第571号(2001.07.15)

5首長が出席した県央やまなみサミット

新たな地域連携目指して
第8回やまなみサミット開催

環境保全など盛り込んだ宣言文を採択
県と厚木・伊勢原など県央5市町村

 県央地区行政センターと厚木、秦野、伊勢原、愛川、清川の5市町村で構成する広域行政連絡会(会長・山口巖雄厚木市長)による「第8回県央やまなみサミット」が7月3日、伊勢原市のシテイプラザで開かれ、首都圏に残された貴重な共有財産である自然を生かした地域の創造などについて話し合った。
 連絡会は昭和62年4月に設立、これまでに「大規模災害時における相互応援に関する協定書」の締結や、広域観光の推進などについての取り組みを進めてきている。
 この日行なわれた会議では、「新世紀・新たな地域連携を目指して」をテーマに、貴重な共有財産として残された丹沢大山の保全を中心に、県央やまなみ地域が歩むべき新しい地域連携や交流のあり方について、各市町村長による意見交換が行なわれ、環境保全などを盛り込んだ第8回宣言文を採択して閉会した。
 宣言文は次の通り。
1. わたくしたちは地域を拠点に活動するボランティアやガイドの育成とその連携を図りながら、県央やまなみ地域の拠点施設のネットワークの確立・各種イベントの共同開催に取り組むなど、人と人との交流に努めます。
1. わたくしたちは、地域の貴重な歴史文化や豊かな自然環境をいかし、広域観光コースの設定、観光案内のための統一サインの設置、特産品の開発に取り組むなど広域観光ネットワークの確立に努めます。
1. わたくしたちは広域幹線道路網の整備やインターネット等情報技術の普及発展を踏まえ、連携して産業経済の活性化に取り組むとともに、それぞれの情報技術を活用して県央やまなみ地域内外への情報発信に努めます。
1. わたくしたちは、丹沢大山の豊かな緑や美しいやまなみを次世代に引き継ぐため、山の環境美化対策などを積極的に推進し、県央やまなみ地域の自然環境の保全に努めます。
1. わたくしたちは、県央やまなみ地域の住民との協働、行政職員の相互協力のもとに、より質の高い行政サービスの実現を目指すとともに、情報技術を活用した新たな行政運営など、広域連携の更なる推進に努めます。

安全な農産物を朝市に

消費者が産地見学ツアー

 7月5日、厚木市民朝市で販売している農産物などの生産地を見学する市民の産地見学ツアーが開催された=写真。
 消費者である市民に朝市に対する要望や意見を出してもらおうと、市民朝市推進委員会が主催した。当日は一般公募で集まった30人が、市のバスに乗り込み、市内の果樹園や豆腐店、農畜産物などの直売所を見学、また減農薬、低農薬栽培に取り組む露地野菜農園では、見学にあわせてキュウリ、ナスなどのもぎ取りを体験した。
 公民館で開かれた昼食会では、朝市推進委員会出店者組合婦人部の協力で、市内の安全な農産物を使った手作り料理がふるまわれ参加者を喜ばせた。
 参加者からは「農薬などに充分に配慮していただき、安心して購入できる農産物を朝市に出して欲しい」「会場に消費者の声を聴く窓口を作って欲しい」などの意見が寄せられた。高澤和雄組合長は「皆さんの貴重なご意見、ご要望をを運営に反映させていきたい」と話していた。

写真はガイドブックの完成を祝う「ザ・ママ・探検隊」

子育てママが編集した

保育園・幼稚園ガイドブック

 厚木市内の幼児を持つ母親が、このほど自分たちの足で調べて編集した手づくりの「保育園・幼稚園ガイドブック厚木・愛川版」を創刊した。
 「園を選ぶのにアレコレ悩むけれどいろんな意見が聞きたい…」などママの立場・視点を心がけて編集したもので、各園のデータのほか先輩ママの意見、見学のポイントなどを収録している。また、園で人気のレシピや手作りおもちゃ、手遊びなどの情報のほか、コミニュティ保育(自主保育)の情報も掲載した。
 3年前に大和・座間に住む子育てママが、「地域に密着した子育て情報を発信しよう」と創刊した『座間・大和版』が好評だったことから、厚木・愛川版を出すことにしたもので、昨年秋から一歳児を持つ母親が中心となって、企画、編集、広告営業、書店開拓などの業務を行なってきた。
 B5版96ページで490円。地区の書店で販売している。0042・712・4828番。

土曜フリークラブを開催

学校週5日制の活かし方

厚木の北小学校

 7月7日、厚木市立北小学校(萩原隆校長)で、4年生と6年生の児童238人が、来年度から始まる「学校週5日制」の実施に向けて、土曜日の活動を考えるヒントにしようと、「土曜フリークラブ」を開催した。
 同校が指導協力者として募集した保護者や地域の人と一緒に、手芸やお茶、ゲートボールなどを行なって交流を深めたもので、豊かな心を育み、子どもたちが自分の興味あるクラブ活動を体験することによって、自分のよさに気づいてもらおうと取り組んだ=写真。
 集まった指導協力者は約40人で、13のクラブを用意した。子どもたちは普段行なっているクラブ活動とは異なった料理や大正琴、絵手紙、折り紙、卓球、Tボール、陸上、バドミントン、ゲートボールなどの中から、自分がやってみたいクラブを選び、楽しんでいた。
 ゲートボールの指導協力者として参加した仙洞田七三さん(78)は、「孫と遊んでいるようで大変楽しかった。子どもたちも一生懸命理解しようとしているのがわかります。今度ぜひ試合をしてみたい」と笑顔で話していた。お茶のクラブに参加した4年生の森崎志穂さんは「ちょっと苦かったけど、出されたお菓子がとても美味しかった」と話していた。

厚木の鳶尾地区で
総合防災訓練

住民450人が参加

 7月1日午前、「鳶尾地区総合防災訓練」が、厚木市鳶尾の市立鳶尾小学校で行なわれた=写真。
 参加したのは鳶尾地区の住民約450人で、市防災対策室、北消防署、荻野地区防災指導員、同地区交通安全指導員協議会などが協力した。訓練は鳶尾地区全体の防災意識の高揚と実践的体験や見学を通して、地域住民の連帯を深めるのが目的。
 参加した住民は各自主防災隊で定めた場所に集合、道路の陥没や立木、石垣の倒壊などの安全を確認しながら、総合避難所である鳶尾小学校へ避難した。その後、家屋の倒壊を想定して、木材の下敷きになった人を救出する訓練や火災による煙の発生を想定した避難訓練も行なわれた。
 このほか、ハシゴ車を使ってビルの屋上へ避難した住民を救出する訓練や起震車体験も行なわれた。家族全員で参加したという住民は「暑くて大変でしたが、訓練で地域住民が一体となり、住民相互の交流がさらに深まったと思う」と話していた。

入館者30万人を達成
綾瀬市の林晃子さん

県総合防災センター

 厚木市下津古久にある神奈川県総合防災センターの入館者数が7月6日、30万人を達成した。
 同センターは平成7年4月、大規模な広域災害の発生に備えた災害応急活動の中央基地、また平常時には防災知識の普及啓発の拠点施設としてオープンした。
 災害の擬似体験などができることから、オープン以来、家族連れや小中学校の校外授業、自治会、企業、消防関係者などが来館、1日平均160人の県民が訪れている。
 30万人目の来館者となったのは綾瀬市に住む主婦林晃子さん(45)で、2回目の訪問。この日は小学校の母親委員会のメンバー35人で訪れた。
 林さんは「防災体験など臨場感たっぷりの施設ですね」と感想を話し、記念の防災グッズをプレゼントされ喜んでいた。

夏なのに湿地が雪化粧?
ハンゲショウが見頃

県立自然保護センター

 厚木市七沢の県立自然保護センターの自然観察園で、谷戸の湿地が雪化粧をまとったように白づいている=写真。
 これはハンゲショウと呼ばれる植物の葉が、6月中旬から7月になると白くなるからで、この白く見えるのは葉に緑色の元となる葉緑素がないため。花の咲く時期に合わせて花の周りの2、3枚程度が白く変色する。
 ハンゲショウはドクダミ科の植物で、県内では三浦半島や多摩丘陵の谷間などの水辺が自生地。同センターのハンゲショウは三浦市小網代から移植されたもので、毎年、6月中旬から7月中旬にかけて、葉が湿地を白く染めている様子を観察できるという。
 ハンゲショウ は、半夏至(夏至から11日目、7月2日)の頃に白い葉をつけるため、この名で呼ばれている。また、葉の半面が白くなるため、「半化粧」とか、「片白草」とも呼ばれている。

十五の頃あなたの「学校」はどこにありましたか

山田洋次監督作品「十五才」

8月19日・愛川町文化会館で
主婦らが自主上映

 早く着くことなんか目的じゃないんだ。雲より遅くてじゅうぶんさ\学校や家庭から逃れるように少年はたった一人で旅に出た。七千年の年輪を重ねる縄文杉に会いに。ヒッチハイクで、屋久島で、その旅先で出会うさまざまな人々。それぞれの人が抱え持つ人生の重さ、せつなさをかいま見ながら、自分の人生を探す旅。そこには彼だけの「学校」があった……。

 東京の夜間中学、北海道の高等養護学校、東京下町の職業訓練校。さまざまな「学校」を舞台に、懸命に学び、生きる人々の姿を描いて日本中に大きな感動を巻き起こした山田洋次監督の学校シリーズ「十五才│学校4」の上映会が、8月19日14時30分と19時の2回・愛川町文化会館ホールで開かれる。主婦らで組織する「学校4」上映実行委員が主催、町教育委員会が後援する。

 物語は中学3年生の少年が主人公。横浜郊外に住む中学3年生の川島大介(金井勇太)は、学校に行かなくなってから半年がたつ。ある日彼は両親(小林念侍、秋野暢子)に内緒で、無謀にもひとり、遠く九州・屋久島の縄文杉を目指して旅に出る。ヒッチハイクで出会った運転手・佐々木康(赤井英和)や女性ドライバー・大庭すみれ(麻実れい)の世話になり、トラックを乗り継ぐ大介。旅先の静岡、大阪、宮崎、鹿児島で、彼はさまざまな境遇の人とふれあう。屋久島に渡った大介は、自分の足で険しい山道を登り、ついに縄文杉にたどり着く。その七千年の勇姿は、彼の心に何かを語りかけてくれた。冒険の旅も終わりに近づいた時、侘しいひとり暮らしを続ける老人・畑鉄男(丹波哲郎)に出会った大介に、思わぬ出来事が待ち受けていた……。

 映画評論家の八森稔さんは、「ひとは教室の中だけで学ぶのではない。教師だけに教わるのではない。十五の頃、私の学校はどこにあったのか。大切なことを誰から学んだのか。そんなことを自分自身に問いかけてみたくなる日本映画の名作だ」と評している。
 前売券は1200円(当日券1500円)小中高生前売券800円(当日券1000円)。ブックスコアで販売中。0286・3520。

傷病鳥獣保護年間839点

天然記念物のヤマネも保護

  厚木市七沢の県自然環境保全センターでは、傷ついたり弱ったりしている野生の鳥獣や哺乳類を保護して治療を施し、野生に返す仕事をしているが、このほど平成12年度の保護実績をまとめた。
 1年間に保護された数は839点(前年度908点)。内訳は鳥類84種730羽(同80種785羽)、哺乳類14種109頭(同11種123頭)で、過去最高だった昨年の91種を上回り、98種に達している。
 保護される動物の種類はスズメ、ツバメ、キジバト、ヒヨドリといった鳥類が9割で、哺乳類ではタヌキが最も多く保護されている。中にはオオタカやニホンカモシカといった稀少種も含まれており、津久井郡藤野町では天然記念物のヤマネ=写真=が県内では丹沢以外で初めて保護された。
 保護原因は窓ガラスや送電線への衝突、交通事故が多く、野生動物にとって住みやすい環境ではないことが分かる。また、野良猫や野良犬に襲われた動物、ペット由来ともいわれる皮膚病(カイセン症)の動物も多数見られ、野生動物に対する餌付けやペット動物の不適切な飼育が原因となっている。

チリで柔道・ドミニカで教育指導

青年海外協力隊の
中澤・粟根さん

市長に出発を報告

 青年海外協力隊員としてチリ共和国で柔道の指導にあたる厚木市恩名の中澤克枝さん(22)と、ドミニカ共和国で小学校の教育指導にあたる同市上依知の粟根幸子さん(32)が、6月29日市役所を訪れ、山口市長に出発の報告を行なった=写真。
 中澤さんは国際武道大学体育学部武道学科の出身。卒業後、その経験を生かすために国際協力事業団青年海外派遣隊を受験し隊員に選ばれた。
 派遣先のチリでは、同国防衛省の柔道連盟イキケ柔道協会に所属、女子柔道のコーチをつとめる。同国の柔道協会では、青少年対策として柔道が行なわれており、近年は、女子の参加が目覚ましく、全国大会で活躍する選手が増えているが、女性の指導者が少ないため、中澤さんが派遣されることになった。
 中澤さんは「環境に早く慣れ、国際大会に出場できる女子選手を育てたい」と決意を述べていた。
 粟根さんは大東文化大学文学部教育学科の出身。卒業後、愛川町立中津第二小学校、厚木市立荻野小学校で教鞭をとったが、教師の経験を国際貢献に生かしたいと国際協力事業団の海外派遣隊を受験し、隊員に選ばれた。
 派遣先のドミニカ共和国では、教育文化省に所属して、ビジャタピア地域事務所が管轄する二つの小学校を重点に、教職員の質の向上や指導法、カリキュラムの見直しなど、担当教師や生徒、婦人会などに対しさまざまな助言を行なう。
 粟根さんは「自分の持っている行動力、発想力を最大限に発揮して、現地の子どもたちと楽しく交流したい」と抱負を述べていた。
 山口市長は「環境や風土、文化など日本とは異なる点が多いと思いますが、健康に気をつけて所期の目的を果たして下さい」と激励した。
 中澤さん、粟根さんとも派遣期間は2年で、中澤さんは7月10日、粟根さんは7月12日に成田空港から現地に向けて出発した。
(写真は左が中澤さん、身右が粟根さん)

厚木市例規集を
インターネットで公開

 厚木市は、これまで市役所本庁舎の市政情報コーナーおよび中央図書館で市民に公開していた「厚木市例規集」を、新たにインターネットを通じて公開することにした。
 家庭用パソコンなどを使って各種の条例や規則など約500例規を検索閲覧できるもので、これまでのようにいちいち市役所や図書館に出かけていかなくても、ネット上で利用できるようになった。7月1日より実施している。
 検索方法は、1体系検索(議会、教育、厚生などの体系から検索)と2五十音順検索とに分かれ、体系を選択すると、体系内の例規の題名が一覧で表示され、その中から目的とする例規の題名を選択すると本文が表示される。
 また、五十音順検索は、例規の題名の先頭の読み仮名を選択すると、選択した読み仮名で始まる例規の題名が一覧表示されるので、その中から目的の例規の題名を選択すると、本文が表示される。
 なお、パソコンによる情報入手が困難な方には、引き続いて現行の例規集による公開を継続している。
 ホームページアドレスはhttp://www.city.atsugi.kanagawa.jp/

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