に竹ひごが組まれ、貼られた和紙には赤や黄色など鮮やかなインクでせみの姿が描かれていた。
 静子さんは、市内ではせんみ凧作りの唯一の継承者で、「せんみ凧」を後世に伝えていきたいと、地元の玉川公民館などでせんみ凧の作り方を教えている。贈られた凧を手に山口市長は、「市民ホールにかざりたい」と喜んでいた。

山口市長にせんみ凧を贈る青木さん夫妻

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   厚木署が高齢者の交通安全教室を開催!
 高齢者の交通事故を防止しようと、1月7日、厚木市農業協同組合荻野支所で厚木署と市交通安全指導員協議会荻野支部の主催で、「高齢者交通安全教室」が開かれ、地区内のお年寄り70人が参加した。
 県下全体から見ると減少傾向にある交通事故発生件数と負傷者数が同署管内では逆に、増加傾向にあることから、同署の上荻野・鳶尾駐在所が中心となって実施したもの。県警安全教育隊による聴覚や平衡感覚のテストなども行われ、参加者は高齢者の身体能力に合った運転技量と安全意識を学習した。両駐在所では昨年春から、地域警察のふれあい活動の一環として、地域の子どもたちに安全教育を2回実施している。

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 あつぎ地域の草木☆花めぐり―郷土資料館で特別展
 厚木市寿町の郷土資料館2階特別展示室で、昨年12月25日から厚木市教育委員会の主催で第5回特別展「厚木地域の草木☆花めぐり」が開かれている。
 厚木を中心とする郷土の自然の中で出合う、可憐な草木の花を中心に紹介しているもので、草木の咲く時期や分布、帰化植物の広がりなど、厚木近在で話題になっている事象や標高による分布のほか、カタクリ、ホソエノアザミ、コウホネなどの希少植物や明治期に厚木市内で採集された植物などを含む標本資料、花の原色写真パネル、厚木地域の植物誌について著した文献資料など約200点が展示されている。

カタクリの花
 郷土資料館では、この特別展に合わせて花めぐりのすすめや、花めぐりで分かったこと、花めぐりを楽しむことなどカラー写真を使って収録解説した展示会図録『あつぎ地域の草木☆花めぐり』も作成、有償で配布している。
 特別展は1月30日まで。入場無料。TEL:225・2515番。 写真は希少植物のカタクリ。

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     「太山街道今昔物語」のパンフレット刊行
 昨年春から太山街道(R246)の果たしてきた歴史的役割を見直すとともに、道とまちの関係を再発見し、まちづくりに生かしていこうと、ウォークラリーや講演会などに取り組んできた「大山街道・R246ネットワーク事務局」(国土交通省川崎国道工事事務所)では、このほど大山街道の魅力を掲載したパンフレット「大山街道今昔物語」を作成、厚木市役所や本厚木駅連絡所、中央図書館など7カ所に300部を配布した=写真。
 パンフレットは大山街道沿線地域の市民を対象に、自分の街の歴史や魅力の再発見に使ってもらおうというもので、伊能忠敬や渡辺崋山、国木田独歩、岡本かの子など大山街道の有名人や歴史、話題、大山信仰、イベント、街道の名物などについてわかりやすくまとめている。
 同事務局では、大山街道に関するホームページも立ち上げ、情報を発信している。

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