第592号(2002.07.01)

厚木市職員の防災研修

市職員の防災対策マニュアル作成指定避難所運営マニュアルも 厚木市
 厚木市は地域と一体なった防災体制の確立に向け、職員一人ひとりが災害時における即応力を向上させ、迅速・的確な行動がとれるよう職員の防災対策(職員行動)マニュアルを作成することになり、その作業に着手した。
 市役所の防災体制は機構に沿って各対策部が組織され、事務分掌も決められているが、職員行動はより詳細な行動計画をマニュアルとしてまとめようというもので、まず各対策部の各班から分担事務に精通している職員2人を防災リーダーに選任し、防災研修を受けさせた後、班の意見を集約してマニュアル計画を作成する。
 防災研修は庁内各課から選出された147人を対象に、8つのグループに分けて実施する予定で、6月7日に開かれた初日には経済部と道路部の職員20人が参加した。
 研修内容は阪神・淡路大震災の記録ビデオを見た後、マニュアル作成について、担当の防災対策室から説明を受け、無線機などの操作術を研修したほか、総合防災指導員の指導をうけて、チェンソーやハイジャッキなど資機材などの基本操作を体験した=写真
 マニュアルには、職員の参集、情報伝達、初動配備、外部の応援体制、応急対策、防災資機材の配置、救援支援措置などが盛り込まれ、 10月までに全体がまとめられる。
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 市では災害で家屋の倒壊や焼失などの被害を受けた市民、または被害を受ける恐れのある市民が、一時的に避難生活する場所として48カ所の指定避難所を設けているが、この指定避難所ごとに地域の自主防災隊や施設管理者、市役所職員などで構成する避難所運営委員会を設置して、避難所の円滑な運営に向けた事前準備を進めるための「指定避難所運営マニュアル」も策定する。
 マニュアルには避難所利用者の特定(受入把握と名簿の作成)をはじめ、救護や健康管理、情報収集と伝達、仮設トイレの手配、施設利用のルールや支援物資の確保と配布方法、災害弱者や帰宅困難者への対応、ボランティアの受入配置、ペットの扱いなど、想定される問題をあらかじめ定めるほか、定期的に避難訓練及び避難所運営訓練も実施する。

4月からスタートした総合学習の時間

各学校で個性的な学習が始まった。写真上:玉川小の田植え・写真下:飯山小の大壁画

 お年寄りの指導で田植え玉川小の5年生
 6月10日、厚木市立玉川小学校(山本玲子校長)5年生の児童42人が、「ありがとう食べ物」をテーマとする総合的な学習の一環として田植えを体験した。
 田植えは1時間目の授業で行われ、児童たちは日頃から学校に協力している老人会の山田英一さんと三橋照雄さんの手ほどきを受けながら、約1反の田んぼに入ってうるち米ともち米の苗を植えた。
 田んぼは7月に田の草取りを行ない、2学期の中頃には稲刈りと脱穀をして、老人会との収穫祭が計画されている。
 同校では田んぼの周囲にも大豆の種を植えており、大豆から豆腐やきな粉を作って、ごはんや餅と一緒に収穫を味わう予定だという。
 
幅10メートルの大壁画飯山小の5、6年生
 6月17日、厚木市立飯山小学校(神崎忠義校長)で、校庭と校舎の間にあるコンクリート壁に、学校の四季を描いた壁画が完成した。壁画の大きさは縦4.7メートル、横40メートルの台形型で、5年生と6年生が総合学習の時間に取り組んだ。
 絵は5年生の2クラスが秋と冬、6年生の2クラスが春と夏の絵をそれぞれ担当することになり、今年の5月から制作に着手、延べ7時間の授業で完成させた。
 指導に当たったのは、市内金田に住むフランス人の舞台芸術家クリスティーヌ・プレさん。子どもたちは「高いところを描く時は怖かったけど、迫力のある絵を描くことが出来た」「色の組み合わせや筆使いが難しかったが、プレ先生に教えてもらい、とてもカラフルに仕上がった」と満足していた。
 クリスティーヌさんは、平成13年9月から厚木市教育審議会の学校教育推進委員を務めている。

 
違反看板を撤去相川地区の青少年健全育成会やPTA関係者
 青少年に有害な捨て看板や貼り紙を撤去しよう。6月23日、厚木市の相川地区青少年健全育成連絡協議会(清水福弥会長)と、地元小中学校のPTAで構成する市民組織が中心となり、違反屋外広告物の撤去作業を行った。
 青少年健全育成のための社会づくりと、地域美化の向上を計るのが目的で、PTA役員と育成会合わせて31人が参加した。撤去作業は厚木警察署の協力も得て行われ、相川小、戸田小、相川中学校の通学路を中心に、厚木インターチェンジ周辺を2班に分かれて、立て看板や貼り紙などを取り外して歩いた。

違法看板を撤去する相川地区PTA役員

 当日は軽トラックに3台分、約500枚の立て看板が撤去回収された。そのほとんどは風俗関係のもので、参加者は「量の多さに改めて驚いた。撤去後またすぐに掲出されるというイタチごっこだが、これからも地道に続けていきたい」と話していた。
厚木市では今年の4月1日から、神奈川県より、屋外広告物条例の権限移譲を受け、違反広告物の撤去活動を職員の手や業者委託で行っており、4月には4,000枚、5月には4,300枚を撤去している。

 お年寄り招いて厚木第2小が「ふれあい給食会」
 6月15日、厚木第二小学校(水越武校長・児童数766人)で、地域のお年寄りを招いた「ふれあい給食会」が開かれた=写真。
 この催しは「寝たきり老人ゼロ運動」の一環として、平成12年度から実施しているもので、厚木南公民館だよりで公募した地域のお年寄り46人が参加した。
 同校では開かれた学校づくりを目指して、保護者や地域の人たちに学校に来てもらうため、公開授業に取り組んでいるが、「ふれあい給食会」では、2年生、4年生、6年生の計11学級に、それぞれお年寄りが4人から5人づつ招待された。
  配膳作業の後、各学級の代表がお年寄りの控え室に迎えに行き、ランチ交流が始まった。この日のメニューはホタテのフライとうどん五目汁、とりご飯など。参加したお年寄りは、子どもたちとおしゃべりをしながら楽しそうに食べていた。同校では、昨年給食調理場が完成、独自のメニューで給食が行われているが、「ふれあい給食会」は、校長の判断で学校行事に合わせて時間や場所を自由に設定できるメリットを生かした事業の一つとして実施された。

 徘徊高齢者の位置情報検索サービス開始
 厚木市は徘徊するお年寄りの位置を迅速に把握し、保護を行うことによって本人の安全確保と介護者の精神的肉体的負担の軽減をはかる、「高齢者位置情報検索サービス」を7月15日から実施する。
 希望者にGPS(衛星利用測位システム)機能付きの携帯端末を貸与して、徘徊する恐れのあるお年寄りに持ってもらい、委託を受けた警備会社が電話とインターネットで、徘徊するお年寄りの位置を検索し、その情報を家族に伝える。
 市ではすでに徘徊高齢者については、防災無線を利用した「はいかいSOSネットワーク」を実施するほか、平成12年度からお年寄りにポケットベルを付けてもらい、行方がわからなくなった場合、ポケットベルに電話すると夕焼け小焼けのメロディーがなる「夕焼けコール」を実施しているが、新サービスでさらに介護家族の軽減をはかる。
 新サービスの対象は、はいかいSOSネットワークの登録者で、サービスを希望する人。端末使用やサービス利用料として月410円ほどかかる。問い合わせはTEL:225・2219番。

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山口市長と懇談する向井監督

W杯予選に向け最終調整ラグビー日本代表の向井監督が市長を訪問
 6月12日、厚木市内で合宿中のラグビー日本代表の向井昭吾監督が市役所を訪れ、山口市長を表敬訪問した。日本代表のメンバーは、来年10月、11月にオーストラリアで開かれる「第5回ラグビーワールドカップ」のアジア地区予選に向けて、市内で最終調整の合宿を行っていたもので、韓国との初戦を前に市長を訪問し懇談した。
 向井監督は、中・高校生へのラグビーの普及や、芝生が整備されたグランドの必要性、韓国戦への意気込みなどについて語り、「日本のラグビーは勝てる相手には確実に勝っていくことを目指している。5大会連続のW杯出場に向けて頑張っていきたい」と抱負を語った。
 日本代表は6月16日に国立競技場で行われた韓国戦で、13トライを上げ90対24と大勝、WTBの栗原選手が、テストマッチの個人得点記録を塗り替える活躍で、W杯出場権獲得に向け好スタートを切った。次の試合も7月6日に国立競技場で行われる。対戦相手は中華台北。

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 廣木弘邦さんの短刀常設コーナー開設アツギミュージアム
 厚木市関口に住む刀匠・廣木弘邦さん(54)の短刀や小刀、鍔(つば)を展示する常設コーナーが、同市飯山の旅館アツギミュージアムに開設された=写真。
 広木さんは福岡県大牟田市の出身。17歳で石川県に住む人間国宝隅谷正峯氏に入門、その後、父国宏について鍛刀を学ぶ。昭和46年海老名市の刀剣鑑定家池田末松氏の門人となって刀剣研磨を学び、48年厚木市関口に鍛練所を開設した。
 54年紺綬褒章を受賞、平成8年無監査に認定、鎌倉鶴岡八幡宮での奉納鍛錬や警視総監賞の短刀なども製作している。これまでに数多くの個展を開催、文化庁長官賞、毎日新聞社賞、全日本刀匠会理事長賞などを受賞した。

展示された広木さん製作の短刀

 今回常設された作品は短刀11本、小刀6本、鍔6本、一代守本尊文字入りの文鎮のほか、玉鋼や玉減、積沸かし、折り返り鍛練、合せ鍛えなど、刀の製作過程を示す作品も展示している。

 

 先生から見た子育ておうえん団教育研究所が手引き書作成
 子育てに悩むお母さん、お父さん、子育ての手引き書を活用して\厚木市教育研究所は、このほど「先生から見た子育ておうえん団」の冊子=写真=を作成、市内の保育所や幼稚園などに配布した。
 平成12年と13年度に、市内の保育所、幼稚園、小学校の先生方が連携して、幼児・児童の社会性の形成に関する調査研究を行った結果、幼児・児童の社会性の形成に、保護者や周囲の大人のかかわり方が大きく影響を及ぼすことがわかったため、研究の成果をまとめ、子育てに悩む保護者を応援する手引書として作成することにしたもの。
 内容はゼロ歳児から8歳児までの子育ての次期を4つの段階に分け、発達段階における大人のかかわり方や年齢に応じた生活体験の場を探り、子育て支援のキーワードを見やすく記載したほか、子育てに関する公共機関ガイドも収録した。
 A5サイズで76ページ。だっこだぁ〜いすき、よちよちたんけんたい、じぶんでじぶんで、みんなともだちなど、イラストを豊富に用いて、「子育ては一人で背負うものではありません。みんなで助け合う気持ちでいることが楽しい子育てにつながります。一人で悩んでいないで気楽に周囲の人に話しかけてみましょう」と呼びかけている。
教育研究所では4千部を作成、子育て支援センターや児童館、保育所、幼稚園、小中学校、中央図書館などに配布した。

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 スポーツ広場の落書き消去玉川中生徒と毛利台自治会
 6月22日午前10時から厚木市立玉川中学校の生徒5人と地元の毛利台自治会住民4人が、毛利台スポーツ広場の壁面にいたずらされた落書きの消去作業を行った。
 毛利台地区は住宅地で、これまで目立った落書きがなかったが、最近地区内のスポーツ広場に高さ2メートル、幅10メートルにわたって落書きされてしまった。この落書きを通学時に目にした生徒たちが、自分たちにできることはないかと先生に相談したことがきっかけで、地元自治会と一緒の消去作業が実現した。
 参加した生徒は「書くのは簡単にされてしまいますた、消すのは本当に大変。落書きは犯罪です。みんなで監視の目を強めていきたい」と話していた。 

落書きを消す中学生と自治会の役員

 市では昨年から落書きなどによって損なわれた街並みの美観を修復するため、商店会や自治会、地域住民で組織されたボンランティア団体に原材料を支給する制度を始めており、今回もこの制度が適用された。

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 市長にバラをプレゼント厚木市のバラ生産者
6月12日、厚木市内でバラを栽培している厚木市園芸協会バラ部会の大村太一部会長と梅原伸孔副部会長が市役所を訪れ、山口市長にバラの花束をプレゼントした=写真。
 「父の日にはバラを」の合言葉で、バラの消費拡大を目指している協会が、父親の代表者である市長にバラを贈った。
 現在、市内のバラ生産者は、荻野、玉川、相川地区に7軒。2.2ヘクタールの面積に年間214万本を生産している。赤色のローテローゼをはじめ、ピンク、黄色、白などさまざまな色のバラやスプレーバラなどが栽培されている。生産者のほとんどは花の病気が広がるのを防ぐロックウール栽培(土を使わない栽培)を導入、コンピュター制御による温室管理により高品質の花が安定的に生産されている。

 厚木特産マスクメロン7月より販売開始
 お中元などの贈り物に人気の厚木特産「マスクメロン」=写真= の成育が順調で、7月上旬より販売が始まる。今年は2月下旬から3月中旬に種を蒔いてから天候が良く、メロンの成育は良好だ。
 JAあつぎメロン部会(秋山昌寿部会長)の会員は現在5人。延べ6千平方メートルの作付け面積に約1万個のメロンを生産し.ている。現在、各農家のハウスでは袋かけが終わり、メロン特有のネット(編み目模様)が完成する時期を迎えた。このネットをきれいに盛り上げ、味を良くするためには微妙な水管理が必要で、県央地域農業改良普及センターでは、毎年生産者宅を巡回して助言・指導を行っている。
 販売価格は特品が1個箱入2,500円、秀品2,000円、優品1,500円となっている。送料は別。
 同メロンは宅配便で全国に出荷されており、販売時期は7月始めから10日頃まで。問い合わせはJAあつぎ営農販売課メロン部会(月〜金の9時〜16時) TEL:221・2273番。
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  5年ぶりの部分日食厚木市子ども科学館で
 6月11日の朝、6時42分から8時45分までの約2時間、国内では5年ぶりに部分日食が見られた。日食は太陽と月と地球が一直線に並び、地球から見ると太陽が月に隠れてしまう現象。
 この日の天候は曇りだったが、それでも雲の隙間から時折その姿を現し、7時40分ごろには太陽が最も大きく欠ける現象が見られた。次に日本で見られるのは2004年の10月14日。
 厚木市子ども科学館でも、同時間に観測し、7時10分、20分、35分の3回、撮影に成功した=写真。観測した部分日食の様子は同科学館のホームページでも公開されている。

 神奈川工科大と相模原工業技術高校が教育交流単位認定の対象に
 厚木市下荻野の神奈川工科大学(杉山秋雄学長)と相模原市光が丘の県立相模原工業技術高等学校(高島良二校長)が、このほど教育交流に関する協定「高大連携」を締結することになり、6月25日、同大学で調印式が行われた。
交流概要は、1神奈川工科大学が今年の7月29日から31日までの3日間、高校生を対象に実技中心の短期集中講座「サマースクール」を開設、パソコン演習や車椅子による身障者の擬似体験、ロボットやフォーミュラーカーに触れた体験学習を行う。募集人員は20名で、来年度から高校の単位認定の対象とする。
 2大学では後期から、通常開講している授業科目に高校生を聴講生として受け入れ、高校の単位認定の対象とする。3高校は教員免許を取得しようとする大学生を教育実習生として受け入れるほか、4高校・大学の教員は相互に情報交換を行うことにより、高校と大学との教育の接続を具体的に検討する。
 5大学生は高校の部活動、生徒会活動、文化祭などの特別活動について、支援・助言することなどで交流を深める。
 調印式には、杉山学長と高島校長ら関係者が出席、教育交流に関する協定書に調印した

 安心・安全なまち会議設置・14地区で課題と対策検討
 暴力団抗争や窃盗事件などが多発する厚木市では、5月22日の緑ケ丘地区を皮切りに、市民自らが住み良い環境づくりに取り組む「安心・安全なまち会議」を設置、地区ごとの課題や問題解決に必要な対策を検討してもらう「安心・安全なまちづくりに」に取り組んでいる。
 同会議は地区市民センター単位に設置しているもので、自治会長や防犯指導員などで組織、放置自転車や違反屋外広告物、暴力団事務所の排除、ホームレス対策、廃墟ビルの安全管理、有害図書自動販売機など、地区ごとの課題について、それぞれの会議で対策を検討している。
 すでに13地区で会議を立ち上げており、7月1日の依知地区を最後に全地区の会議が出そろう。今後は関係団体との連携を深めるほか、庁内に設置した「市民安全対策会議」と連携を図りながら、市民総ぐるみの取り組みを展開していく考えだ。

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