第582号(2002.02.01)

 新築より耐震対策市庁舎検討協議会建設基金の積立も提言
 厚木市庁舎の耐震や新庁舎の建設などについて検討する「厚木市庁舎新築・耐震改修検討協議会」(柏木功会長)は、1月21日までに「庁舎については速やかに免震工法などによる耐震対策を実施するよう」とする提言(報告)をまとめ山口市長に提出した=写真。
 市庁舎は昭和46年に竣工してから31年が経過、人口も当時の2.5倍の21万9千人に増加したことから、行政需要が増大し、事務室の狭隘化とともに分庁舎化を余儀なくされている。また、昭和61年度に行なった耐震診断では、総合評価Dランク(要耐震)の評価を受け、耐震対策の必要に迫れている。
 検討委員会は昨年10月に発足、自治会や産業界、婦人団体、労働関係から14人が委嘱を受け、これまでに庁舎の現状や財政的視点、大規模プロジェクトなどまちづくりの視点、整備手法などの視点から6回にわたる検討を行なってきた。
 提言では、免震工法による耐震対策の実施と合わせて、中心市街地を含めた今後のまちづくりと新庁舎の在り方に柔軟に対応できるよう、計画的な庁舎建設基金の積立を行なう方向性を示している。
 委員会では方向性を示した背景として、(1)現在の社会、経済情勢から、庁舎新築についての市民合意を得ることは困難。(2)小中学校校舎の耐震改修が、平成14年度に終了するなど、主な公共施設の耐震対策の完了が見込める中で、未対策の公共施設は庁舎だけであり、早急な対応が必要。 (3)地方分権時代の中で、都市間競争に勝ち抜くための一つとして、中心市街地の活性化を含めたまちづくりを進める必要があり、その種地としても庁舎は重要な位置を占めている。現時点における都市整備事業の塾度の観点から、中町2-2地区あるいは本厚木駅南口の再開発事業を含む都市整備事業を先行させる必要がある。(4)まちづくりの視点、財政的視点及び耐震対策の視点から、短期的には現庁舎の耐震を行ない、引き続き使用するとともに、中長期的には新築を視野に入れ、基金の計画的な積立ができるよう検討すべきで、今後総建設費200億円の40%から50%を目途に、計画的に積み立てる必要性などを挙げている。
 柏木会長は「財政的視点、まちづくりの視点、耐震対策の視点から、短期的及び長期的な面からも検討を行なった。まちづくりにおける庁舎の位置づけや厚木市の今後のまちづくりに期待を込めてまとめた」と話している。山口市長は「小中学校の耐震化も後1年で終わる。報告内容を尊重し、来年度予算に繁栄できるよう対応したい」とコメントを発表した。

 さがみ縦貫道建設に伴う中依知遺跡調査かながわ考古学財団が円墳など3基の発掘状況を公表 財団法人かながわ考古学財団では、国土交通省の委託を受けて一般国道468号線(さがみ縦貫道路)と国道246号線(厚木秦野道路)の建設にともなう、厚木市中依知遺跡の発掘調査を昨年7月から行なってきたが、このほど発掘途中の状況を公表した。
 中依知遺跡は、同市中依知543ほか相模川右岸に広がる一帯で、「桜樹古墳群」と呼ばれる古墳群が存在し、周辺には5世紀代の大型円墳である吾妻坂古墳など多くの古墳があることで知られている。この桜樹古墳群は、今までに23基の古墳が確認されているが、近年本格的な調査が行なわれた例がない。

横穴式石室が発見された第1号古墳の天井石

 今回調査の対象となった区域は37.87平方ートル。調査範囲内には5基の古墳が存在し、現在3基の発掘調査が行なわれている。3基とも市道金田・上依知線にかかる場所で、今年度は古墳全体の5分の3から5分の4程度の調査が行なわれる。
 公表された第1号古墳は、直径20メートル戦後の円墳で、遺体を安置する「横穴式石室」が発見されている。ここには石室天井部の石(天井石)が残されており、天井石には長さ約1メートル、幅・高さ30〜50センチの大型の石が使われ、計9個の石が崩れた状態で残存している=写真。
 石室の規模は入口の羨道部と遺体を安置した玄室部を合わせて長さ約5メートル、幅1〜1.5メートルと推定されている。
 第2号古墳は直径約22メートルの円墳で、第1号同様横穴式石室が発見されている。天井が残存せず、羨道部と玄室部の側壁および玄室の奥壁が確認できる。古墳の周囲を巡る周溝は最大で深さ1.4メートル、幅2メートル。この周溝から、古墳時代後期の土器(土師器・須恵器)の破片が出土した。
 また、第3号古墳は直径20メートル前後の円墳で、調査以前に墳丘部分はなくなっていたが、石室を造る際に古墳の中心を堀り込んで、石を敷いた跡と周溝が発展されている。
 調査は平成15年5月30日まで行なわれる。
 なお、中依知遺跡は縄文から近世までの複合遺跡で、古墳時代後期の円墳のほか平安時代の竪穴住居址や中世・近世の遺構、遺物が発見されている。

 第4回アジア太平洋ハーモニカ大会の実施概要決まるコンテストやワークショップなど開催
 今年の7月30日から8月4日、厚木市文化会館を会場に開かれる「第4回アジア太平洋ハーモニカ大会2002厚木」の実施要領がまとまった。
 市と全日本ハーモニカ連盟の共同主催で行なうもので、あつぎハーモニカ協会、アジア太平洋ハーモニカ大会市民実行委員会が実施主体となる。日本をはじめ韓国、上海、北京、天津、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、ハワイ、フランス、ドイツなど12地域から2,500人が参加、世界最高のハーモニカトリオといわれるイスラエルのアドラー・トリオ、フランスの国際的なクロマチックハーモニカ奏者クロード・ガーデン、アメリカのホットショッツほか、日本の和谷泰扶、八木のぶおらがスペシャルゲストとして出演する。
 大会はソロやアンサンブルなど10のカテゴリー別に行なわれるコンテストのほか、日本を代表する複音ハーモニカ奏者・岩崎重昭氏や森本恵夫氏の特別講演会、国別によるハーモニカ演奏やコンテスト受賞者によるガラコンサート、ハーモニカのワークショップ、誰でも自由に参加できるオープンマイクなどが予定されている。
 
 地元厚木からは、岩崎さんのほかに厚木ハーモニカトリオ、オジョイメイトリオ、アザレア・クァルテット、ミセラネア、厚木エレガンス、厚木チェリーズ、竹内直子、深沢剛、柳川優子、片倉広義さんらが出演する。また、文化会館の敷地内にテントを設営してステージや物産展を開催する「交流テント村」のほか、地下展示室ではコンテスト練習会場と演奏ステージ、ハーモニカの調律・修理を行なうハーモニカ治療院、各種ハーモニカやCD、楽譜などの物品販売コーナーなどを設営して交流をはかる「交流プラザ」なども開設する。
 市ではこのほど、大会をPRするカラーポスター=写真=を作成した。B2サイズで、ハーモニカを吹いている子どもをイラストで大きく描き、ほのぼのとしたイメージを表現した。2,000部を作成、市内の公共施設や商店、病院などに掲示する。

 動くサウンドカー導入厚木市市民体育祭などで利用
 厚木市はこのほど、アウトドア志向の高まりの中で、屋外などの行事に使う音響機器の完備した「サウンドカー」を導入=写真=、今年から市民体育祭や河川ふれあいまつりなど、市が主催する行事や各種団体と共催するスポーツ、文化などの行事に利用する。
 サウンドカーは排気量660CC。四輪駆動車である軽貨物車に音響効果の優れた放送設備を搭載したもので、回転式スピーカーも2台つけた。音声出力は120W。CD、カセットのいずれでも使用できる。これにワイヤレスマイク2本、有線マイク3本、マイクスタンド、朝礼台がついている。
 丹沢や相模川などの自然環境をかかえる厚木市では、こうした環境を背景にさまざまな行事が行なわれているが、市ではこうしたアウトドア志向の行事をバックアップするため320万円で購入した。市と共催する行事であれば民間でも利用できる。問い合わせはTEL:225・2083番(管財課施設係)。

 障害者の手づくり作品展示即売会2月2日・3日商工会議所で 障害者が地域作業所などの施設で作った手工芸品などの「展示即売会」が2月2、3の両日、厚木市栄町1丁目の厚木商工会議所展示ホールで開かれる。
 一昨年まで市内の大手スーパーの協力で行なわれてきたが、不況の影響でスーパー側が会場の協力を辞退したため、開催場所が見つからず延び延びになっていた。今回商工会議所が事業に理解を示し会場の提供を約束してくれたため、約5カ月遅れで開催にこぎつけることができた。
 障害者の社会参加と合わせ、地域作業所や施設を利用する人たちへの理解を深めてもらうのが目的で、各市町村の手をつなぐ育成会、厚木市障害者地域作業所連絡会などが協賛、各市町村と社会福祉協議会が後援する。
 展示即売会には厚木市、愛川町、清川村の障害者地域業所13カ所と知的障害者援護施設9カ所が参加、施設入所者や通所者が手作りで製作した木工芸品や陶芸品、機織製品などが展示即売される。来場者には手づくり粗品などのプレゼントが用意されている。
 開催時間は2日11時から17時、3日は9時から16時まで。問い合わせはTEL247・0311番へ(すぎな会愛育寮・内堀)。

 小林多喜二とゆかりの七沢温泉3月2日広める会が講演と映画の夕山村聡監督主演の「蟹工船」を上映
 厚木にゆかりのあるプロレタリア作家・小林多喜二の作品を語り映画を見ようと、「多喜二ゆかりの七沢を知らせ、歴史と文学を広める会」が、3月2日18時より伊勢原市民文化会館で、映画『蟹工船』の上映会を開く。
 『蟹工船』は、昭和4年多喜二が苛酷な労働条件のもとで働く海の労働者の蜂起と挫折を描いた代表作。当時、小樽にいた多喜二を中央文壇へと押し上げた作品で、日本のプロレタリア文学の最高傑作といわれている。昭和28年に山村聡監督・脚本で、独立プロ作品として映画化された。
 蟹工船で働く登場人物の演技のリアルさがポイントになるため、当時、演技指導・芝居のうまさに定評があった山村聡の力量がかわれたもので、山村は自らものんだくれの労働者として主演、ダイナミックな人間群像劇に仕立て上げた。
 キャストには山村のほか、個性派俳優の森雅之、花沢徳衛、小笠原章二郎、浜村純、中原早苗、河原崎しづ江らが起用された。
 山村はこの映画の演出で、昭和29年7月27日にプラハで開かれた「第8回チェコスロバキア国際映画祭」で監督賞を受賞した。
 上映会では多喜二研究家の相原進さんが「小林多喜二その文学と生涯」、広める会の蠣崎澄子さんが「多喜二と七沢温泉」と題して講演する。
 多喜二と七沢温泉との関係は、平成12年3月、同温泉地で旅館福元館を経営する古根村喜代子さん(75)が、昭和6年3月から4月にかけての1か月間、多喜二が同旅館に逗留し、宿泊した離れも当時のまま残されていると公表してから明らかになった。多喜二はここで小説『オルグ」を執筆したといわれている。この話は市民かわら版(00年9月1日号)や赤旗などにも報道され、一般に知られるようになった。 以後、全国から旅館を訪れる客が増え、蠣崎さんらは「多喜二ゆかりの七沢と文学を広めよう」と会を結成、学習会や見学会などを開いたり多喜二と七沢温泉に関するニュースを定期的に発行している。
 今回の映画と講演の夕べは、会発足1周年を記念して企画した。蠣崎さんは「蟹工船はリストラ不況の今の時代にも通ずるものがある。ぜひ多くの方に見ていただきたい」と話している。入場料は1,000円。問い合わせはTEL0463・96・1003番(蠣崎さん)へ。
写真は厚木の七沢温泉とゆかりのあるプロレタリア作家の小林多喜二(上)と代表作『蟹工船』初版本(下)<講談社『昭和2万日の全記録』>

 一人ひとりが防災意識防災研修会開催自主防災対連絡協議会 1月19日、厚木市文化会館で市と市自主防災隊連絡協議会が主催して「平成13年度市民防災研修会」が行なわれた=写真。
 これは平成7年1月17日に発生した阪神淡路大震災の教訓を風化させることのないよう、市民一人ひとりが地震災害、地震防災の意識を高めようと実施したもので、1月15日から始まった「防災とボランティア週間」に合わせて開催した。
 参加したのは市内の自治会で組織する自主防災隊約900人と、ボランティア団体、消防団員、市民など合わせて1,200人。研修会では、社会福祉法人大阪ボランティア協会事務局長の早瀬昇氏が、阪神淡路大震災やさまざまな災害時の活動体験をもとに、ボランティアに何ができるか、被災者の心情、行政と市民との連携について講演した。

 まちづくり条例制定へ市民検討組織で調査・研究 厚木市の山口市長は、1月11日に行なわれた年頭会見で、平成15年4月1日の施行を目指した「まちづくり条例」を新年度に制定することを表明した。
 市民との協働により「厚木市に住んでよかった、住んでみたいと思えるまちづくりを推進するための基本理念」を定めるもので、いわばまちづくりの憲法ともいうべきもの。昨年8月、公民館の推薦や公募による市民45人からなる市民検討組織を発足させ、1まちづくり部会(土地利用・景観の保全・都市緑地の推進など) 2環境部会(ポイ捨て防止・落書き防止・自然環境の保全など)3市民福祉部会(バリアフリー・福祉など)の3部会を設置して、まちづくりにおける厚木市の特性や条例の理念と位置づけ、関係法令との整合性、条例に規定する事項などについて専門的な調査研究を進めている。新年度の早い段階で素案をまとめ、9月議会に条例案を上程する考えだ。
 市ではこれと合わせて庁内に職員36人からなる「まちづくり条例検討プロジェクトチーム」を設置、制定に必要な事項の調査・研究を行なうとともに、市民検討組織が調査・検討した事項についてもさらなる検討を深めていく。

 ティーボールセミナー・実技講習会2月24日参加者募集 かながわ教育ティーボールセミナー・実技講習会が2月24日9時45分から、厚木シティプラザ5階と厚木中学校グランドで開かれる。
 セミナーは今年の4月からスタートする学校週5日制カリキュラムの中で、小学校3・4年生の体育の授業で行なわれるベースボール型ゲームをティーボールととらえ、小学校教師や地域のスポーツ指導者に理論や審判法を学んでもらうもの。
 NPO法人日本ティーボール協会神奈川県連盟が主催、市教育委員会、子ども会連絡協議会などが後援する。
 セミナーは午前中、厚木中学校グランドで実技指導が行なわれ、元日本ハムファイターズ2軍監督の種茂雅之さん、元日立ソフトウェアソフトボールチーム選手の川崎千明さんが正しいバッティングの仕方を指導する。午後は早稲田大学の吉村正教授が「生涯スポーツとしてのティーボールの魅力」について講演するほか、元NHKチーフアナウンサーの中村克洋さんが「ベースボールに克つためのスポーツマインド」と題して講演する。参加費2,000円(学生1,000円)申し込みはTEL296・4377番(斉藤)へ。

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